Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。遅ればせながら、あけましておめでとうございます。年末年始にエネルギーをチャージされ、新しい年を迎えていらっしゃるようお祈り申しあげます。
2016年の1月に、「グローバル人材に必要なのは英語力だけではない」という記事を書かせていただきました。 逆説的ですがあるレベルの英語力は、グローバル人材にとって必須不可欠です。皆様の英語力は現在どのレベルにあるでしょうか? 英語力の向上に継続した勉強は欠かせないので、 2017年最初の記事は「継続は力なり」にしたいと思います。
主宰するグローバル人材塾・世人(せじん)塾の入学最低線は、TOEIC700点です。ある時、かなり前に取得されたTOEICの点数が750点はあるけれど、しばらく使っていない間に語学力が錆びてしまい、話せなくなってしまっている入塾希望者の方がいらっしゃいました。参加者の英語力が揃っていないと、ご本人がディスカッションの時に大変なだけでなく、周りも待っていないといけないなど迷惑がかかるので、申し訳ないと思いながら入学をお断りせざるをえなかったことがありました。
「これから、毎日、猛勉強して元のレベルに戻すので、そうしたら入学させてください」とおっしゃったので、「勿論です、お待ちしております。 頑張ってください」と申し上げました。私の本音は、ここまで錆びてしまっている語学力を3か月で立て直すのはさすがに難しいのではないかと思いました。ところが、それから2か月半後、ご連絡がありSKYPEでいいので入学面談をして欲しいとのこと。結果は、英語での会話力を見事に取り戻されていて、無事に次のクラスにご入学いただきました。
彼女が2か月半、何をしたのかと言いますと、毎晩、仕事から帰宅したら30分から1時間、フィリピンとSKYPEでマンツーマン英会話をやっていたとのことです。フルタイムの仕事をしている方が、毎日ですよ毎日。この時は「継続は力なり」の凄さを実感しました。
そういう私の継続力はと言うと、笑ってしまうほど本来はありません(苦)。人生で続いたものは英語の勉強だけかもしれません。なぜ続いたかは、a) 語学が大好きだから と b) 放り出しそうになった時に、助けてくれた人がいたからです。
TOEICが存在せず英検1級にチャレンジしていた頃、勉強はそれなりにしていたのですが英語力が伸びず、ほとほと嫌になってもう少しで諦めてしまいそうになったことがあります。その時、たまたま5ヶ国語が話せる人に、「語学の上達は努力に正比例しない。階段状で上がっていって、上に登るほど踊り場が長くて焦れるけれど、そこでやめたら終わりだから、諦めないで続けることが大切」と教えてもらいました。
諦めずにもう少し頑張ろうと続けていたら、英検1級に受かりました。
個人的に英語は、「語学が好き」で「記憶力」「音感」が良くて、「感性が鋭く(自分の投げた言葉への相手のリアクションを読みとる力がある)」「継続力がある」方の上達が早いと思っています。継続力は大事な要素です。
継続力に自信が無かったら、他の4つの要素でなんとか続けられように工夫することが必要です。杓子定規に、英文法の小難しい本を出してきても続かなければ意味が無いからです。楽しく勉強できる方法を考えないと、途中でギブアップしてしまうかもしれません。例えば、好きな歌の歌詞、映画鑑賞、単語力増強ゲームアプリ、ミステリー小説、もっと上のレベルであれば、新聞、CNN&BBCを観るなど、楽しく勉強を継続するためのネタは現代ならいくらでもあると思います。
外資系・日系企業に関係なく英語ができた方が、昇進の可能性も転職や海外勤務のチャンスも高くなることは明白です。なんとか工夫して、「継続は力なり」で英語力を伸ばしましょう。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。