Global Career Guide

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相手の年齢を気にしない欧米人

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。グローバル人材塾・世人(せじん)塾入門編、4/6(金)に無事開講しました。第1講から皆さんのお役に立ちそうなヒントをお伝えします。


第1講では、着任した上司が英語人だったらという前提で、どのような自己紹介がベストかを学びました。まずは握手の仕方です。強すぎると挑戦的だと誤解されるし、握力が弱すぎると”Dead Fish” つまりは、死んだ魚のように力がない、取るに足りない人間と言う誤解を与えます。慣れるまで、程よい握力で握手するのは意外に難しいので、演習を通して勘どころをつかんでもらいました。


今回は一人もいらっしゃいませんでしたが、自己紹介というと自分の年齢をおっしゃる方がアジア人には見受けられます。勿論、どうしても伝えたければ話して良いのですが、実はこれ、相手が求めていない情報です。


日本人が相手の年齢を気にするのは、教育の過程で飛び級というシステムがなく、大学を卒業したらみんなで一斉に就職し、横並び感覚が比較的長く続いたこれまでの流れがあるのかもしれません。日本企業から外資に転職される際、同僚や上司について”私より3歳上です” とか “私より4歳下です“と肩書きより年齢が優先の説明をされることがあり面食らいます。先輩なのか後輩なのかを押さえておきたいという心理が働くのかもしれません。


アジアがやはり年齢を気にする文化なのは、ホフステードの異文化モデルで説明できます。ほとんどのアジアの国は、個人主義vs 集団主義の文化の軸が集団主義に寄っていて、集団の中での立ち位置を把握したいという心理から来るのでしょう。


比較すると、英語圏のほとんどは、ご想像通り個人主義が強い文化圏になります。一斉に就職したり、そのまま”何年次入社”のグループという扱いで社会人生活を送るという仕組みに慣れていません。彼らにとって年齢は数字であり、大事なのはどのような経験をしてきたのか、何ができる人なのかです。つまり年齢を聞き出そうとすると、人によっては不快かもしれないので、深追いしないようにしてください。


メルボルンに二人、非常に親しい女性の友人(オーストラリア人)がいますが、彼女たちの実年齢を私は6年経った今でも知りません。そのうちの一人に、出会って割とすぐの頃、年齢を聞いてしまいましたが、はっきり ”I don`t want to tell anyone my age.” と言われてしまいました。なかなか日本人でこんなにはっきりNOを伝えられる方はいらっしゃらないと思います。文化の違いを大きく感じました。


かく言う私も、日本で育ちましたが外資系企業生活が25年、その後、オーストラリアに18か月住み、年齢に関しての感覚は欧米人に近いです。先日、ある集まりで割とすぐ年齢の話になり、同じ大学出身の方が私の年齢を知ろうとされたのには往生しました。「まずは何年に入学したんですか?」からスタートしたので、ふわっとかわしたのですが、今度は干支を聞かれそちらもかわす始末(笑)。


何が何でも隠したいわけではないのですが、知ったところで何になるのだろうが正直な気持ちです。


知り合って間もない英語圏の方には、性別に関係なく年齢を尋ねないことを習慣にしてください。職場、プライベートに関わりなく、女性の年齢を聞くのはタブーとされていますのでご注意ください。


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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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