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日本語でも必要なロジカル・コミュニケーション

先日、世界しごと博というイベントで、キャリア・カウンセリングのボランティアをさせて頂きました。

5分にお一人くらいの割合で、キャリアのお悩みに答えさせて頂くという内容です。

進路に悩んでいる大学生や、転職すべきか考えている社会人や、自分が海外向きかどうかを知りたいベテランなど、いろんな方のご相談に乗らせて頂きました。

その流れの中で、ひとつ気になったことがあります。

6人にお一人くらい、つまり1時間にお一人くらい、私に何を相談されたいのかがわかりにくい方がいらしたという事実。

5分くらいのお時間しか一人に割けないので、質問の内容がわからないのは、本当に時間のロスで勿体なかったです。

それ以降、つらつら何でかという原因を考えていました。

最初は、ただ単に地頭の問題かなとも思ったのですが、違いますね。

要は、「日本語で、ロジカルに説明できない」が、原因です。

日本語には、あ・うんの呼吸や、行間を読む文化があり、漠然としてても何とか通じますが、物事を説明する時には、やはりロジカルであることが必須と思います。

わかりにくかった方々のパターンは、大きく二つ、

前置きが長い、そのわりにボディ(本体)で言いたいことに必ずしもスムーズに繋がっていない

前置きは短いが、ボディ(本体)の説明がぐるぐるしていてわかりにくい 

でした。

逆にわかりやすいのは、結論、「私に何を聞きたいのか」が最初に来ている話し方でした。

例えば、「今、社会人5年生です。仕事にも慣れ、このまま今の職場にいて自分が成長できるものか、また適性にも少し悩んでいます」と切り出してくだされば、何を聞きたいかすぐにわかるので、私の耳もマインドもそちらの方向に自然とギアチェンジします。

こちらも、その方向に合わせて、もっと情報を引き出すような質問をする事ができます。

職場で英語のコミュニケーションが必要な方は、日本語でも、この結論を前に出す話し方をよくよく心がけ、練習した方がいいと思います。

日本語であれだけ非論理的な方の英語が、途端に論理的に切り替わるとは、とても思えないからです。

何語でもロジカルな方は、ロジカルだろうと思われるかもしれませんが、そうでもないのです。

英語力がある程度のレベルになるまでは、ちょっと気をつけないと、日本語では非常に論理的なのに、英語になるとわかりにくいという現象が起きます。

最終目標が英語でロジカルに話すことであるなら、母国語のときも気を抜かないで(笑)、しばらく練習してみることをお勧めします。

結論を先に言うことを是非心がけてください。

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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