Global Career Guide
元・外資系人事部長、10,000人を面接したグローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。主宰するグローバル人材塾・世人塾の15期が無事に終わりました。今日は、日本人っぽい英語から脱却するために役立つ本を2冊ご紹介します。
世人塾・上級編の参加者は、TOEIC平均スコア800点くらいです。ある程度何でも書けるし話せるけれど、もう一段、階段を上がる必要があると思われました。毎回、英文ライティングの宿題を出すのですが、共通して多い癖が幾つかあります。
“I was shocked by the news. “より “The news shocked me.” の方がインパクトがあります。学校英語で受け身形を習いすぎる名残で、この癖をお持ちの方は多いですが、TOEIC900点以上の方には見られないものです。つまりこの癖が直らないと、TOEIC900点超えは難しいということになります。
メールで ”I have understood it. “ と見かけることがありますが、メールを読んだ瞬間にしか当てはまりませんね。返事を書いて送信して、相手が受け取って読むまでに時間は経過するので、「たった今、理解した」というコンセプトはそもそも少しおかしいことになります。”I understood.” で十分です。未来完了形にトライされる方もいらっしゃいますが、その他のパーツとの一貫性が取れてないことが多いです。学校英語で習った、たくさんの時制はちょっと横に置き、現在形・過去形・未来形・現在完了形くらいで、作文する習慣をつけましょう。
この二つは日本人の英語学習者が上のステージに登る前に、最も悩まされる項目だろうと思います。まずは、周囲にネイティブ・スピーカーがいたら、彼らとの会話・ライティングに注意を傾け、真似をするしかありません。感覚がわかってくるまでに時間がかかるかもしれませんが、必ず努力がむくわれる日がきます。
以上を踏まえ、お勧めしたい本が2冊あります。選定の基準は、読みやすい・役に立つ度合いが高い・文字量が多すぎない です。
a)英語は3語で伝わります by 中山裕木子 ダイヤモンド社
この本を一言で言うと、動詞を効果的に使う方法を教えてくれる本です。慣れないと、難しい時制を使ったり、表現が長くなりがちですが、シンプルなのが一番。無駄なところはそぎ落として、スッキリした英語を話し、書けるようになりましょうがテーマです。主語+動詞+目的語で、3語ですが、どのような状況でも3語でなんとかなるという意味ではなく、基本3語で、必要なものを最低限足すという発想が大事ですと述べています。TOEIC600点以上くらいなら、読むことで英語力向上につなげられると思います。
b)日本人が「使いすぎる」英語 by デイビッド・セイン PHP
長年日本に住むセイン氏が、日本人が使いすぎる言い回しを取り上げ、ネイティブならどう言うかを教えてくれます。非常に実用的でわかりやすいと思います。幾つか例を挙げておきます。TOEIC500点以上にお勧めで、かなり上級でも英語圏に住んだことが無い方は読むと目からウロコかもしれません。
Thank you very much. → Thank you so much.
You are welcome. → My pleasure.
Me too. → Same here.
Ladies first. → After you.
たかが英語、されど英語です。英語力を向上させて、より転職に有利に、よりスマートに職場で仕事ができるようになってください。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。