Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、差がつく英語面接です。
最近の朝活で、シンガポール本社勤務の日本人エグゼクティブが英語での面接について話してくれました。万国共通の受かるコツをお伝えします。
面接の冒頭で、「ご自分の言葉でご経歴を2〜3分で話してください」と面接官が依頼することがあります。経歴は履歴書に全て書いてあるので、何のための質問なのか疑問に思うかもしれませんが、この場合は2つのケースに分かれます。
a) 面接官が履歴書の方ばかり見ていて、候補者の顔を見ないケース
ごくまれではありますが、面接官が忙しすぎて自分が以前スクリーニングした履歴書を、直前に再度読んでいない事が残念ながらあります。経歴を話しながら、相手が自分ではなく履歴書ばかりを見ていると思ったら、このケースです。相手の態度に臆することなく、堂々と自己紹介をしてください。
b) 面接官とアイコンタクトが取れているケース
このケースは候補者の地頭の良さが判断されています。自分の経歴なので、よくわかっていて当たり前のことを、初めて会う相手にどのくらい要領よく、わかりやすく伝えられるかをみたいのです。地頭の良さはある程度、できる人材かに直結するので聞かれたらどのように説明するかは、事前に準備してください。
面接官をしていると話が長い方に遭遇することが多々あります。前出の「ご自分の言葉でご経歴を2〜3分で話してください」に対して10分も話す方は、その時点で面接に落ちたと考えてください。理由は2つあります。
a) 面接官の記憶力のキャパを超えないように
面接官にとって候補者は、履歴書だけを拝見したことがある初めて会う相手です。自己紹介が10分も続いたり、ある質問に対しての理由3つを延々と話されると、話の最初のころに聞いた内容が飛んでしまいます。
候補者の立場に立てば自分の業績をアピールしたい気持ちがあるし、言葉足らずで伝わらなかったらと詳細を話したくなる気持ちはわかります。しかし、これは逆効果です。短くロジカルに話すようにしましょう。
b) 入社してからの仕事のやり方を誤解されないように
面接で、「入社してからのコミュニケーションも、まとまりがなく長いかもしれない」と誤解されるのは面接の場で得策ではありません。また自分の意図である「2〜3分で説明してください」をよく聞いていなかったのだろうかと思われるのも、候補者にとってのメリットになりません。
心配しなくても、面接官はもっと深く知りたいポイントについて、必ず深堀りの質問をしてくれます。つい話が詳細になりがちな人は、本番の面接までに練習して直しておきましょう。
トヨさんから伺った、直属の上司に対してすると良い質問は、「部署/チームの人数と構成を教えていただけますか?」です。
この質問をすることによって、上司が割とオープンなら、部署に昔からいるメンバーと自分が中途で採用したメンバーが混在していること、そのことが原因で抱えている課題などをシェアしてくれるでしょう。慎重なタイプであれば、入社前の候補者にそこまで率直には話さないかもしれません。
上司のパーソナリティが垣間見えるだけでなく、入社したら一緒に仕事するのは、直属の上司だけではないので、どのような人たちと仕事をすることになるのか、背景がわかるのは大きなメリットです
面接の最後には必ずQ&Aタイムがあり、何を聞けば良いのだろうと悩むことも多いです。次回の面接で面接官が直属の上司になる人だったら、質問タイムに所属部署のビジネスに関することだけでなく、部署の構成メンバーについても聞いてみることをお勧めします。
来月はコロナが5類に移行して初めての8月です。コロナ前と同じように、多くの人が夏休みを取ると予測できます。今年の8月は、採用のプロセスが著しく、ゆっくりになりそうです。転職活動中の方は、なるべく7月中に内定をもらえるように頑張ってください。応援しています!
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。