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外資系企業におけるプレゼンテーションスキルの重要性

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。外資系企業もしくは、英語で仕事をするにあたり、自分の業績評価を大きく左右するスキルをいくつか挙げられますか?

ひとつは、間違いなくプレゼンテーション・スキルです。10分や20分のプレゼンテーションで、その人のパフォーマンスの何がわかるのだろうと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、文化が違うから仕方ないとしか言いようがありません。ここぞというときに、自分の仕事・業績をアピールできる力がある人を「仕事ができる」とみなす文化なのです。

知り合いのカナダ人セミナー講師が「日本人は母国語でのプレゼンテーションの仕方さえ学校教育で習っていないのに、いきなり外国語である英語で上手にプレゼンしろという方が無理だろう」とよく嘆いています。

企業研修で出会った研修参加者のスライドがあまりに素晴らしいので、なぜかをお聞きしたところ、アメリカで10年教育を受けていて、人生初のプレゼンテーションは小学校でした”My Family”だったそうです。学校での教育方針が違うので、日本人は敵わないことが多いです。アジアで、人前での発表力を小さいころから教育している国はほとんど無いので、一般論で言うと欧米人と比べて見劣りするプレゼンテーターが多いということになります。

人前で話すことが得意でも不得意でも、英語でのプレゼンテーション・スキルは避けては通れないので、なんとかクリアーしないといけません。たくさんの方々を拝見してきて感じる日本人に足りないことが大きく二つあるように思います。

ひとつは、一枚のスライドに載せる文字量です。以前にもお伝えしましたが、スライドにたくさん文字を載せる癖がついている方が、これを直すのは大変なようです。

要は、a) 配布資料ではない b) プレゼンに欠席した方のために残す資料ではない c) 自分が何を言うかのキュー出し原稿ではない を肝に命じることが大切です。

日本人、もしくはアジア人のプレゼンテーションで足りないもうひとつの要素は、リハーサル(英語ではdry run) です。人前で話すのは母国語でも苦手だとおっしゃる方が、外国語である英語でほぼぶっつけ本番でプレゼンテーションをされるのには無理があります。

ここで、リハーサルに費やした努力は、必ず報われるという事例をお話ししたいと思います。企業研修で、人前で話すことが本当に苦手な方に出会いました。前に立った瞬間に少し震えてしまいますし、プレゼンのスタート時から緊張で声が裏返ってしまいます。ご本人があんまりあがっていらっしゃるので、聞いている方も気が気ではありません。「頑張って!」とか「大丈夫だから」という想いの方が強くて、話の内容に身がはいりません。正直、この方をどうしてさしあげたらいいだろうかと悩みました。

昔、大きなプレゼンの舞台でいつもより念入りにリハーサルをしていたお蔭で、救われた自分の体験談を披露して、とにかくリハーサルをして、話す内容を鐵的的に身体に染み込ませるしかないとお話ししました。

次の週、彼のプレゼンテーションは見違えました。もちろん、自信満々のプレゼンかというとそこまでには届いていませんでしたが、震えることなく声が裏返ることなく、堂々とできました。リハーサルしてあることは明白だったので、「リハーサルを何回しましたか?」とお尋ねしたところ、「30回」という答えが返ってきて、感動しました。

すごい実行力ですね。何より大切なことは、その努力が報われたという事実です。彼は、「自分は他人の何倍も努力しないといけないけれど、努力すればできるんだとわかったことが一番の大きな収穫でした」と感想を述べていらっしゃいました。

人前で話すのが苦手なら、それ相当の努力(リハーサル)をして、英語圏で必須のプレゼンテーションを乗り切らないといけないです。

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グローバル人材になるための必須スキルを習得「世人塾」オープンセミナー

http://atglobe.jp/lp/

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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