Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日のテーマは、「英語力と面接対策で外資への転職を成功させる」です。
まず英語力ですが、ペラペラでないと外資で働くのは無理と誤解されていますが、実際はポジションによります。国内がお客様の営業であれば、TOEIC600点でとりあえず十分です。管理職になり本社とやりとりしたり外国人ボスに仕えるようになるまでに、語学力を上げれば良いのです。技術職であれば、海外と関わるのかどうかが鍵になります。100%日本人と仕事をするのであれば、こちらもTOEIC600点あれば御の字。ただし、海外プロジェクトに参加すると途端に共通言語が英語になるので、TOEIC850点でも辛いかもしれません。
応募するときに、求められる英語力が明記されていることも多いので、よく確認することをお勧めします。
性格も影響します。本番に強いタイプの人は有利です。緊張しやすい人は、想定質問を幾つも考えて答えをざっくり用意しておいた方が無難です。ZOOMはカンニングペーパーを手元に置くことを可能にしましたが、視線の動きで面接官にはわかるので、下に置かないでPCの上部のフチに付箋で貼っておくとバレにくいです。
英語での模擬面接をしていると、「このポジションには英語力がもうあと0.5歩くらい足りないなぁ、受かるかな」と感じることがあります。現在、英語を話す機会がない方は、本番前に口滑りをよくするために「英語を話す」練習をした方がいいです。英語力がそれなりに高い方でも、久しぶりだとスムーズに英語が出ないことがあるからです。
さて、外資系への転職対策ですが、英文履歴書をまずは整えましょう。
最も大事な点は、以下になります。
● 応募先の職務記述の「必須」事項を全てカバーする (経験が足りていることの証)
● 冒頭のSummaryを5行以下で簡潔に (プロフィールが一目でわかる)
● 自分にとって誇らしい実績を並べるのではなく、応募先の「ポジション」内容と関連する実績を最上位に書く
● 読み直して誤字脱字を修正。特に細かいことが得意であることを求められるポジション(経理・秘書・法務・エンジニア)の場合は気をつける。
カバーレターはほとんど読まれていないので、国内外資に転職する場合は、書かなくて大丈夫です。読まれない理由は、「入社したいという情熱」が記されていて、経験値・スキルなど客観的に計測できるものは書かれていないからです。採用担当者がまず読みたいのは「職歴」ということです。
書類が通過して面接に進んだら、日本人同士でも途中で英語に切り替わる可能性はあります。実際にそうなっても慌てないでください。英文履歴書から、現職で英語をほとんど使っていないと判断される、留学経験がだいぶ昔などの場合は、現在の英語力を確認するために、急に言語を切り替えることを故意にします。不意をつかれた時の真の語学力を見たいのが理由です。
最初から英語で面接になるとわかっている時に気をつけたいことは、以下になります。
1. 内容
職務記述書と自分の英文履歴書を見比べて、想定質問をたくさん考えて、答えを英語で用意しておくことです。丸覚えすると、変化球の質問が来た時に対応できず英語力のばらつきを見せてしまうことになるので、あまりお勧めしません。どうしても受かりたい企業であれば、あらゆる想定質問を他者の力も借りて考え、丸暗記することで乗り切るしかありません。
面接官の職位にも注意を払いたいです。人事の面接官は、候補者の人柄とコミュニケーション力を見ています。直属の上司になる面接官は、即戦力・自分との相性・チームに入れた時のバランスを見ています。役員・海外本社の人間が面接官の時、日々の細かい業務について話し続けないようにしたいです。彼らはビジョンを持って仕事をしており、マクロに俯瞰できる人材にポテンシャルを感じる可能性が高いからです。
2. コミュニケーション力
英語での面接では、アイコンタクトが重要です。PCの下にティッシュ箱などを入れて高さを調節して、PCのカメラと自分の目の高さが同じくらいになるようにして、カメラに向かって話しかければ、アイコンタクトが取れているように相手には見えます。慣れないと違和感があるので、事前に練習しておきたいです。
帰国子女に多い”You know.” “Yeah”を、ビジネスの場で多発するのはプロフェッショナルな印象を与えません。口癖になっている方は、ぜひご注意を。
英単語が出てこない時に、視線を外して上を向いてしまう方が多いです。オンライン面接では、肩から上くらいがアップで映し出されるので、非常に目立ちます。落ち着きを醸し出すためにも、英語を考えたい時はせめて面接官のあごあたりを見るなど工夫しましょう。
外資系への転職を考えるにあたり、英語力に自信がない、英文履歴書の書き方がわからない、英語で面接を受けたことがないなど不安を抱えている方は多いです。皆さんの夢を叶えるサポートをさせていただきたく、オンライン英語コーチングスクール(株)フラミンゴ社とのコラボで、3ヶ月の「外資系転職対策コース」を開発しました。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。