Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。最近、適性のご相談の他に、外資系に向いているかどうかのご相談を受けることが多くなりました。英語での面接で、英語慣れしているかを人事がチェックする二つの大きな仕草について今日はお話しします。
昨日、日本企業にお勤めの方とお話ししていて、「ミッキーさんは、相手の目をとってもしっかり見るんですね、ちょっと怖いです」と言われてしまい、大ショックでした。外資系企業に20年勤めて、コミュニケーション・スタイルがすっかり英語人化したのでしょう。彼女曰く、新卒の時に「3割は相手の目を見て、7割は視線を外す」と教わったそうで、その通りにやっているとのこと。
なるほど外資出身の私には、彼女のアイコンタクトが物足りないはずでした。英語でのコミュニケーションでは、相手の目をしっかり見ることが基本です。20年もの間、当たり前になった習慣なので、私は今さら切り替えることができなくなってしまったようです。自分の周りも外資系出身者が多く、どちらがいいとか悪いではなく、アイコンタクトがあることを当たり前として仕事をしています。
彼女からフィードバックをもらい、合点がいったことがありました。外資系人事で面接をしていた頃、最初の5分で違和感を感じる方は、手元で履歴書を見直すと見事に2パターンに分かれました。まずは、現在、日本企業にお勤めでこれから外資系企業に転職しようとしている方。もう1パターンは、エンジニア職などで外資系にいても、PC相手のことが多いのかそもそもアイコンタクトが苦手な方。どちらも、英語でのコミュニケーションに慣れていないことを意味するので、選考の際、同等のスキルをお持ちの方がいて英語でのコミュニケーションが必要なポジションなら、その段階でアウトになります。
外資系での面接となると、当然英語力がチェックされることもあります。100%チェックされるわけではありません。そうなると、どのような場合はチェックされる、もしくはされないかが気になりますね。100%チェックされるのは、ワーキング・ホリデーで海外に行った、もしくは語学留学をしたケースです。目的により、いろんな海外渡航スタイルがあって良いと思いますが、コミットメント・レベルが低いと見なされると、英語の勉強を現地でちゃんとしたのか疑問と思われがちです。微妙なのは、4年制の大学を卒業されている方です。一般論では多感な時期を英語環境で過ごすわけなので、英語はかなりできて当たり前なのですが、100%そうとも言い切れません。名前があまり知られていない大学を卒業している場合は、チェックされる可能性があります。大学院卒業者は、それなりの英語力がないとそもそも入学できないので、チェックされる可能性はまずないでしょう。
そしてここからが肝心なのですが、英語で面接を受ける時、英語を聞きながらうなづいてしまうと、英語でのコミュニケーションに慣れていないことが露呈します。日本語でのうなづきは共感力を示しますが、英語でのうなづきは「あなたの意見に同意します、あなたが言っていることは正しいです」など合意を表す仕草なのです。つまり、「あなたの意見に賛成できません」という趣旨の発言をしている傍らで、相手の話にうなづいてばかりいると、相手にとってYesなのかNoなのかが、わからないということになります。
うなづきながら他者の話を聞くことが癖になっている方は、とにかく気をつけてください。英語で話を聞いている時は、本当にそうだなと納得した時や、I agreeを表したい時のみ「うなづき」、それ以外の時は首を動かさないを肝に銘じてください。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。