Global Career Guide
元・外資系人事部長、現・グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。
アサーティブって何だろうと思われた方も、言葉は知っているけれど、自分が出来ているかどうかわからない方もいらっしゃると思います。
アサーティブは、正確に当てはまる訳語が無い言葉ですが、無理に訳すなら「自分を主張できる」マインドとでも言いましょうか。勿論、わがままに自分の主張を通そうとするのとは異なり、言いたいことを臆することなく口に出来る力です。
日本人は、奥ゆかしいを美徳とし、「能ある鷹は爪を隠す」文化で育つので、英語を話す時だけ急にアサーティブになれと言われても、なかなか難しいです。
私は、グローバル人材育成塾「世人(せじん)塾」を主宰しておりまして、外資に転職したい方や外資でもっと出世したい方々と一緒に学んでいますが、このアサーティブネスを強化することに、かなり力を入れています。
外資系にお勤めの方が、全員外交的でアサーティブかと聞かれればそんなことはありません。でも、外資系で成功するのに、アサーティブネスは絶対に必要なのです。
具体的には、毎回冒頭で行う1分間の英語スピーチの順番。私は参加者の方の自主性とアサーティブネスを大事にしたいので、指名するということを一切しません。放っておくと、アサーティブで社交的な方からドンドン手が挙がり、アサーティブとは言えない方は、最後の方に残ってしまいます。
時々、荒療治で「今日は、アサーティブネスが足りないと思ってらっしゃる方からスピーチをして頂きます。誰からスタートしますか?」なんて言ってみたりします。
本当はトップバッターなんてやりたくない方々が、しょうがないので勇気を出して、やってくださいます。ドキドキしながら待つ時間が無いので、実は結構うまく出来たりすることも実感してもらえます。「トップバッターは嫌だけれど、最後の方に残るより気持ちが楽だとわかったので、次回はもう少し早い順番でやろうと思います」なんて、感想を言ってくださったらしめたものです。
世人塾は講義の一部が英語なのですが、全員からフィードバックを英語でもらうような場面でも、やはりアサーティブで無い方は、なかなか意見をおっしゃいません。
じっと待っているのは、外資系出身の私には辛いこともありますが、そこは我慢。指名して無理やりでは、アサーティブネスが育たないので、じっと待ちます。
全員がコメントを言わないといけない状況で、私が指名はしないとわかっているので、最初は非常におどおどと、言いたくない(笑)意見を言ってくれます。
回が進むと、意見を聞かれるとわかっているし、言わないと通してもらえないという気持ちが左右するのか、すこーしずつですが、だんだん積極的に発言してくださるようになります。
要は世人塾のクラスの中で、アサーティブであろうと無かろうと、発言しないとレッスンが先に進まない状況を作り出しているのです。そうすることで、少しずつ、アサーティブネスを養うお手伝いをしています。
みなさんの日常で、アサーティブネスを鍛えるにはどうしたらいいでしょうか?
簡単なところでは、例えばランチタイム。「なんでもいい」とか「それと同じ」をやめて、人とは違うものを頼んでみることも、非常に単純なようで積み重なれば、アサーティブネスにつながりますね。
あとは、研修のような利害関係が無い場面。学ぶために参加しているわけで、完璧である必要は全くなく、自分の意見が合っていてもそうでなくても構わないので、いつもよりアサーティブに意見を言ってみるなんていうのも、リスクフリーで実践的です。
最終的には、会議でも発言できるようになりたいものです。
外資での会議は情報共有が目的ではなく、問題解決が目的なので、ただ黙って参加していたのでは居る意味がありません。意見を言うのは勇気がいるのであれば、気が効いた質問をしてみるという所から始めて、アサーティブであるように見せられたら合格です。
英語圏で仕事をするにあたって必須のアサーティブネス。もっと深く知りたい方は、ぜひ世人塾オープンセミナーにお越しください。
2時間の凝縮バージョンで、「多様性を受け入れ、ロジカルに発表・主張できるグローバル人材」のためのコミュニケーションについてお話しします。
グローバル人材になるための必須スキルを習得「世人塾」オープンセミナー
http://atglobe.jp/lp/index.html
6/11(木)の回、まだお席に余裕があります。
6/5(金)の回は、お蔭様で満席御礼となりました。ありがとうございました。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。