Global Career Guide

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外資系で必要なスキル(4) – Can do の姿勢

グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。

今日は、英語人(欧米人)と仕事をする時の大切な心構えについて、お話ししたいと思います。

それは、何かを依頼された時に、とりあえず、ポジティブに受け止める “Can do” の姿勢です。


日本人は真面目ですし、出来るかどうかもわからないことを引き受けて、ちゃんと出来なかったらという責任感、裏返して、リスクを取らない傾向にあると思います。


これに対して英語人は、ポジティブであることをよしとします。


アメリカ企業のアジア・パシフィック本社で、仕事をしていた時のことです。

私は人事のNO.2 で、トップではありませんでしたが、ボスが出張中で本社とのテレコンに代理出席しました。

とりあえず、話の内容を聞いておいて欲しいというのが、ボスからの私への依頼でした。

私以外のアジアからの参加者は、ITとFinanceのトップ。シンガポール人とマレーシア出身、現・香港人です。


テレコンが始まる前、ITとFinanceのトップは、アメリカ本社から降りて来るプロジェクトが多すぎて、部下達に負荷がかかっているという雑談をしていました。

いざテレコンが始まり、内容は、新たなプロジェクトをアジア・パシフィックで展開したいという依頼です。

ここでなんと驚いたのは、同席した二人の反応です。

さっきまで、忙し過ぎるとぼやいていたのに、


“That sounds an exciting challenge.” “Great Opportunity.” などと言っています。


驚愕した私の気持が顔に現れたらしく、目で「何も言うな」と制されました。


テレコンが終って、狐ねにつままれたような顔をしていたに違いない私に、二人が教えてくれたこと。


「Micky, 英語人は、ポジティブなのが好きなんだよ。最初から、それは出来ないとか、出来る自信が無いなんて返事は、全く期待されてない。出来ないと言ってみたところで、本社が決めたら必ずプロジェクトは降りてくる。だから、とりあえずは、Can do の姿勢で受け止めて、必要な予算・時間・人手をどう確保するか即座に考えるのが、外資で上にいる人間の仕事だ。どうしても無理な時は、最初にNOと言わないで、言うタイミングを見計らう。それが出来ないと、君は上には上がれないよ。」


なるほどと思いました。

それから、外資で上の役職にあがるにつれ、彼らの言う意味を深く理解するようになりました。


すでに会社員ではない私ですが、先日、某企業のカナダ人担当者と話していた時、ひどく面倒なリクエストを出されましたが、


“Oh, that would be a great learning opportunity for me. It sounds challenging!” と答えている自分がいて、後から苦笑してしまいました。


外資で生きていくコツのひとつは、そう簡単ではありませんが、常にポジティブに受け止める“Can do attitude”を持つことです。

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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