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外資系で必要なスキル(3) – NOと言う力

オーストラリアから帰国して、日本企業の方々とお仕事をさせていただくようになり、良く言われる「NOと言えない日本人」は、本当にその通りだと感じています。

NOと言うと、相手が気を悪くするとか。


知り合いのアメリカ人社長が、お付き合いの長い日本企業に来年度の事業計画を持ちかけたところ、ミーティングが設営できないとか。

どうしたのだろうと電話してみたところ、メールで◯月◯日までに回答しますと、言われたので待っていたそうです。その日が過ぎても音沙汰がありません。

アメリカ人社長は、腑に落ちず、また来年の話が出来なくては困るので、再びメールを出しましたが、返事がないとのこと。

そのあたりから、周りの日本人は理由はともあれ、NOって言いたいけど言えない(言いたくない?)状態なのではと、思い始めました。

彼にそうアドバイスしたら、「こんなに長い付き合いで、メール1本書けないとはどういうことだ! 来年の売り上げにカウント出来るのかどうかがわからなくては困るんだ。 You know what. Even after living in Japan for 15 years, I am still American. If your answer is NO, just simply say NO.」と、怒り気味でした。


後にわかった真相は、先方の戦略が変わり取引停止の方針を伝えられなかったとのこと。

それでも、ずっと伝えないわけには行かないので、早めにNOは伝えてあげたほうが良かったのではと思います。


NOと言えない事例の、大きなこと小さなことが、たくさん身辺に起こるようになり、私にも少し忍耐が必要になっています。

英語はストレートな言語なので、日本語に比べたら、遥かにNOと言いやすいはずなのですが、日本人のマインドを引きずってしまうのでしょうね。


NOを上手にでもきちんと言えるかどうかは、外資では重要なスキルです。
相手を誤解させたり、イライラさせないことは、コミュニケーションの基本だからです。


NOを言えない日本人で、外資で出世した方を見たことがありません。

本社からの無理難題も当然あるわけなので、どこかで出来ないことは出来ないと言えるようでないと、信用されないし尊敬されないと思います。


あなたは、英語で“NO”を言えますか?

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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