Global Career Guide

キービジュアル キービジュアル

外資系で必要なスキル(13) – レディファースト

このタイトルを見て、「レディファーストぉ? そんなの当たり前じゃない」と思ったあなたは素晴らしい!
「外資系って言っても日本法人だし、あんまり関係ないんじゃない」と思ったあなたは、もう一歩かもしれません。

元々は、弱き女性を守る騎士道精神から来ているとすれば、女性が自立し強いと言われる今日この頃、なんでレディファーストなのかと腑に落ちない方もいらっしゃるでしょう。男女平等と関連づけるから、話がややこしくなるのですね。西洋文化のマナーだと思えば、話は簡単です。日本人が、ご飯をスプーンで食べないのと同じです。
レディファーストが出来ないのは、特定の文化では「ダサい」を越えて「マナー違反」なのです。

メルボルンで私自身が経験したのですが、日本で言えば六本木ミッドタウンのオフィス棟のようなビルで、エレベーターの前でアジア人男性と一緒になりました。私は、当然、自分が先に乗るものだと思っています。ドアが開いた途端に、彼の方が先に乗ったのには驚いてしまい、国籍を知りたくて、どこから来たのか声をかけてみました。答えは、上海。あー、中国もレディファーストの国じゃないからと納得し、メルボルンに来て何年になるのか聞いてみたところ、2年だとか。地上に着いてドアが開き、先に降りるのはまた彼(笑)。二人の行き先も実は同じで、1階のカフェで珈琲を買いたかったのです。ほとんど同じくらいのタイミングで着き、先にオーダーしたのが彼。
私は、”What are you doing??”と、口から出る寸前。随分、異文化アンテナの低い方だと驚愕しました。
2年もレディファーストの国にいて、周りにそんなことしている男性は一人たりともいないのに、未だにやっているその感性の低さ。失礼ながら、グローバルな舞台で出世できる人材じゃないなと思いました。

日本は確かにレディファーストの文化は持ち合わせませんが、外資系だと海外に留学された方が多いので、レディファーストが出来る方、かなり多いです。知り合いの69歳のヘッドハンターの方、65歳の私のメンター、どちらもアメリカの大学を卒業されていて、レディファーストを当たり前にこなされています。エレベーターの前では女性に譲る、車に乗るのは女性が先、を自然に出来るのは習慣になっているからで、年齢は関係ないのだと思います。お二人とも、外資系出身です。

外資系でやっていかれるなら、レディファーストをさらりとこなせるスマートなビジネスマンになってください。特に、海外からビジターが来る時は注意です。日頃、習慣になっていないことはなかなか出来ないのが人間なので、職場で練習することをお勧めします。

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

カテゴリー一覧