Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。本日は、書類選考には通るけれど、面接に受からないIT エンジニアからのご相談を紹介します。
ご相談者は学歴も職歴も申し分なく、書類は余裕で通るのですが、面接に落ち続けているとのことでした。
ルミナスパークの結果を見て、多分これが理由かなと思った要素が2つありました。まずは、内向的のレベルが高いこと。内向的な方はエンジニアに多いですし、仕事上で問題はあまりないはずですが、それも程度問題で、内向性が高すぎると面接受けしにくい候補者になります。
もう一つは、詳細データに「表現力豊か」という項目があるのですが、このスコアが著しく低い点です。自分の考えを相手に口頭で伝えることができるかどうか、お目にかかった時に要確認とメモしてキャリアカウンセリングに臨みました。
お目にかかって感じた改善点は、上記を受けて2つありました。まず、第一印象をもう少し明るくしたいです。内向性が前面に出てしまい、暗い印象を受けます。「人間は見た目が9割」というのは本当で、訓練を受けた面接官でも第一印象を引きずることはありえるので、最初が肝心です。その方は笑わないことで知られているそうですが、ここは面接。俳優になったつもりで、冒頭に「○○です」と挨拶するときに、一度で良いから笑顔を繰り出すことを強くお勧めしました。実際に、その場で少し練習してみましたが、本来はとても爽やかで綺麗な笑顔をお持ちです。これを使わないのは勿体ないです。皆さんの中でも「不愛想」と評される方がいらしたら、オープニングに一回で良いので笑顔を見せることを実行してください。
改善点のもう一つは、表現力が乏しい点です。とても素敵な声だけれど、低いトーンで単調にモゴモゴ話されます。よく聞き取れない上に、ハキハキしていない印象を与え、非常に損です。人にはいろいろな特性があるので、「口で伝えることが得意でない」イコール「頭が悪い」ではないのですが、話がわかりにくいと地頭を疑われることになりかねません。彼の場合は、表現力が豊かのスコアが3%、つまり100人並んだら、後ろから3番目にいるという状態なので、話し方教室を検索して大至急探し、プロの指導を受けることをお勧めしました。面接だけでなく、今後の職業人生にもプラスになるはずだからです。
彼の特性は、内向的・データ重視・結果重視でITエンジニアは適職です。経験も十分にありますが、転職は、プレゼントの箱の中が充実しているだけでは面接に受かりません。素敵な包装紙で包み綺麗なリボンをかけてこそ、立派な候補者に見えるのです。実力だけが全てでないことを理解して、どのような包装紙・リボンをかけたら良いかもよく検討してください。
師走に入り、今手元にあるお話を逃すと、次の波は来年かもしれません。内定をお持ちの方はタイミングも考慮して、最終判断を出してください。
Good Luck!!
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。