Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。先日、オンラインサロン主催でセミナーを行ったのですが、Q&Aで出された質問が秀逸だったので一部を共有します。
セミナーのお題は「コロナ時代の転職術〜適職を目指して外資系をもっと知る」でした。参加者は外資系に転職するかどうか迷っている、もしくは海外勤務を視野に入れている方が多かったです。
Q1. 外資は年齢で門前払いされるイメージが強いのですが実態はどうなのでしょうか?
3つの節目年齢があるのは事実です。
30歳位 : キャリアを大きく変える上限。例えば、営業からマーケティング、経理からSEなど大きくキャリアを変えたい場合、一番無難なのは現職場での社内異動です。外資は即戦力採用なので、外部でキャリア変更を叶えたい時は30歳くらいまでなら可能ですが、経験がないので年収が下がる可能性はあります。スキル・経験値を上げると「お金」は後からついてくるので、やりたいことがあったら後悔しないようにチャレンジしてください。
42-43歳 : 初めて外資に転職する上限。この年齢はつまり社会人20年を意味します。減点主義・集団主義・アサーティブネスが重んじられない日本企業で「出る杭」にならないように20年過ごすと、考え方・価値観が身に染み付いて外資系への移行がスムーズにいかなくなります。年齢にこだわるなんてと、50歳くらいの方を複数採用した経験がありますが、結果はうまく機能しませんでした。前職に愛着があり、石橋を叩いていて「走りながら考える」外資に適合できず、部下達が困る結果に終わり残念でした。年齢は単なる数字ではありますが、人間は習慣の動物だということを実感せざるをえませんでした。
50歳 : 書類選考を通らなくなり始める。残念ながら、日本の労働市場に年齢差別は歴然と存在します。但し転職回数が少なくてa) 役員クラス b) 専門性が非常に高い人材不足の職業は例外なので、将来のために専門性を高めることが未来を安泰にする鍵です。
Q2. 外資の企業文化に影響を与える要素は何でしょうか?
社長が外国人かどうかは大きいです。ビジネス的には、日本市場・商習慣を理解している、本社と英語でやり取りできる日本人の方が良いかもしれません。ただ外資度の高い企業文化の元で仕事をしたいのであれば、業績が良いことを前提に、外国人が社長の企業を選んだ方が良いです。社長が操れる言語が英語ならば、部下達は英語でコミュニケーションを取るしかありません。どんな複雑な状況も英語で説明しないといけないのは正直大変ですが、偉い人に全てを説明する必要はないこと、どのように要約したらよいかの訓練ができます。
仕事のやり方・価値観・判断基準など英語圏流を学びたい方、ワーク・ライフ・バランスを大切にしたい人にも、外国人社長の企業がお勧めです。本人は朝7:00に会社に来て、17:30には退社、家族と食事が終わったら20:00から再び仕事をするというハードワーカーかもしれませんが、社員がなんとなく残業をしていて長く会社に拘束されるという状況は回避できます。
Q3. 日本的な外資に転職したいのですが、その他に確認ポイントはありますか?
2次面接以降で「外国人の数・率」を確認しましょう。社長と役員が外国人でもマジョリティが日本人では、文化が希釈されて日本的な外資である可能性はあります。目安は外国人が2割以上いて、日本採用の外国人スタッフばかりではなく、上の方の役職にも外国人が多いのが理想です。外資はトップダウンなので、マネジメント層がどんな人達かで企業文化が大きく変わります。
3,000人規模の米系企業に勤めたことがあります。社長はアメリカ人でしたが、入社してから全社員中に外国人が100人くらい(3%)しかいないとわかりました。圧倒的に日本人が多いので、飲ミュニケーション・根回し・意思決定が遅いなど、それまで属した外資系に見られなかった特徴があり驚いたことがあります。どちらが良い悪いはないのですが、本人に向いているかどうかはあります。
本日は、先日のセミナーのQ&Aから一部を抜粋しました。外資と言えど年齢はある程度は関係することと、企業文化として外資度のより高い会社に転職したい場合は社長が外国人かどうか、また外国人の比率を確認するといいでしょう。
Good luck!!
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。