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メルボルンで行った日本人向け、英語人向けセミナー、それぞれの違いは?

先週、オーストラリアのメルボルンで、セミナーを2回させて頂きました。

内容は同じではありませんでしたが、参加者が日本人なのと英語人なのでは、だいぶ違いました。

まず、話し手の私ですが、日本人向けのセミナーでは、相手が英語圏で暮らしている日本人だとわかっていても、柔らかめに話していたと思います。

日本語が、ストレートな言語でないことが最大の理由かもしれません。

それに比べて、英語人相手の時は、相手が日本語を勉強している親日家ぞろいで、どちらかというとアジア的だとわかっていても、やっぱり英語なのでストレートな物言いになります。

言語の種類が、話し手の態度に影響を与えると、はっきり自覚できたと同時に、英語で話している時は、明確に話さないと相手に伝わらないと再認識しました。

参加者の違いはと言いますと、これがQ&Aの時に面白いほどはっきり出ました。

日本人の方々は、質問は日本語ですればいいとわかっていても、なかなか手が挙りませんでした。

本当にそんなに質問が無いのか心配になり、何回か水を向けさせて頂いたところ、やっと一人の方が手を挙げてくださいました。

その後は、質問の嵐(笑)

先頭を切るのが嫌だったのでしょう。人前で話すのが苦手に育っていることもあるでしょうね。

メルボルン在住平均4ヶ月くらいのようでしたので、なるほど、このぐらいでは、まだ「人前で話すのが苦手な日本人」の皮を脱ぐのは難しいのだなとわかりました。

比較すると、日本語を勉強していて、どちらかというとアジア人っぽい感じの方が多い英語人参加者のセッションは、Q&Aの時、ものすごい勢いで手が挙り、誰を先に指すか決めないといけないほどでした。

ここから日本人が学ぶべきことは、英語人と一緒に仕事をするとき、臆していたのでは、置いていかれてしまうということだと思います。

意見はあるけれど、人前で話すように教育されていないから、話したくないだけだとは、誰も思ってくれないということです。

昔、アメリカ人の人事部長がNY本社に戻り、私が出張で向こうに行った時に、ミーティングの後、呼んでくれて、「言いたいことは、本当に無かったのか?」と聞いてくれたことがあります。

日本で5年も仕事をしていたので、日本人の習性に慣れて気を遣ってくれたんだろうと思いますが、このようなことは、日本人慣れしていない英語人には全く期待できません。

言いたいことがあるなら主張する、聞きたいことがあるなら質問する。

相手に行間を読んだり、あ・うんの呼吸を求めたりしないことが肝心です。

「出る杭は打たれる」文化にどっぷり浸かって、成長することは、グローバル人材になる上では、かなり大きな足かせになるとつくづく思いました。

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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