Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。
インドネシアのバリで開催された国際会議で、グローバル人材育成の取り組みについて発表してきました。
全世界から参加者が集まるグローバルな舞台での、私のプレゼンテーションが見たいとわざわざバリまで来てくれた世人(せじん)塾の卒業生がいたので、彼女にも1分ほどプレゼンをしてもらいました。仕事と関係ないグローバルな舞台で、プレゼン力を試す良い機会になったと思います。
塾長としては自分のプレゼンよりはらはらしましたが、世人塾でプレゼンについてはさんざん鍛えられているので、彼女は見事な仕上がりでオーディエンスからもたくさん拍手をもらえて大きな自信になったと思います。
今回、国際会議のスピーカーをたくさん拝見して、外国語でのプレゼンテーションはスキルで、基本を押さえた上で必ずリハーサルをしておく必要があると再認識しました。
基本のひとつは、一枚のスライドに載せる文字量です。特に100名が円卓で参加するような大きな会場で行う場合、後ろの列に座っている人にスライドの内容が見えるかどうか考えてみることは必須です。1/3くらいのスピーカーのスライドの文字量が多すぎて、”As you can see on the screen, (スクリーンを見てもらえばわかる通り)“と言われても、「読めません」状態だったのは本当に残念でした。
どのようなテンプレートなのかにもよりますが、せいぜい5行です。どうしても、数字などのデータを見せたい場合は、1回限り、「小さくて読めないかと思いますが、XXXのためにお見せしますと、このスライドはXXXです。」は許容範囲だと思います。
基本のもうひとつですが、プロジェクターの前を横切らないです。結構、プレゼン慣れしてらっしゃる方がされるのですが、ステージの上のビジュアルが乱れますし、場合によっては顔が光を浴びてプチお岩さんになったりするので、注意が必要です。ライトとプロジェクターはどこで、自分がどこに立てばさえぎらないで済むかは、事前に計算しておく必要があります。
怠ってはならないのが、ドライラン(リハーサル)です。
会社員を辞めて5年。本社レベルで英語のプレゼンを久しくしていない私は、18分の感覚を忘れているだろうと、事前にドライランしておくつもりでした。
直前まで多忙で、とうとうできなかったので、飛行機の中でやりました(笑)
18分の持ち時間を厳守して欲しいと言われているのに、私の最初のランは13分! 世人塾・卒業生には1分くらい話してねと頼んであったので、これでは4分もショートしてしまいます。とてもプロのプレゼンとは言えないので、どこを膨らますかをよーく考えて、さらに2回行いOKと思ったところでとりあえず終了。あとは、いつものように当日の朝、1回か2回やれば大丈夫のはずとワインを飲み始めました(笑)。
世人塾の中では、レッスン1&2で1分の英語スピーチ、レッスン3&4で3分の英語スピーチ、最終レッスンは10分のファイナル・プレゼンテーションとスピーチだらけなのですが、ちゃんとリハーサルしてこない方は、プレゼンテーション力が伸びません。
逆に、最初のころシャイでちょっとモジモジしているような方でも、リハーサルしないといけないんだと肝に銘じてちゃんと練習する癖がつけると、飛躍的に伸びるようになります。
今回、バリまで来てくれた4期生も最初は立ち姿すらしゃきっとしない感じでしたが、先週のグローバル・ステージでのプレゼンは見事でした。もちろんちゃんとリハーサルしてあること一目でわかりました。
どんな舞台でも、外国語でプレゼンテーションするということは、母国語のようになんとか適当につなぐということができるとは限らないので、必ず声に出してリハーサルをしてから本番に臨んでください。
ちなみに私の今回のリハーサルは、飛行機の上が3回、当日の朝が2回で合計5回。本番は卒業生のスピーチを足して、ぴったり18分で終えました。
発表が終わったあと、香港とロンドンでグローバル人材育成に関わっている方々が話しかけてくださって、「もう少し詳しく聞きたいのでメールする」と言ってくださったので、まぁ成功だったのでしょう。
グローバルに仕事をする上で、英語でのプレゼンテーション・スキルは不可欠です。他にはどんなことに気を付けたらよいか、知りたい方は、世人塾のエッセンスを凝縮した2時間のオープン・セミナーを開催しますので、ぜひご参加ください。プレゼン力以外にも、グローバル人材になるために必要なスキルについてご説明します。
グローバル人材になるための必須スキルを習得「世人塾」オープンセミナー
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。