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グローバル・スタンダードな英語プレゼンのスライドとは?

こんにちは。グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。最近、日系企業でプレゼンテーションの研修をさせていただく機会が続きました。ほぼ毎回驚いたのは、スライドに載せる文字量の多さと、スライドを棒読みする方が多いことです。

日系企業におけるプレゼンテーションは情報共有かもしれませんが、外資系企業におけるプレゼンテーションは、上に行けばいくほどパフォーマンスに近くなります。いかに上手に自分を大きく見せられるか、聞いていて引き込まれるデリバリーであるかが勝負です。

英語圏でプレゼンをする機会がある方、外資系に転職して出世したいと思っている方は、グローバル・スタンダードな英語スライドを作れる必要があります。

1.スライドに載せる文字の量

英語でのプレゼンに慣れてない方、もしくは日系企業にお勤めの方の英語プレゼンで多いのが、配布資料かと思うほど小さいフォントでびっしり書かれたスライドです。英語圏では全く受けません。そもそも、読めば内容がわかるようだったら、わざわざプレゼンに参加して聞く意味がないということになります。スライドには見出しだけを書きましょう。

2.  スライドを棒読みしない

ときどき、スライドに書かれた内容をそのまま読む方がいらっしゃいますが、これも英語プレゼン初心者というラベルが貼られてしまいます。自分が話すパートを全部覚えられないと不安な方は、Noteの機能をフル活用して、忘れがちなことはそこにメモ書きし、途中でちらりと目をやって何喰わぬ顔でプレゼンしてください。メモ書きを手に持ちたい方がたまにいらっしゃいますが、見栄えが悪いですし、手に持ったら最後読み上げるようなプレゼンになること必至なので、手に持たないことをお勧めします。

上記以外にも、スライド作成にあたり一番大切なことは、聴衆は誰でどんなプレゼンを望んでいるのかをよく考えることです。

つい先日、ある企業の海外人事部長が、私のグローバル・コミュニケーション研修を役員会にあげて承認を取りたいという場面がありました。海外人事部長から、研修の内容について簡単なパワポ資料を作成してもらえないかと依頼がありました。

私がまず考えたことは、役員会のメンバーがどのような資料を高く評価するかでした。

先方は役員なのだからと注意した点は以下の3つです。

a)    まずは大きなビジョンから入るべきで、研修の細かい枝葉の説明に決して入り込まない

b)    結果重視な方々のはずなので、研修の成果物やBefore/Afterがはっきりわかるように書く

c)    平均年齢は比較的上で老眼の方もいらっしゃるだろうし、フォントをあまり小さくしない

次に、海外人事部長はどのような資料であれば、説明しやすいかを考えました。

a)    役員から質問されたときに、その場で答えられるのがベストだから、研修の細かい点をメモとしてPPTに入れておく。

b)    リクエストされなかったけれど、講師としての私のプロフィールを一枚付け足しておく(自己PRだけでなく、質問されたときのため)

上記をカバーするべく、たった5枚のスライドを3時間かけて作成しました。

ここまで時間をかけたのは久しぶりです。一度もお目にかかったことがない聴衆(今回は役員)を思い浮かべ、そのニーズが何かを考えるには時間がかかります。

次にプレゼンをする機会があったら、聴衆が何を求めているかをよく分析した上で、見出しだけが書いてあるシンプルなスライドを作成することを心がけてください。

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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