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キャリアの方向性をルミナで考える(実例39)

元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日は、キャリアの方向性を考えている方のご相談について、アセスメントツール「ルミナ」を使って解説します。

*この記事は本人の了承の元に書かれています。

今回の相談者・足立さんは、外資系メーカーのマーケティングでリサーチャーをされている35歳の男性です。今の仕事は好きですが、時々マーケで企画をしている人たちを羨ましく思うことがあり、配置替えをリクエストするかどうか悩んでいます。英語はTOEIC840点です。

足立さんの圧倒的な強みは96%、100人並んだ時に前から5番目に並んでいる細かいことが得意な青と、人間重視の緑です。マーケティング・リサーチの仕事は、データ重視で細部に注意が行くことが重要なので、足立さんに向いている適職です。もちろん、マーケティングの企画職に向いているかについては、もっと詳しいデータを検証する必要があります。

次に足立さんのマンダラを見てみましょう。黄色(ビジョン重視)と外向性のスコアが低い以外は見事にさまざまな資質をお持ちです。さまざまとは具体的に、「堅実(細かいことが得意)・内向的・人間重視・直感重視・結果重視・規律重視」になります。

一方、「ビジョン重視と外交的」のスコアが低いです。ビジョン重視を支えているのは「概念的・想像力豊か・革新的」などで、これらのスコアの水準によっては、マーケティングの企画職には向かないことになります。ほとんど全ての資質を持っている恵まれた人材が、自分の弱みで勝負することになるからです。

次の図は、8個の指標のバランスを文字の大きさで表しています。このページに出現し得る最大のフォントなのが「内向的」。大勢の人と常に関わりたいタイプでないことが、明らかです。マーケティング・リサーチの仕事は単独で行うことができるので、本人にとって精神的に楽なはず。一方マーケの企画職は、他部署との連携や本社とやり合うなど、比べると遥かに多くの人と関わることになります。内向性が疲れないか心配です。

さらに詳細のデータを見ることで、マーケの企画職ではなくリサーチ職の方が強みを発揮できることがわかります。企画には欠かせない「想像力豊かと革新的」のスコアが低いのです。100人並んだ時に後ろから数えた方が早い資質を、たくさん使う職業に移ることは得策ではありません。

足立さんは、企画に移りたい気持ちは漠然とした「憧れ」から来ていて、自分に向いている職業ではないことに納得
されました。強みを活かすことがキャリアの成功に結びつきやすいと理解し腑に落ちたので、迷うことなくマーケティング・リサーチの仕事を極め専門家を目指すことになりました。


キャリアの方向性を迷っている時は、ルミナ・スパークで強みの棚卸しをして、現職に感じる違和感の原因を理解して新しい道を探すのが早道です。GW中に振り返りをしてみたい方は、こちらをご覧ください。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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