Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日は、キャリアの方向性を考えている方のご相談について、アセスメントツール「ルミナ」を使って解説します。
*この記事は本人の了承の元に書かれています。
今回の相談者・高田さんは、日系メーカーのマーケティング部にお勤めの48歳の女性で、現在休職中です。非常に個性の強い上司と仕事をする中で、精神的に疲れて1年間の休職を取っています。外資系に出向したことがあり、英語はTOEIC850点。以前は営業をしていました。この先、転職すべきなのか、同じ職場に復職すべきなのか、外資に転職できるのかなど迷っています。
まず、高田さんの強みを見てみましょう。
高田さんの強みは、人間重視・直感重視・外向的です。得意でないのは、細かい作業や規律を守ることです。
昔、営業だったとのことですが、結果重視のスコアがそれほど高くないので天職ではなかったように思います。外向的なので誰とでも会話ができ、直感力で相手の人間性や売れそうかどうかを見抜き、人間重視を使ってクライアントと良好な関係を築いていたのだろうと推察できます。
高田さんの4つのカラーを見ると、マーケティングが一番向いているように思えます。
ビジョン重視(大きな絵が見たい、革新性、想像力が高い)のスコアが83で、高田さんの強みだからです。営業が転職の場合、一番スコアが高いのは確実に赤(結果重視)なので、天職は営業ではなさそうです。
営業がその人にとっての天職かどうかは、競争心のスコアを見ることでもわかります。 高田さんは、本来の自分の競争心が24%、100人並んだら後ろの1/4に入ります。
高田さんが持っている選択肢の中で、まず”元の職場に復帰する”ですが、元人事としてはお勧めできません。同じ環境に戻って、同じ人間関係で同じ仕事をして再発しなかった人を私は思い出すことができないからです。理由があって精神的に疲れたわけなので、もう一度同じ職場に戻ってみても、結果は同じことになるというのが人事25年の私の経験則です。
次に外資に転職するという選択肢はどうでしょうか? 英語力は問題ないのですが、残念ながら年齢が引っかかります。外資は日系企業から「初めて」転職する人材を受け入れる年齢を42~43歳にしています。これはどこにも書いてない暗黙のルールです。理由は、個人差はあるとはいうものの、年齢とともに柔軟性をなくすので、初めての外資で「前の会社はこうではなかった」と言う人材が増えるのが、残念ながらこの年齢以降だからです。
高田さんはかなり柔軟な方なので問題ないとお見受けしますが、英文履歴書でそれを証明するのは難しいので、外資に転職する案は現実的ではないとお伝えしました。
それでは、現在の職場でどうするかです。幸いなことに高田さんには、グローバル広報をやってみないかと声をかけてくださる他部署のリーダーがおられます。
広報には、外向的・表現力豊か・直感力が必要です。高田さんが外向的で直感的であることは、先にお伝えしました。表現力も図のように高いレベルで持っています。
お声がけくださったリーダーにお願いして、社内異動を実現させるのがベストな選択と思えます。他部署のリーダーに連絡してみることになりました。
ルミナ・スパークで、これまでの経歴の棚卸し、強みの再確認をすることで、制約がある中でのベストな道を歩むことが可能になり、本当に良かったです。
応援しています。
Twitterでも毎日発信しています。 ID: @Mikako_Suzuki 良かったらフォローしてください。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。