Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、キャリアの方向性を考えている方のご相談について、アセスメントツール「ルミナ」を使って解説します。
* この記事は本人の了承の元に書かれています。
今回の相談者は、外資系消費財メーカーで営業をしている32歳の女性、熊田さん(仮名)です。
熊田さんは新卒からずっと営業に携わっていますが、営業成績は平均点です。月間、四半期、年間の売り上げノルマを背負うことにも多少プレッシャーを感じており、そもそも営業に向いているのだろうかと悩んでいます。比較的親しいマーケティング部長に相談したところ、販売促進のポジションがもうすぐ空くので、社内異動しないかと誘われました。熊田さんの仕事ぶりを新卒時代から知る管理職からの声掛けなので、今まで考えたことのなかった分野ではあるけれど、チャレンジすべきかどうか迷っています。
まず、熊田さんの4つの色のバランスを見てみましょう。
独創性を持ち変革に強いビジョン重視の黄色のスコアが高く、会社員での天職は、マーケティング所属かなと思わせます。2番目の強みである結果重視の赤のスコアは、100人いたら自分よりスコアが高い人が前に29人いる状態なので、非常に高いとは言えません。営業に向いているのは、この赤のスコアが高い人なので、熊田さんが悩むのは理解できます。
さらに熊田さんのマンダラを見てみます。彼女の強みは直感重視・外向性。細かい仕事もある程度は得意です。 規律重視・内向性・人間重視のスコアは低いです。
彼女の生まれ持った資質を考慮すると、直感や独創性を生かした方が成功しやすいタイプだと言えるでしょう。
結果重視のスコアはそれほど高いとは言えないので、売り上げノルマにコミットし、何が何でも達成する情熱はトップセールスの方にかなわないと明確に出ています。 トップセールスの方の「結果重視」のスコアの高さは、目を見張るものがあります。「タフ・主導力がある・競争心がある・論理的・目的意識が高い」全てにおいて、90%以上のスコアが揃っているのが通常です。自分の強みでない資質で同じ土俵に立つのは、あまり得策ではありません。
24のクオリティでさらに詳細のデータを見ると、「メンタルに強いかどうか」の指標が、営業で成功するためには低すぎるスコアだとわかります。上司から強く叱責されたり、お客様に無理難題を言われたりすると、精神的に凹むことが多いでしょう。営業を職業として成功するには、メンタルなタフさが足りないといえます。
熊田さんのキャリアの方向性についての結論は、販売促進の仕事にチャレンジしてみることになりました。販売促進の仕事は、営業をやったことがあるからこそ現実的な企画が思い浮かぶため、これまでの営業経験は全く無駄になりません。熊田さんはアイディア出しが得意なので、プレッシャーを感じながらやっている現在の営業職より、販売促進の仕事の方がより個人の強みを生かせそうです。
自分に合わない仕事をしている時、人は感覚的になんとなくわかっているものです。どの方向に変更すれば良いのか迷ったら、ルミナのようなアセスメントツールを使うと早く解決できます。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。