Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、適性診断ツール、ルミナ・スパークを使ってキャリアの方向性を考えます。
*この記事は本人の了承の元に書いています。
本日の相談者は、コンサルファームでITコンサルタントをしている26歳の女性・栗田さん(仮名)です。 仕事は向いていると感じていますが、激務なので体力に自信があまりない中、一生の仕事にできるかどうかを悩んでいます。最近リスク管理の仕事に興味を持ち始めていて、自分の適性を確認したいというご相談内容です。
まずは栗田さんの強みを見ます。
スコアが高い色が3つもある、いわゆるバランスが取れた人材です。現職のITコンサルの仕事では、細かいことが得意な青を使っていると思われます。詳細データを見ると、コンサルタントに必須の「論理性」「概念的」「メンタルにタフ」をどれも持っているので、ITコンサルタントに向いているはずです。ご本人の「現在の仕事に適性はある」という感覚をデータが裏づけした形です。
ただ長期的に見て体力がもつかどうかは全く別の話で、栗田さんがどのくらいキャリアにコミットしたいのかと実際にどのくらい体力があるのか無いのかは重要ポイントです。平日の帰宅が遅いので週末は外出する余力がなく、疲れが出て家でゆったり過ごすことが多いそうで、これから家族を持つようになるかもしれないことを考えると、ITコンサルを生涯の仕事にしてワーク・ライフ・バランスを保てるのかは疑問です。
栗田さんのマンダラを見ると、結果重視の赤のスコアがそれほど高く無いので、最終的に何かを犠牲にしてまでキャリアにコミットしたとは思っていないでしょう。もう少し仕事とプライベートのバランスが取れる職業の方が、高い幸せ感をもたらしてくれそうです。
幸いなことに20代はポテンシャル採用をしてもらえる世代にあたり、経験がなくてもキャリアチェンジは比較的簡単です。彼女が興味を持ち始めたリスク管理は需要が多い分野ですし、本来「体系的」・「論理的」・「慎重」のスコアが高くて細かいことが得意な栗田さんには向いている職業です。
最後に日系と外資のどちらにより適性があるかという話になりました。殺伐とした職場よりあたたかみのある仕事環境の方が落ち着いて仕事できるタイプとお見受けします。あまり保守的でない日系企業でリスク管理の仕事を探すことになりました。
キャリアの方向性を変えたい時、やりたいことにチャレンジすることは素晴らしいです。いきなりアクションを取る前に、そもそも自分に向いている分野なのかどうかを確認しておくと失敗しにくいです。
ルミナを使ったキャリア相談に興味がある方は、こちらをご覧ください。
Xでも毎日発信しています。 ID: @Mikako_Suzuki 良かったらフォローしてください。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。