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オーストラリアでの経験:オンライン会議のコツ

本日のテーマは、英語での会議で自信を持って振る舞い、参加者のリスペクトと信頼を得る方法です。

なぜこのテーマを取り上げようと思ったのかというと、私は今オーストラリアでワーケーションをしています。普段、日本でもテレワークをしているので、時差がほとんどない海外であれば、同じクオリティの仕事ができるか試してみようと思ったからです。現在、ペルー人の友人宅に滞在しており、彼女がオンライン会議をしているのを耳にしました。

会議の参加者は6人ほど。アクセントのある英語を話しているのは私の友人だけで、他の参加者は全員ネイティブ・スピーカーのようでした。ペルーの公用語はスペイン語であり、彼女も母国語はスペイン語です。彼女は博士課程まで修了している努力家で、語彙力も非常に高いもののスペイン語訛りがかなり残っています。そんな彼女が会議を見事に仕切っているのを聞き、感心してしまいました。会議後の休憩時間に、どのようにして自信を持って会議に臨んでいるのかを彼女に質問してみました。

1.自分の英語にコンプレックスを持たない

日本人は、私を含め、完璧主義な人が多いため、自分の英語にコンプレックスを抱きがちです。私自身も、全く気にしないとは言い切れません。

友人に聞いてみると、彼女は英語に対するコンプレックスを手放したそうです。メルボルンのような多様性が高い都市で働くうえで、自分の英語がネイティブにどれだけ近いかを気にしていたら、精神的に持たないと言います。

彼女は、「最終的に大事なのは、英語の発音や訛りではなく、話の内容よ」と教えてくれました。確かに、私も会議で内容の伴わない発言をするネイティブ・スピーカーが、周囲から相手にされていない場面を何度か目撃したことがあります。英語コンプレックスを持ったところで、私たちがネイティブ・スピーカーになることはないので、執着を手放すことが大切ですね。

2.押しの強さを身につける

芯の強い人だろうなとは思っていましたが、友人が職場でこれほど押しが強いとは、正直驚きました。

発言すべき場面では、たとえ相手が感情的になり声を大きくしても、彼女は怯みません。むしろ、自分の声をさらに大きくして話し続けることで、相手に会話の主導権を渡さないのです。

とても優しい人ですが、ネイティブ・スピーカーに囲まれて仕事をする際には、違う一面を見せざるを得ないのでしょう。彼女にその点を尋ねると、「押されて負けてしまい沈黙したり、リードを奪われていたら仕事にならない」とのことでした。

3.相手に配慮しすぎない

日本では、幼いころから「他人に迷惑をかけてはいけない」と教育されます。そのため、ネイティブ・スピーカーに囲まれた会議では、「私が話すことで会議の流れを止めるかもしれない。だから黙っておこう」と遠慮しがちです。

実は、私自身もつい気を遣いすぎることがあります。例えば、週末に友人夫婦が他の友人たちとディナーをする時に、「ミッキーも来る?」と誘ってくれました。日本人の私は、「もし全員がスペイン語ネイティブだったら、私がいることで英語を話さなくちゃいけなくなるし、迷惑かもしれない」と考えてしまいました。

友人は笑いながら「あなたがいると面倒になると思えば、そもそも誘わないでしょ。そこまで考えなくていいんじゃないの」と言いました。確かに、気を遣いすぎかもしれません。

この考え方は、ビジネスの場でも同様です。相手の反応を気にしすぎず、まずは自分がどうしたいのかを優先して考え、相手がどう思うかや迷惑をかけるかどうかは後回しでよいのです。

これからグローバルに活躍するには、アジアの大国である中国人・インド人とも仕事をしていくことになります。彼らは13億もの人口の中で競争しており、非常にタフで押しが強いです。おとなしくて優等生的な日本人の姿勢を少し変えていく必要があるでしょう。

英語での会議において、自信を持って振る舞うためには、英語コンプレックスを手放し、押しの強さを身につけ、相手への配慮を必要以上にしないことが重要です。発音や流暢さにこだわるよりも、伝えたい内容を明確にし、堂々と発言することが、リスペクトと信頼を得る鍵となります。

英語の会議で臆せず発言し、グローバルな環境で活躍できる日本人が増えることを願っています。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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