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わかりにくい英文履歴書の記載を改善しよう

元・外資の人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。今回のテーマは、直したい英文履歴書のポイントについてです。

書類選考を通るレジュメにするために留意したいことをいくつか挙げます。

1. 数字を使う

数字で業績を測ることが可能な仕事に就いている場合は、数字を入れてください。
例えば、営業の方のレジュメに「売り上げ目標」「達成率」が記載されていないと、もしかしてノルマ達成できていなかったダメ営業なのかと誤解される恐れがあります。100%を切ってしまった未達のことを書く必要はありませんが、目標を達成できていた時のことは数字つきで説明しましょう。

● Always achieved sales quota by 11% on the average in the past four years.
(過去4年間、売り上げ目標を平均で111%達成していました)

● Exceeded annual sales goals by 8% in 2017 and 9% in 2018.
(年間売り上げゴールを、2017年に118%達成、2018年に119%達成)

営業、マーケティング、プロジェクト・マネジメント、購買、品質管理、サプライ・チェーン、ITなどは、数字が必要な職種です。

かたや、数字では測りにくい職種も存在します。経理・人事・総務・法務・秘書などです。その場合は、「プロジェクトに参加した」「〇〇を導入した/変更した」など変化を伴う仕事を前に持ってきて書き、ルーティンのタスクはその後に書くのがお勧めです。「締め切りを100%守っていた」も、職種によっては十分評価される内容です。

2. 動詞を使って説明する

例えば、Marketing research projectと書かれても、「テーマから自分で提案してプロジェクトを立ち上げたのか」「グローバル本社から降りてきたものをただ遂行したのか」「自分一人でやったのか、大きなプロジェクトで複数人が携わったのか」で、だいぶ候補者の印象は変わります。名詞ではなく動詞で文章を始めて、何を「導入した/修正した/コラボした/変更した」のかわかるように明記してください。採用担当が読んだときに、一度で内容が理解できるように書いてないレジュメは印象が薄くなるので勿体ないです。

3. 具体例を挙げる

例えば人事ポジションの候補者のレジュメに、Changed company regulations.(社内規則を変更した)と書いてあったとします。読む側はわかったような、わからないような印象です。社内の規則にもいろいろあり、変更するのが大変な場合も小さな作業で終わる場合もあります。特に色々な部署との調整が必要な大きなタスクの場合、それが伝わらないのは残念です。就業規則の場合、現在の労働基準法との整合性、法務部の確認、IT機器についての記載に関してはITのチェックなど、関連部署も多くなるので、Revised a company work regulation with other departments’ cooperation. (他部署の協力をもらいながら、就業規則を改訂した。)と明記すれば、誰が読んでも仕事のスコープを想像することができます。

他社との協業の場合、会社名を入れてはいけないと思う方も多いですが、人事がそんなことを漏らすはずはありませんし、候補者一人一人にかけられる時間は、レジュメの段階では短いので、自分のために有利に働くと思ったら書くのが得策です。

最後にちょっとしたコツですが、レジュメを送るときにパスワードをかけるのをやめましょう。相手の立場に立てない人であることが露呈してしまいます。多くのレジュメを受け取る採用担当者が、それぞれの候補者のパスワードを覚えることは不可能です。レジュメは当然、面接のために他部署に転送することもあります。その度に、「パスワードは何だったか」探すようになり、採用担当にとっても部署にとっても迷惑です。

転職活動で重要な英文履歴書をパワフルにグレードアップして、書類選考を突破できるようにしましょう。「数字を入れる」「何をしたのか明記する」「具体例を挙げる」を心がけて面接に進んでください。応援しています。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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