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転職活動の成功は、採用する側に立てるかが全て

外資への転職活動中、採用する企業の心理を考えていますか?物を売る時に消費者心理を考えるように、人材としての自分を企業にPRするためには、相手が何を求めているかを考えて行動すると成功します。

弊社は、英語の履歴書添削や英語での模擬面接のサービスを提供をしています。「何か足りないなぁ」と感じた時は、候補者が企業の側に立っていないことがほとんどです。

候補者は「年収をアップさせたい、もっと成長できる機会が欲しい、昇進したい」と考えているかもしれません。もっともなのですが、全部「自分」が主語です。

採用する企業は何を考えているでしょう。「即戦力になる、なるべく優秀で、コミュニケーション能力の高い人を採用したい」に尽きます。ここに訴えかけることができれば、採用される確率は高くなります。

1. 英文履歴書の書き方について

外資の場合、それぞれの求人に職務記述書があります。つまり企業が候補者に何を求めているのか、明白に書かれている文章があります。

特に職歴のところを企業が求めることに応えられるように書いているか、求人の必須事項が履歴書に書かれているかは重要です。自分から見て華々しい業績でも、現在の求人に求められていないスキル・経験の場合は書いても、あまり相手に刺さりません。企業が求めるものとマッチしていないからです。素晴らしい業績だけど求人内容と合わない、でも履歴書に残しておきたい場合は1番下に書きましょう。

これまで勤めた企業の職務内容を書くにあたっては、上の方から求人の内容に沿った項目になっていることが、企業の側に立った履歴書の書き方になります。

2. 英語での面接について

ネットで簡単に履歴書を送付できるようになった現代、企業の採用担当者が受け取る履歴書の数は膨大です。採用担当者が、提出した英文履歴書を隅から隅まで読む事は、残念ながら物理的にできないのです。私が企業人事だった頃で1枚の履歴書の70%、ある大企業の現役採用担当者に聞いたところ、この頃は3割しか読めないそうです。つまり、ざっと読まれたとしても、求められているスキル・経験値・人柄を満たしている候補者だとわかるように、注意深く書くことが重要になります。

英語での模擬面接で、採用担当面接官の立場に立った振る舞いの筆頭は、”短くわかりやすく説明する”です。

面接官が候補者と対峙するときは、相手の話を真剣に聞いています。次のプロセスに進めるべきかどうかを決めなければならないからです。人間の記憶力にはキャパがあり、特に面接の場合は初めて会う人の話を一生懸命聞いているので、このキャパが割とすぐ一杯になります。

例えば、ある候補者が理由は3つありますと切り出し、説明が長かったとします。3番目の理由を聞いている頃には、1番目の理由が何だったのかが思い出せなくなってしまいます。

英語での面接の時、候補者は1番最初からすべての詳細を含めて答えなくて大丈夫です。そうすると、どうしても話が延々と長くなるからです。面接官が、もっと話を聞きたいと思えば深堀りの質問をしますので、最初の答えが長くなりすぎないよう要点を押さえて話した方が賢明です。特に日系企業が長い候補者は、丁寧に詳細に話す訓練を経ていることが裏目に出ることが多いので、どうか気をつけてください。

3.年収交渉について

企業人事25年間に3人、一次面接で希望年収を述べられた方がいました。企業の心理に照らし合わせると、これはあまり賢明な策ではないです。ちゃんとした外資は人材を買い叩くことをしないので、候補者としての価値が高いことを証明するのが先です。不思議ですが、優秀だと自信がある人材ほど年収交渉を最後までしないです。お金は実力についてくるものだとわかっているのでしょう。

転職時が一番、年収をアップさせやすいので交渉すること自体は良いです。今は業界x職種で年収の相場がデータとして集められるので、まずは客観的に自分の価値を知り、どのくらい交渉するのかを決めた方が企業を納得させやすいです。転職エージェントが中に入ってくれている時は、彼らに任せた方が上手く行きます。

転職活動中にどのように振る舞ったらいいかわからないと感じたら、採用する企業の立場を思い浮かべてみると、きっとどうしたら良いかはわかります。面接は確かにアピールの場ではありますが、独りよがりではなく、採用する企業目線に立って大いに自分を売り込んでください。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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