Global Career Guide
春は、新しいスタートの季節。転職や社内異動、新しいチームへの配属など、環境の変化に直面する人も多いでしょう。特に日系企業から外資系へ転職した場合、企業文化や仕事の進め方の違いに戸惑うこともあります。
新しい環境に飛び込むと、「自分はちゃんと馴染めるのか?」「前の職場とやり方が違うようだけど大丈夫かな?」と不安になるもの。そこで今回は、新しい環境にスムーズに適応するための3つのコツを紹介します。
新しい環境に入ると、「早く馴染まなきゃ!」と焦って行動しがちですが、まずやるべきことは 「観察」 です。
・職場の雰囲気(カジュアルか、フォーマルか)
・コミュニケーションのスタイル(メールやチャットが主流か、対面が多いか)
・意思決定のプロセス(どのくらいトップダウンか)
・上司・同僚との距離感(気さくでフラットなのか、上下関係が明確か)
こうした 「暗黙のルール」 を理解せずに行動すると、知らず知らずのうちに浮いてしまうことも。まずは、会議や雑談の場で周囲の様子を観察し、職場の文化をつかむことを意識しましょう。
また、日系企業の文化に慣れていると、「外資系のやり方は大雑把すぎる」と感じる場面があるかもしれません。しかし、まずはその文化の背景を理解し、受け入れることが大切です。違いをすぐに批判するのではなく、「なぜこのやり方なのか?」と一度受け止めてみましょう。
人は慣れ親しんだ環境のやり方を肯定しがちですが、新しい職場で「前職ではこうだった」と頻繁に持ち出すのは逆効果です。
もちろん、過去の経験が役立つ場面はありますが、繰り返し「前の会社では…」と言ってしまうと、「この人は過去のやり方に固執している」と思われかねません。
では、どうすればよいのでしょうか?
まずは、新しい環境のやり方を素直に受け入れること。 そして、自分の経験を活かしたいときは、「こういう方法もありますが、どう思いますか?」 と提案型で話すのがベターです。
さらに、入社直後からいきなり提案をするのではなく、まずは職場に馴染んでから発言することも重要です。
❌ 「前の会社ではこのやり方が普通でした」
⭕ 「こういう方法もありますが、今のやり方と比較するとどうでしょう?」
このように伝えることで、新しい職場でも柔軟な姿勢を持った人として受け入れられやすくなります。
新しい環境に適応するには、分からないことを早めに解決することが重要です。
「こんなこと聞いていいのかな?」と遠慮してしまう人もいますが、疑問を放置すると、後々の業務に支障が出ることも。特に、社内特有の略語や専門用語は、早めに理解しておくべきポイントです。
例えば、3文字のアルファベットの略語が出てきたとき、それが業界共通の用語なのか、社内でしか使われない略語なのか分からないこともあります。こうした用語を 「分からないまま放置しない」 のが大切です。
また、次のような質問をすることで、仕事をスムーズに進めることができます。
・「このプロジェクトでは、どのツールを使っていますか?」
・「この報告書のフォーマットに決まりはありますか?」
・「〇〇さんは、どのように仕事を進めるのがやりやすいですか?」
こうしたシンプルな質問を積極的にすることで、周囲とのコミュニケーションが増え、信頼関係が築きやすくなるというメリットもあります。
また、「新人だからこそ聞ける」時期は限られています。入社3か月以内なら誰にでも質問しやすいですが、それ以降に頻繁に基本的なことを聞くと、「この人、大丈夫?」と思われる可能性があります。 つまり、新しい環境に入ったら、遠慮せずにどんどん質問することが適応への近道なのです。
新しい環境に早く適応するには、以下のポイントを意識しましょう。
1. まずは周りをよく観察する – 職場のルールや雰囲気を理解する
2. 「前職ではこうだった」を持ち出しすぎない – まずは新しいやり方を受け入れる
3. 小さなことでも「質問」する習慣をつける – 不明点をそのままにせず、積極的に聞く
新しい環境では、不安やストレスを感じることもあります。しかし、適応力が高い人は、常に「まずは受け入れてみる」という姿勢を持っています。その姿勢があれば、どんな職場でも自然と馴染んでいけるはずです。
バイリンガル人材として、異なる文化や働き方に適応する力を身につけ、どんな環境でも活躍できる人を目指しましょう!
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。