Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、年齢を言い訳にしないです。
皆さんはどのくらい仕事でAIを使っていますか?
先週の金曜日、2つのことが起こりました。
ある国際交流会に参加したのですが、外資勤務が長かった同世代の男性とお話しすることができました。
最初は海外に本社がある日本法人勤務のあるあるを交換して盛り上がっていました。途中からAIの話に移り、右脳の上である私は「ChatGPTは日常的に使っているけれど、そこ止まりです」と白状しました。
そうしたら彼が、生成AI Gammaで作成したプレゼンスライドを山のように見せてくださいました。完全に使いこなしています。テーマだけで、スライドを作り始めることも、すでに自分で作ったスライドをもっとスタイリッシュなものに仕上げることもできるアプリだそうです。
自分が過去に作ったスライドで、もっと洗練されたものにしたいなぁと思っているデックがいくつもある私は、「Gammaを試してみよう」と思いながら帰宅しました。
帰宅してからメールを確認していたら、GE時代からのメンターからメールが届いているではないですか。なんとタイムリーに、彼が行ったばかりの研修のスライドを、参考までにと送ってくださったのです。「AIで作りました」と添えてくださった私のメンターは、現在75歳です。
年齢とともに人は好奇心をなくすと言われがちですが、個人差は大きいのかもしれません。もともと2人とも最先端のテクノロジーに興味があって、試して自分のものにするタイプなのでしょうが、時代に取り残されることを恐れずに、常に新しいものに挑戦することの大切さを改めて感じました。
メンターが日経新聞に寄稿されたコラムの一部をシェアします。
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「日米大学では学問追求の進め方に大きな違いがある。日本の大学は厳格で、学生に対して各自の知識と分析に基づいて独力で論文を執筆することを求めている。このため多くの大学でAIツールの使用を禁止しており、学生は多大な労力をかけて資料を集めて自ら文章を構成して執筆作業を行う必要がある。
一方、米国では技術革新とともに教育の仕方も進化している。実社会で即戦力となるよう生成AIを含む最新技術の活用法を積極的に教えている。ビジネスにおいて生成AIをどのように組み込んで活用するかを考えさせることで、学生たちの情報活用能力と創造的思考力、問題解決に挑む能力を高めようとしている」
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判断力がまだ未熟な小中高生がAIを使うのは、思考力の発達を阻害するかもしれません。しかし、大学生や社会人になれば、取捨選択する力は既に身についているはずです。データ収集、レイアウトの設計、ミスの確認などの作業にAIを活用して生産性を上げることは大いに有益だと思います。現時点のAIにはまだ改良の余地がありますが、この改善スピードが早い時代、私たちが望むレベルに達するのは遠くない将来でしょう。
そんな右脳の女王である私も、Gammaを試してみました。今時のアプリなので感覚的に操作できると思ったのですが、途中で行き詰まってしまいました。本当に情けないですが、苦手なことに時間を費やすのは無駄なので、誰かに教えてもらえる人を探しているところです。人には得手不得手があるので仕方ないですね。
全員が最先端テクノロジーを追う必要はありませんが、身近に最先端を知っている人がいることは重要です。知識を共有してもらい、自分の仕事に活かせる部分を活用すれば良いのです。このIT主導の時代に、「自分には関係ない」と決めつけるのは勿体ないことです。
久々に、「年齢は言い訳にならない」ということを再認識する機会に恵まれ、モチベーションが上がっています。日々の生活の中で「もう歳だから」と感じることがあれば、「You are what you think」を思い出してください。
Xでも毎日発信しています。 ID: @Mikako_Suzuki 良かったらフォローしてください。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。