Global Career Guide
外資系企業への転職を目指す際、英文履歴書(CV)は重要なツールです。AIを活用して履歴書を作成する候補者が増えている昨今、AIが生成したドラフトをそのまま提出してしまう方も多いでしょう。しかし、AIによって作成された英文履歴書には、まだ改善の余地が残っています。AIをサポートツールとして活用しつつ、履歴書を効果的に仕上げるためのポイントをお伝えします。
まず、AIによって作成された英文履歴書は、完璧な英語力が優先され、「履歴書を魅力的に見せる」配慮がなされていない印象です。簡単な例で言うと、Summaryでは出だしの主語は省略されることが多いことが反映されていません。AIだけで最初から「受かる英文履歴書」を書くことはまだ限界があります。
AIだけで完璧な英文履歴書を作成できる日がくるかもしれませんが、それまではドラフトを、「人間の目」で確認して仕上げる必要があります。外資転職のための英文履歴書で最も大事なセクションは、「Summary」と「Work Experience」なので、AIで作成されたこの2つのセクションを編集するポイントについて説明します。
英文履歴書の冒頭に記載される「Summary(サマリー)」は、候補者が職歴や強みを簡潔に伝える重要な部分です。このサマリーが印象的でなければ、採用担当者の興味を引くことはできません。
サマリー作成のポイント:
ここで大事なのは、応募するポジションに関係がする経験を中心に書くことです。同時に、面接官にとっての「見出し」で構わないと割り切って詳細を長く書かないことです。書く内容は結果が大切、何をどうしたからその結果を出せたかは面接の時に話せば良い項目です。
職歴作成のポイント:
AIを使って英文履歴書を作成することは、時間を短縮し効率的に作業を進める手段として有効です。しかし、AIが自動生成した履歴書には必ず改善の余地があり、そのまま提出するのはお勧めできません。特に、サマリーや職歴の書き方においては、自己アピールの要素を適切に盛り込み、企業のニーズに合わせてカスタマイズすることが重要です。AIを上手に活用しながらも最終的には人間の手で履歴書を仕上げ、より洗練されたものにすることで、外資系企業での転職成功を引き寄せましょう。
Xでも毎日発信しています。 ID: @Mikako_Suzuki 良かったらフォローしてください。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。