Global Career Guide
元・外資系人事部長、10,000人を面接したグローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。本日は、外資系での面接に臨むにあたり、ソフトスキル(コミュニケーション、語学力など)で気をつけたいことをお伝えします。
まず、身だしなみについてですが、外資系の場合、あまり気にしなくても大丈夫です。とは言え、清潔感があることは基本なので、肩にフケが落ちているなんていうケースはNGです。必ずしもスーツである必要はありませんが、職場がカジュアルで、朝からスーツやジャケットを着用しているといかにも面接に行くと周囲に分かってしまう場合は、事前に転職エージェントを通して「カジュアルな服装で伺います」と伝えておきましょう。
金融・コンサルティング業界は、年収の水準が高く面接官が割と良いものを見慣れているので、あまり安いスーツ/ジャケットで行かないほうが無難です。アパレル業界はお洒落な人達が多く、企業文化へのフィット感を着ているもので判断する場合もあるので、持っているスーツ/ジャケットの中で一番お洒落なものを着て行きましょう。(色が派手すぎるものは避けてください)
外資系の面接官に好印象を残すために必要なことの筆頭は、「自信ありげ」に見せることです。自分を上手にPRする力があることを当然とする外資系で、これがないと面接で落ちる可能性がとても高いです。逆に、自信がないように見える、良くない例を挙げてみます。
1. 声が小さい – 大声を出して欲しいわけではありませんが、男女ともに、声がか細くて良く聞き取れないようでは、印象が悪くなります。外国人とも仕事をする可能性がある職場ではなおさらです。日常的に「声が小さい」と言われることがある方は、気をつけましょう。
2. 伏し目がちになる – 外資系、つまりは英語でのコミュニケーションがある職場で、アイコンタクトは必須です。会話をしながら目を合わせられないと、英語に慣れてないというサインを無意識に出していることになりますし、自信なさ気に見えてしまうので、こちらも気をつけましょう。正面を向き、面接官の目を見ながら話せるとベストです。
好印象を残すための大事なコツは、笑顔を見せることです。スマイルは最強のコミュニケーションツールなので、男女ともに最初の挨拶のパートで繰り出せると印象が上がります。どちらかというと愛想がない方だという方は、ずっと笑顔でいることは難しいし不自然になるので、せめて第一印象が形成されるファースト・コンタクトの場面で、自然な笑顔を出せるように、必要なら鏡を見てでも練習して欲しいと思います。面接官は感覚で候補者を判断しないように訓練されてはいますが、やはり人間なので「感じが良い人」を無意識で好むものです。ナチュラルな笑顔を心がけて、面接官の第一印象をコントロールしましょう。
実際に面接が始まり質問への受け答えの中で、一番注意したいのは、「端的に話すこと」です。聞かれたことに対して、きちんと詳細まで答えようとする姿勢そのものは素晴らしいですが、面接という限られた時間で、あまり詳細に入り込まないようにしていただきたいです。なぜかと言うと、面接の時間がなくなってしまいますし、「そこまで詳しくは必要ない」と面接官が思うからです。枝葉の情報を必要だと思えば、面接官がもう一度深く聞きますので、最初から非常に細かい情報まで答えようとしなくて大丈夫です。
企業側に質問をしたい場合、まずはHPを必ず確認して、そこには書かれていないこと、もしくは書かれている情報を深く掘り下げる質問をするようにしたいものです。時々、HPを読めば書いてあることを質問される方がおられますが、これは却ってマイナスに働きます。「どんな質問でもいいので聞いてください」は表向きで、やはり気の利いた質問ができるかどうかも見られています。
本日の記事が、面接にこれから行かれる方々のお役に立てば幸いです。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
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強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。