Global Career Guide
元・外資系人事部長、10,000人を面接した鈴木美加子です。明けましておめでとうございます。年末年始はゆっくりできましたか?
いよいよ1月の第2週がスタートしました。転職市場も通常モードに戻りますので、師走にストップした案件も動き出すでしょう。本日は、「面接で訪れる企業の外資度を見極める」をテーマとします。
資本は外資とは言え、日本に拠点があるので会社によって、どのくらい日本文化に影響を受けているのか、本社がある国の文化寄りなのかは当然違います。皆さんの好みも、日本的な外資の方が働きやすい方と、私のように明確に外資の方が居心地良い人とに分かれると思います。どちらが良い悪いではなく、どちらが皆さんに合っているかですので、慎重に見極めましょう。
企業のサイズ・知名度に関わらず、シンプルに電話機が置いてあるだけというスタイルの場合、余計な人件費を費やさないという外資的な企業文化が現れています。
受付に受付嬢がいらして、スペースも広く造りがゴージャスな場合、第一印象はよくなりがちですが、よく企業を観察しましょう。対外的に見えるところにはお金をかけるけれど、社員の福利厚生が後回しだったり、管理部門は全く日の目を見ない企業だったりする可能性があるからです。
私は自分が会社員だった頃、転職活動の時、このチェックを必須にしていました。オフィスのレイアウトには、大きく企業文化が出ます。よく「島型」と言われる、顔を上げると、前に他の人がいるスタイルのオフィスは、資本の形態に関係なく日本的な企業文化を持っています。
パーティションで区切られていて、個人のスペースがあり、目線を上げるとパーティションが見えるスタイルであることは、企業文化が外資寄りであることの最低線です。
面接の過程で会議室に行くために、オフィスの中を通れたらラッキーです。さりげに周りを見回して下さい。もし、どのようなオフィスなのか自分の目で確かめる機会がなかったら、2次面接以降に、「オフィスのレイアウトは、島型ですか?パーティションで区切られていますか」と、聞いてみることをお勧めします。100%答えてくれて、候補者の印象は良くも悪くもなりません。
これは非常に重要です。企業の規模が小さい時は、あまり関係ないですが、300名を超えると、社長が外国人で直属の部下の層が外国人だったとしても、多勢に無勢で、企業文化はマジョリティの日本に染まります。ましてや、もっと大きな規模の企業で、社長が外国人で企業文化を変革しようとドライブをかけていても、変わるには時間がかかりますので、日本寄りでない外資系を希望の方は、忘れずに確認した方が良いです。
私自身、1,600名の企業で、社長もその直属の部下も外国人が多いという企業に勤めたことがありますが、会社全体の文化がかなり日本的で苦労しました。ここでいう日本的とは、「根回しがより必要」「飲みニュケーションをよしとする」「年功序列の感覚が無意識に存在する」を意味します。
社員数はHPに出ていることが多いと思います。外国人が何人くらい在籍しているのか、人事面接の時に聞いてください。企業のサイズが大きい場合は、部署の方は全体像をご存じないこともあるからです。
外国人が多いかどうかは、日常的に英語を使う機会があるかどうかにリンクします。外国人が多いと、途中からCCが増えたり本社が絡んできても、それまでの経緯を英語に翻訳しないで済むように、最初から英語がメールの社内言語になっています。英語力を伸ばしたい、落としたくない方には重要ポイントだと思います。
皆さんの転職活動がスムーズに進むよう、ノウハウを書いて参りますので、今年もどうぞよろしくお願いします。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。