Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。ここのところ転職ネタが多かったので、今日はグローバル人材ネタを書きます。
「グローバル人材」と聞くと、イコール「英語ができる人」と思われがちですが、それでは足りないが本日のテーマです。
主宰するグローバル人材養成塾・世人(せじん)塾は、入塾の最低条件をTOEIC700点相当としています。そのぐらいの英語力がないとディスカッションができないからです。グローバル人材になるために最低限の英語力はもちろん必要です。
では英語ができれば即、グローバル人材かというとそうではないんですね。限りなく単一民族に近い日本人が外国人と仕事をしていく上で、「多様性」を許容できること、さらに「多様性」があるからこそ新しいアイディアが生まれチームが強くなると、積極的に多様な人々と関わろうとできるかは勝負を決めます。
「多様性」と言われて、男性・女性の性別しか思い浮かばないようだと少し心配です。性別・年齢・言語・人種・宗教など文化的違いをもたらす「多様性」の要素はたくさん存在します。
さらに、ロジカル思考も重要です。英語は話す時も書く時も、ロジカルであることが必須です。英語における論旨が通ってないと、日本語の曖昧な内容をそのまま翻訳したような英語では全く通じません。
世人(せじん)塾の受講生で高学歴・TOEICの点数もそれなりにある方の、
話す英語がわかりにくい時「流れがロジカルでない」ことが非常に多いです。
もちろんロジカル思考はスキルなので、フレームワークや考え方を学んで演習を行えば身につけること可能です。
次に忘れてはならないのが、アサーティブネスです。無理に日本語に訳せば、「自分を主張する力」「意見を明確に述べる力」にでもなるのでしょうか。
世人(せじん)塾がうぶ声をあげた時、入塾に必要な英語力をTOEIC600点相当としていました。本来であれば、その程度の英語力があれば後は度胸でなんとかできるはずだからです。
残念ながら、私は日本人のアサーティブネスの無さを甘く見ていました。自分の意見を主張するように教育されて育っていない、控えめにしていたのではやっていけない海外で生活したことのない方々が、グローバル人材になるためにはもう少し高い英語力が無いとディスカッションにならないことに気がつきました。もちろん、心臓の強い方は例外ですが。
いつも完璧でありたい、人前で恥をかきたくないのが典型的な日本人だとすると、外国人と揉まれる環境に放り出さると英語どころではなくなってしまうことが多いですね。世人塾の第5講では英語人に来てもらって、20分のビジネスミーティングを2回行うのですが、本来の英語力を発揮できないで終わってしまう参加者がいらっしゃいます。
そもそも主張するのが苦手だとすると、仕事で使う英語力は高ければ高いほうが、あがってもなんとかなる率が高くなるので安全ということにはなります。それで昨年、入塾の条件をTOEIC700点以上の英語力に変更したのです。
日本人にとって、アサーティブであるかどうかはグローバル人材を目指すにあたり大きなポイントだと実感しています。
最後に英語でのプレゼンテーション・スキル。これも必須。外資系で上に登っていきたい、ビジネスで成功したいと思っていらっしゃる方々にとって、何がなんでも身につける必要があるスキルです。
英語圏でのプレゼンテーションは、たぶんにパフォーマンスです。嘘をつかない範囲で自分を大きく見せる必要があるし、あがっているそぶりなんか見せたら、一発で「弱い」の烙印が押されてしまいます。
必要なポイントを押さえた上でドライ・ラン(リハーサル)を行って、本番に万全の体制で臨む習慣をつけたいです。
TOEIC700点超えしたら、多様性を受け入れ、英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材を目指す! エッセンスを2時間に凝縮したオープンセミナーが開催されます。
英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材を目指す「世人塾」オープンセミナー
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。