Global Career Guide

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グローバル人材に主体性は必須

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。主体性を持つことは、英語を使って外国人と仕事をしたいと考えてらっしゃる方、外資系企業に転職されたい方にとって非常に大切ですが、本日のテーマです。

昔、日本企業と外資系合同のプロジェクトで、ご一緒していた日本人男性にストレスを感じていたことがありました。まだまだ自分に許容力が足りないなぁと、自分の器の小ささを不甲斐なく思いました。同時に、どうして私はこんなにストレスを感じるのだろうと考えてみたのです。

結論は、外資系で育った私には、彼の「主体性の無さ」を理解するのが難しいでした。自分からプロジェクト遂行のために必要なモノ・人・予算を取りに行くことをしないで、誰かが用意してくれるのを受け身で待っているように見えたのです。ついつい、「それって他の人の仕事じゃないし、どうして自分で用意しないのかなぁ」と思ってしまったのですね。会社同士の利害もあり、大人として口に出せないので余計にストレスが溜まったのかもしれません(笑)。

私が特別自立型の日本人かと問われれば、そうではなかったと思うのですが、外資系での職歴が長くなり、オーストラリアに18か月住んで変わったと思います。

メルボルンで通っていた学校のクラスメートに、アルバイトで忙しい21歳の女性がいました。お金をかけていないように見える身なり、レストランでかなり長時間アルバイトをしているの2点から、お家があまり裕福でないのかなと勝手に思っていました。ある時、お母様が学校に来られたのです。ちらっと身なりを拝見して、「??」状態になりました。聞けば、お母様は弁護士、お父様は医者だそうです。彼女は自立心の塊のような人で、14歳から学費を親に出してもらっていないそうです。出してもらうのが嫌なんだそうです。子供の意志を尊重している親御さんも、そこまで自立しているお子さんも両方すごいなぁ、アジアにはまずいないだろうなぁと思いました。

まぁ彼女は極端な例かもしれませんが、オーストラリア人クラスメート、海外留学生たちの主体性には素晴らしいものがあり、こういうメンバーと一緒にグローバルな舞台で一緒に仕事するからには、主体性は必須と感じました。自分が欲しいものはちゃんと口にし、自分から行動して取りに行くができるかどうかが大切ということです。

かく言う私も、GEに入社した頃、新入社員のオリエンテーションが無かったので(今はあると思います)、周りの方の見よう見まねで仕事を覚えて失敗もたくさんしました。ビルが違う部署の方から、「書類のXXを送ってください。care of にしてね」と言われ、どういう意味だかわからず、周囲の人が忙しそうで聞けなかったので、まぁいいやと”Care of GE Abrasives”と社内便で出してしまいました。お電話があって、”ご存じないようだからお伝えしておきますね、care of は、c/oと書き、日本語で言えば「〜様方」なの”と言われました。この方の素晴らしいところは、笑っても良いし怒っても良いところでしょうに、「なんでもやってみないとわからないからいいのよ」とおっしゃってくださったことです。

とりあえず「やってみた」ことを評価してくださった先輩に感謝しています。

外資系企業は終身雇用をもちろん保証していませんし、アサーティブに自分の意見を主張できる人が有利、控えめにしているとちょっと損をする企業風土かもしれません。転職を思い立ったら、積極的にリクルーティング会社に登録したり、人脈を当たったり主体的に動きましょう。すぐにうまくいかないこともありますが、へこたれず、さらにどんな手が打てるかを考えてみる主体性が大切です。履歴書での自己PRが足りているかどうかレビューしてみる、自分の現在の経験値・スキルと志望先の求人ポジションはマッチしているか、客観的に見直してみるなど、主体的にできることはたくさんあります。

プロジェクトなどで英語人と一緒に働く立場になったら、待っていても誰も助けてくれないという覚悟は持った方が楽だと思います。自分から意見を言ったり、わからないなら積極的に質問したり、情報を取りに行ったり、能動的に動かないと仕事ができないと判断されて、置いていかれてしまうかもしれません。

主体性を活かして、グローバル人材として活躍されますように。 

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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