Global Career Guide

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グローバル人材になれるかどうかは、あなた次第

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。猛暑だったり豪雨だったり極端なお天気が多い今年の夏ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか?

私はお盆休みを利用して、北海道旅行をしていました。今日は旅の途中でお目にかかったグローバル人材のお話をさせていただきます。

みなさんは旅を細かくプランニングするタイプですか? それとも直感でその場で決めるタイプでしょうか? 私は紛れもなく直感タイプで、当たることも外れることもありますが、今回は大当たりでした。

2泊3日の忙しい旅にいくつかの目玉イベントがあり、富良野からの移動途中でたまたま通りがかりにあったBEAR Mt. という施設に入ることにしたのです。東京ドーム3.2個分の敷地に10頭ほどのヒグマが放たれているという珍しい場所です。

入園者には鉄格子で守られたバスに乗って回るか、高さ5mのところに作られた遊歩道を歩くかの選択肢があります。私はすでに結構歩き疲れていたので(笑)迷わずバスを選びました。

すぐ近くに外国人のカップルが1組いて、何語を話しているのかわからない感じでした。「バスからクマを見れば状況はわかるのかな? 英語通じたとしてもクマの生態なんてとても通訳できないだろうなぁ」と思いながら、バスがスタートするのを待っていました。

動き始めてすぐ、いました、いました。人間が暑いときはヒグマだって暑いらしく、道端の水溜りで涼んでいます。実はドッグフードが撒かれていて、それを食べに元々は来たのだろうとのことでした。私は初めてのヒグマ体験に釘づけになり、先ほどの外国人カップルのことはすっかり忘れていました。

そのときです。バスの運転手さんが英語で「暑いからここで涼んでいるのと、このあたりにドッグフードが撒かれていて食べに来たんです。」と説明されたのですよ。

驚きました。北海道のどの空港からも遠い、ほとんど知られていないBEAR Mt. に英語が話せる方がいらっしゃるとは。でもそう言えば、お土産売り場にも欧米人が数人いたし、結構インバウンドのお客様がいらっしゃるのかもしれません。こういうとき、これからの時代、英語はやっぱり出来た方がいいとつくづく思います。

彼の英語は多少ブロークンで発音にもクセがありますが、堂々としていて、なんとか外国人のお客さんにたくさんのことを伝えてあげようという気持ちがコミュニケーション能力の高さに現れています。日本人によくある、「周りにどう思われるかが気になる」「ついつい完璧かどうかが気になる」という姿勢は見かけられません。

乗車した時にわりとご年配のように思ったので、降りるとき「ありがとうございました」をお伝えしながら、よく拝見させていただいたところ(失礼しました)、明らかに70歳を超えてらっしゃいます。実年齢、本当に関係ないですね。

30人の乗客が乗ったバスを、舗装されていないアップダウンの激しい泥んこ道を走らせ、なるべく揺れないように運転するだけでも大変でしょうに、その上、日本語がわからないお客様のために英語で通訳までされるのです。英語をどうやって勉強されたのか、時間があったら伺ってみたかったのですが、バスには発着時刻がありお話できませんでした。

私はよくグローバル人材を、「多様性を受け入れ、英語でロジカルに発表・主張できる人材」と定義づけていますが、今回のバスの運転手さんは、この定義をほぼ満たされていると感心しました。「ほぼ」と記したのは、どのくらいロジカルな方なのかは、短いバス乗車ではわからなかったからです。彼がご自分をグローバル人材と思ってらっしゃるかどうかはわかりませんが、年齢や現在の仕事内容に囚われないで、グローバルな舞台で活躍できる時のための準備を忘れないことが大切なんだなぁとしみじみ思いました。

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http://atglobe.jp/lp/

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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