Global Career Guide
元・外資系人事部長、10,000人を面接したグローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。本日は、“不得意なエリアの仕事についていると気がついた時に、ルミナスパークを使ってどうキャリアを再構築するか”をテーマとします。
Aさんは30歳の男性で、一流大学のロースクールを経て司法試験にチャレンジしました。現在は3社目の職場で、企業内法務の仕事をしています。ロースクールを卒業しているので延長線上で法務の仕事に就いてはみたものの、職場での業績評価が良くない状態です。
ルミナスパークの結果を拝見した時、適職に就いていれば「セールスかマーケティング」の仕事をしているだろうと推測し、最終的には起業することになりそうだと思った方が、法務のキャリアパスを歩まれていることはかなりの驚きでした。端的に言うと、本人の資質を全く活かせない職業に就いています。
Aさんのマンダラは、結果重視の赤とビジョン重視の黄色で成り立っていると言っても過言ではありません。
自分の仕事の結果が売り上げ・イベントの数など、目に見える形で現れることを好み、外向的で、大きなビジョンを見ながら独創性・革新性を発揮することができる、直感重視の傾向が強い人です。
比べるに法務の仕事は、法律・ルール・フレームワーク・プロセスに則ることが得意な「規律重視」と、細かいことが得意な「堅実(データ重視の意味)」の両方が必要です。前出のマンダラを見ると、Aさんは細かいことには興味はなく、規律重視のスコアも決して高くないことがわかります。キャリアが花開くのは強みを活かしている場合で、自分が持っていないもので勝負してもうまくいかないという典型的な例です。
Aさんもなんとなく、自分に合わない仕事をしているのではと思っているようでした。幸いなのは、Aさんの年齢です。外資が大きなキャリア変更をしたい人材をポテンシャル採用するのは、30歳くらいが上限だからです。彼が35歳でないことは幸いでした。この5年は外資では大きいのです。35歳といえば新卒から数えて13年、同じ道を歩んでいれば中堅どころに数えられ頼りにされ始める年齢です。外資がこの年齢に達した方を、ポテンシャル採用することはまず無いです。
ギリギリ舵を切り替えられるとして、どの道を行くのが良いか。8つのアスペクトで検証します。結果重視の文字が大きいです。細かいデータを見ても競争心が強く、メンタルにタフで論理的と出ているのでセールスが筆頭候補。ビジョン重視もその次に大きいですし、細かいデータから創造性・革新性などアイディアマンだとわかります。営業企画も適職と思えます。
あとは、どうやって全く違う分野の仕事に就くかです。現職で自分のことを買ってくれている上司・他部署のマネジャーはいないかと探し、相談して社内異動の可能性を探るのが転職歴も増やさなくて済むので、Aさんが生涯会社員を希望している場合はベストな策と思えます。実はAさんは、10年以内に起業したいと考えていて、勉強会に出るなど具体的なアクションも起こしているので、転職回数のことはいずれ関係なくなります。自分の経験を積むことを優先させて、転職回数は気にしなくていいとアドバイスさせていただきました。
仕事で成功するには、強みを活かすのが早道です。キャリアの方向性に迷われている方は、ルミナスパークを使って棚卸しをして、客観的に自分の強みと弱みを把握することをお勧めします。
それぞれのキャリアが拓けますように。
アセスメントツールLUMINAを使う個別キャリア相談はこちら
好評発売中!
鈴木美加子 著『やっぱり外資系!がいい人の 必勝 転職 A to Z』
外資系に転職して活躍できる人、向いていない人、その違いとは――。
人事のプロとして25年間に累計1万人を面接・面談した著者だからこそ知り得る、経験と実績にもとづく“成功する”転職ハウツーを明かす。
Amazon販売ページはこちらから
https://www.amazon.co.jp/dp/441323121X/
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。