Global Career Guide
元・外資系人事部長、10,000人を面接したグローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。本日は、「アセスメントツール LUMINA SPARKを使って、キャリアの方向性を考える」シリーズの実践編をご紹介します。
※この記事は、ご本人の了承を得て書かれています。
Aさんは、大手日本企業で品質管理のお仕事をされています。「これが天職!」と思えるほどではありませんが、スペシャリスト志向が高い方なので、専門知識が必要な仕事を気に入っておられます。継続して勉強してきた英語力が、TOEIC800点を越えたので、そろそろ外資系も視野に入れていくかどうか、品質管理の道を進むことで問題ないかどうかを相談にみえました。
まずは適性ですが、Aさんが、品質管理のお仕事をこなせているのは、規律重視と結果重視のスコアが高いからです。決められたルール、プロセス、フレームワークに則ることが得意で、不良品が見つかるというわかりやすい結果が出ることが、いわゆる性に合っているのです。気になるのは、データ重視のスコアが非常に低いことで、本来細かいことや数字は好きではないはずです。いろいろ質問して、データには興味がないことがわかりました。長期的に見て、品質管理を生涯の仕事にするのは得策ではないとご本人も気づかれました。
Aさんの強みを振り返ると、結果重視であることが第一になります。自分の仕事が、売り上げ(数字)、イベントの数など目に見える形で残ることで満足を得られるタイプだということです。ここには挙げていませんが、さらに詳細のデータを見るとセールスが向いているとわかります。品質管理に異動になる前、社内セールスをしていて成績も良かったそうです。
ご自分の中で、営業は専門職ではないと思い込んでらっしゃるところがあり、一生の仕事にはしたくないと感じていたそうです。しかし、本当に優秀なセールスは、明らかに高度な専門職で、誰にでもできる仕事ではないことをお話しました。
次に、どのような商品を扱うのが良いかです。人間重視の軸もAさんには重要なので、人を育成する研修・教材を扱えると総合的な満足度が高くなるという結論に達し、業界の方にお話を聞いてみることになりました。
最後に、外資系に向いているかどうかですが、「向いている」と判断しました。
理由は、論理的に話ができる、物怖じせずに自分をほどよくPRできる、時代の流れを読もうとするアンテナが高いので、M&Aなどがあったとしても生き残れるサバイバル力があると思えるからです。
キャリアの方向性を考える時、「強み」にフォーカスして、「強み」を活かせる道を選ぶことが成功への近道です。転職活動をスタートする前に、まずは自分の「強み」を振り返り、フィーリングで転職して失敗することがないように注意しましょう。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。