Global Career Guide

キービジュアル キービジュアル

キャリアの方向性をルミナで考える(実例23)

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、外資系・日系両方から内定をもらい、どちらを選ぶべきかを悩んでいる方のご相談について、アセスメントツール「ルミナ」を使って解説します。 

*この記事はご本人の了承の元に書かれています。

今回の相談者、28歳の男性・佐竹さん(仮名)は、現在、日系メーカーの法務部勤務です。小学生時代アメリカに住んでいたことがあり、TOEICスコアは860点。ご相談は2点あり、「法務」の仕事が自分の適職かどうかを確認したいことと、転職活動が進み外資系と日系企業からオファーをもらっていて、どちらにすべきか決めきれずにいるとのことでした。

まず適職について、ルミナの結果を見てみましょう。スコアが高い佐竹さんの資質は、結果重視・規律重視・堅実(細かいことが得意) そして内向的です。法務の仕事は、決まっている規則に照らし合わせることが多いので、規律重視のスコアが高く、誤字脱字などにすぐ気がつく細部へのこだわりも重要です。また企業で成果を出すためには、結果重視の赤のスコアが高いことが望ましいです。
法務は適職ということになりますが、赤と青の組み合わせの人材に向いている職業は、他に「プロジェクトマネジメント」「購買」「品質管理」が挙げられます。佐竹さんの大きな特徴は非常に内向的なことなので、仕事の性質上、大勢の人間と関わることになる「プロジェクトマネジメント」と「購買」は、天職ではないです。「品質管理」の仕事には向いているので、後は彼の好みの問題です。

佐竹さんに「法務」と「品質管理「のどちらがやりたいか質問してみたところ、迷うことなく「法務」と言う答えが返ってきました。20代はキャリアに迷いがちなのでよくあることですが、佐竹さんの場合も、現職が自分の適職と言うハッピーエンドになりました。

さて、次に転職先をどうしたら良いかです。同じ業界・同じ位の規模の日系企業と外資系企業から内定をもらっています。

話しているだけだと、どちらがベターなのかが見えにくいので可視化します。佐竹さんが気になる項目を比べてもらった表が下記になります。

項目 / 企業日本企業A社外資系企業B社
年収現状維持昇給あり
オフィス古い新築に引っ越したばかり
通勤時間40分60分
テレワーク
上司日本人外国人
英語使用機会なしあり
安定性高い低い
部署異動会社主導社員主導のことが多い

一見して外資系に軍配があがるように思えますが、迷うのはなぜかを紐解いていきます。まず転職しようと思った理由は、会社主導での部署異動が多い企業で、スペシャリスト人材になりにくいことがわかっているからだそうです。佐竹さん自身は先輩の動きを見ていて、次はIT部署への異動になるだろうとのことですが、ITに興味がないので異動になる前に脱出しようとしています。

外資系に一歩踏み出せないのは、「すぐクビになる」イメージがあり、なんとなく怖いからとのことでした。即日解雇のような極端なケースが起こりうるのは一部の投資銀行・コンサル・ITだけであることと、個人の業績が高いのに辞めざるを得なくなるのはM&Aや部門の売却の時で、この変革の時代、日本企業にいても絶対の雇用の保障はないことを説明しました。佐竹さんのデータを細かく読むと、青の中の「慎重」「思慮深い」のスコアが高いので、安定を求める気持ちは非常に強いです。

28歳とまだお若いので、外資系に初めて転職する限界年齢(42~43歳)まで、時間的猶予はだいぶあります。安定性を求めて日本企業にもう少し勤めるもよし、外国人の上司の元で英語を使いながら、好きな法務の道を極める道を歩むもよし、あとは佐竹さん次第です。メリット・デメリットをよく話し合って、最終的に外資系からのオファーを選ぶことになりました。

キャリアの方向性に迷った時はアセスメントツールを使った診断を受けると明確になります。次の転職先に迷ったら、Pros and Cons (俗にプロコン) 、それぞれのプラスとマイナス点を挙げて見える化できると決めやすいです。秋の転職活動シーズン、頑張ってください。

オンラインセミナー「コロナ時代の転職術〜適職を目指し外資系をもっと知る〜」開催!

明日(10/28 水) 19:00 より、「コロナ時代の転職術〜適職を目指し外資系をもっと知る〜」セミナーをオンラインで開催します。コロナ禍に気をつけること、外資系と日本企業の違い、公開キャリアのお悩み相談会、Q&Aが主なトピックスです。詳細はこちら

オンラインサロン『鈴木美加子のグローバル人材塾』

多様性を受け入れ、英語でロジカルに発表・主張できて外国人と協働できるグローバル人材の集いです。楽しく学びながら、コミュニティの中で継続的に成長することができます。
コンテンツの概要は以下の通りです。

  • 週1の記事・動画配信
  • 週1のライブ配信
  • キャリアのお悩み相談
  • 外部ゲストの講演会
  • 月1の懇親会
  • 個別キャリア相談を割安で受けられる

初月は無料なので、お気軽に覗いてみてください。詳しくはこちら↓

オンラインサロン『鈴木美加子のグローバル人材塾』

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

カテゴリー一覧