Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、今の仕事が適職かどうか悩んでいる方のご相談について、アセスメントツール「ルミナ」を使って解説します。
* この記事はご本人の了承の元に書かれています。
今回のご相談者、小林さん(仮名)は27歳の女性で、日系のメーカーで新卒時代に経理に配属され、現在品質管理の仕事をしています。相談内容は、社会人になってしてきた仕事が、自分に合っていないような気がして転職を考えたいというものでした。
小林さんのマンダラを見ると、強みは「外交的・ビジョン重視・直感重視・人間重視」です。社会人になって初めて就いた経理の仕事は、きちんと数字を集計する必要があるので、堅実(データ重視)と規律重視(ルールを守る)が何より重要です。小林さんの2つのスコアは低いので、経理はご本人の申告通り適職ではなかったと言うことになります。
それでは現在の品質管理の仕事はどうでしょうか。実はこちらも堅実(データ重視)、規律重視(ルールを守る)とさらに結果重視(許容不良率を目指して結果を出す力)が必要です。それらは小林さんの必ずしも強みではないことがマンダラを見ればわかります。
小林さんに、「何か挑戦してみたい仕事はありますか?」と聞いてみたところ、同期がマーケティングの仕事をしていて、話を聞いていて非常に興味があるし自分にもできる気がするとの事でした。彼女の細かいデータを見ると、「想像力豊か」「革新性」など変化を起こす事が得意なので、マーケティングには向いています。
問題は異動が現実的かどうかです。会社主導の異動が多く、自分から「XX部に行きたい」と手を挙げるのは難しい社内事情だそうです。20代なので、転職活動をして全く経験がない部署にチャレンジすることも可能ですが、対抗馬に新卒時代からマーケティングだけをしてきた候補者がいたら、弱いことになってしまいます。
もう一つ少し気になるのは、直感重視のスコアが非常に高く、どちらかというとフィーリング人間さんでその場限りの即時的なことの方が向いているのではと思える点です。彼女に、他にやりたいことがあるかどうかを聞いてみたところ、ラジオやテレビなどメディア制作に興味があることがわかりました。もちろんメディアの世界にもたくさんの役割があるので、何をするか仕事内容にもよりますが、アイディア豊富で明るく現場でのアドリブ力があり、周りの人たちと協力的に仕事をできる小林さんに向いている業界です。マンダラ以外の細かいデータを見ると、ビジョン重視の中の「想像力豊か」と人間重視の中の「協調性」が高いので、大勢の人たちと仕事をすることに向いているといえます。
小林さんは自分の興味ある業界が適職とわかり嬉しそうでしたが、現在の職場とあまりにかけ離れた業界なので、雰囲気がつかめないと言う事でした。そこで、たまたま私の知り合いに、ラジオのプロデューサーがいるので彼に紹介することになりました。実際にその業界で仕事をしていて、これまでにたくさんの同僚・部下たちを見てきた彼ならば、小林さんの適性を正確に見抜けるだろうと思います。
小林さんはまだ20代と若く、大きなキャリア変更をすることが可能な年齢です。このチャンスを活かして新しい道が開けるよう心から祈っています。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。