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キャリアの方向性をルミナで考える(実例16)

元・外資系人事部長、1万人を面接したグローバルキャリアカウンセラーの鈴木美加子です。本日は、日系企業から転職をすると決めたものの、キャリアの方向性を迷っている方のご相談を紹介します。

* この記事はご本人の了承の元に書かれています。

相談者は47歳の男性・佐藤さん(仮名)で、日本企業でマーケティングの仕事をしています。相談は2つありました。まずは、「仕事が自分に合っていないと感じており適性を知りたい。新卒の時に会社に配属され、そのまま同じ部署に在籍していますが仕事を楽しいと思えない」とのことです。次に、「NPOで働くことに興味があり、向いているのかを知りたい」という内容です。

佐藤さんのルミナスパークは、人間重視の緑しかほぼ無い、珍しい結果でした。マーケティングの仕事で秀でるために必要なのは、図で「ビジョン重視」と書かれている、アイディア豊富で変化を恐れない黄色の領域と、「外交的」(オレンジの領域)です。残念ながらどちらも線が非常に細くて短いので、スコアは低いとわかります。

8つのアスペクトの文字の大きさを見ても、「ビジョン重視」と「外交的」は小さく、マーケティングの仕事は天職ではないとわかります。

それに比べて、佐藤さんの「人間重視」は太くて長い線ですし、文字も格段に大きく「強み」であることがわかります。人間重視は「親密・受容力・協力的・共感的・順応性がある」の要素で成り立っています。人を応援したり、その場のハーモニーを大切にしたりすることが得意です。
NPOに興味を抱くのは自然なことで適職と言えます。「人間重視」に特化した仕事にやりがいを感じることができるでしょう。

課題は、年収レベルです。現在、大手化学品メーカー勤務で給与は良いので、NPOに転職することで給与は確実に落ちます。それを良しとできるかどうかは大きなハードルです。幸い佐藤さんの場合は扶養家族がおらず、これまでの給与を着実に不動産投資に回していて不動産収入があります。お金の不安がないのであれば、本当にやりたいことを仕事にしようという結論になりました。

アジアのお受験のある国(韓国・日本・中国・台湾)では、バランスよくどの分野の点数も高いことを良しとする傾向があります。バランスが良いとどうなると思いますか? できることが多すぎて、キャリアを一つに絞れなかったり、会社に重宝に使われて器用貧乏(専門性がない)キャリアになったりしがちです。隣の芝生は青く見えるのが人間ですが、実は、強みが際立っている人材の方が天職を探すのは簡単です。自分を他人と比較することなく、強みで勝負できるよう願っています。


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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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