Global Career Guide

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キャリアの方向性をルミナで考える(実例11)

元・外資系人事部長、10,000人を面接したグローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。本日は、営業からマーケティングにキャリアを転向するかどうかのご相談について紹介します。

* この記事はご本人の了承の元に書かれています。

Aさんは、31歳の男性で日本企業の営業マンです。成績は、常にNo.3くらいで、コミッション率が高い会社なので年収には満足しています。オンラインの英会話を活用して英語力をだいぶ上げたので、外資系への転職を考えています。

お悩みは、このまま営業路線で転職するか、キャリアチェンジをしてマーケティングに挑戦するかでした。

まず彼のマンダラをみます。スコアが高い、つまり線が太くて長いのは、「直感重視、ビジョン重視、外向的、結果重視、規律重視」です。

彼が営業で結果を残せているのは、「結果重視」と「外向的」の組み合わせのお蔭です。赤の「結果重視」の人にとって、自分の仕事が売り上げ高や、イベントやプロジェクトの数で測れるかどうかはとても重要です。また赤のスコアが高い人は、掲げた目的に対してコミットする力も持ちあわせています。

マーケティングには、想像性・革新性が必要なので、黄色の「ビジョン重視」のスコアが高いかどうかが大切になります。Aさんは、黄色のスコアもかなり高いので、大まかにはマーケティングにも向いているとわかり、営業とマーケティングのどちらがより良いかはこの段階ではまだ決められません。

24のクオリティ

次に、いくつかあるデータから、24のクオリティのスコアをみます。前出のマンダラを支えている全てのデータがここに現れており、さらに細かく検証できるからです。

少し意外なのは、赤のスコアの中で「競争心がある」が50%なことです。50%とは、100人が並んだ時に、彼がちょうど真ん中にいることを意味しており、営業としては低いスコアと言わざるをえません。彼がトップセールスでない理由はここにあります。常にNo.1セールスの方は、とにかく負けず嫌いで自分が一番である必要があり、人に負けないことを原動力に頑張れます。競争心のスコアは9割以上であることが普通です。彼の場合は、他人と張り合う気持ちが営業としてはかなり低いので、今後もトップセールスになることはないだろうと予測できます。

さらに、マーケティングに欠かせない黄色のスコアを見てみます。概念的・革新的・社交的ともに高いスコアです。「日常」(職場)における「想像力豊か」のスコアが少し低いですが、本来の自分である「内在」のスコアが6割くらいあるので問題ありません。よく話を聞くと、現在の営業職では型が存在するセールスをしているので、想像力を働かせる場面があまりなく、職場での「想像力豊か」のスコアが下がっているのではとのことでした。

営業、マーケティングともに適性のある仕事ではあります。営業を続ける場合は、現在のNo.3くらいのポジションをキープする職歴になるでしょう。あとは、彼の現在の価値観、次の転職に何を求めたいのかが判断の決め手になります。

彼は現在、新しいことにチャレンジしたい気持ちが非常に高いステージにいます。「まだ若いので、新しいことに挑戦してみたいです」と3回おっしゃった一方で、「ノルマがあって、いつも競争しているのがたまに面倒になります」と話されました。総合的に考えると、マーケティングへの転向が妥当という結論になります。

キャリアチャンジをするとき、なんとなく直感で決めるのも悪くはないですが、一度転向すると後戻りができない場合もあります。データに基づいて、理詰めでキャリアについて考えることも必要かと思います。秋の転職シーズンが到来し、複数の内定が出てどれを選ぶか迷う方も出てきました。ベストのキャリアを選べますように。

Good Luck!

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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