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「韓国語を使った仕事にはどんな仕事があるんだろう」「年収はどのくらい?」
韓国語のスキルを活かして転職を考える人のなかには、このような疑問を持つ人も多いでしょう。
日本国内で韓国語を活かせる仕事はさまざまありますが、年収は仕事によって異なります。
この記事では、韓国語を活かせる仕事について年収とあわせて具体的に解説しているほか、転職成功のポイントや日本進出の韓国企業についてもご紹介しています。
韓国語を使った仕事に興味がある人にとって役立つ情報を掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。
どんな仕事で韓国語が活かせるのか気になる人も多いでしょう。ここでは、韓国語スキルが役立つ6つの仕事を、年収の目安とともにご紹介します。
韓国語の通訳の仕事は、同時通訳から旅行関係の通訳、文芸・実務・映像の翻訳まで分野が幅広いです。ネイティブレベルの語学力に加え、同時通訳では豊富な語彙力と即時対応力が、旅行通訳では円滑なコミュニケーション能力が求められます。
一方、翻訳では高度な韓国語力のほか、医学やITなどの専門知識や日本語の文章力も必要です。在宅やフリーランスでの働き方が可能で、通訳と比べてスピーキング能力への要求が低いのが特徴です。
いずれの分野でも求められるスキルは専門性が高く、ビジネスレベル以上の言語能力が不可欠でしょう。
なお、参考までに英語の通訳者・翻訳者の年収についてご紹介します。厚生労働省の統計によると、英語の通訳者の年収は551.4万円、英語の翻訳者は571.1万円です。
韓国企業の日本オフィスは、韓国語スキルを活かせる魅力的な転職先の一つです。
2020年の経済産業省の調査によると、2019年時点で日本に進出している韓国企業は165社です。特に卸売業、情報通信業、サービス業が多く、韓国語が堪能な日本人スタッフを積極的に採用しています。
韓国企業で働くメリットは、韓国人スタッフとの交流を通じて韓国文化への理解を深められる点です。ただし、社内の公用語が韓国語である場合が多く、業務指示の理解やスムーズなコミュニケーションのためにハイレベルな韓国語力が求められます。
顧客対応は日本語が中心となる傾向がありますが、韓国の商習慣に基づいて運営されていることも多いため、語学力に加えて韓国のビジネス文化への理解も重要となるでしょう。
貿易事務は、日韓の活発な貿易関係を背景に、韓国語スキルを活かせる有望な職種です。
財務省の貿易統計によると、2022年時点で韓国は日本の貿易相手国第5位で、貿易額が過去最高を記録しています。今後も日韓間の貿易事務需要の拡大が見込まれています。
貿易事務の主な業務内容は以下の通りです。
● 韓国本社との出荷調整
● 社内システムでの発注
● 船荷証券やインボイスなどの貿易書類の確認
● 納期管理
● 物流企業との連絡 など
書類作成やメールでの韓国語使用が多いものの、定型文を活用する機会も多いのが特徴です。ビジネスレベルの会話力や読み書き能力が求められ、メーカーや貿易実務の経験があれば優位になるでしょう。
厚生労働省の統計によると、貿易事務の年収は496.3万円です。
ホテルや旅館のスタッフとして、韓国人旅行客の対応をする仕事もあります。
日本から飛行機で約3時間と距離が近いこともあり、訪日韓国人観光客は2023年で約700万人と諸外国をおさえ、最多となっています。平均4.7泊の短期旅行が多いものの、個人消費額は台湾・中国に次いで第3位です。
このような状況を受け、多くの宿泊施設が韓国人観光客向けのサービス展開を進めていることから、韓国語対応可能なスタッフの需要が高まっています。特にフロント、コンシェルジュ、ドアマン、施設内レストランのサービススタッフなど、接客業務全般で韓国語スキルが重宝されています。
ホテルスタッフとして就職する際、韓国語力だけでなく接客スキルも必要です。韓国語が話せることは大きなアドバンテージとなり、転職の際は強みとなるでしょう。
今後も観光需要の回復とともに、ホテルや旅館などで韓国語を活かせる機会は増加すると予想されます。
厚生労働省の統計によると、ホテルや旅館の接客業担当者の年収は329.6万円です。
日本政府観光局「2023年 国籍別 / 目的別 訪日外客数 (確定値)」
観光庁「訪日外国人の消費動向訪日外国人消費動向調査結果及び分析2023 年 年次報告書」
観光庁「2023年暦年 全国調査結果(速報)の概要」
航空業界も、韓国語スキルを活かせる代表的な職種の一つです。
特に韓国系航空会社では、客室乗務員やグランドスタッフとして働く際に韓国語力が必須です。ほかの航空会社でも韓国人利用客が多いため、韓国語を活用できる機会は豊富といえるでしょう。
グランドスタッフは人気の高い職種で、首都圏の予約センターや国際空港など、日本国内での勤務が可能です。多くの韓国系航空会社が日本人スタッフを積極的に採用しており、東京や大阪で選考を実施しています。
韓国語での接客会話や韓国式の礼儀作法など、実践的なスキルを習得できる研修を行う企業もあります。
厚生労働省によると、年収目安は客室乗務員が534万円、グランドスタッフが491.1万円です。
韓国語スキルを活かして、免税店で働く方法もあります。
関税や消費税が免除された商品を扱うため、多くの外国人観光客が訪れるのが免税店です。韓国人旅行者の利用も多く、韓国語での接客対応ができるスタッフが重宝されています。
商品案内やレジ対応、商品管理などが主な業務です。旅行のピーク時には、搭乗直前の短時間でのスピーディな対応が求められることもあります。韓国語と英語のダブルスキルがあることが望ましく、コスメ販売では海外のお客様へのメイクスキルも必要とされるでしょう。
多くの店舗で商品知識やビジネスマナーの研修制度があり、未経験者でもチャレンジしやすい環境が整っています。
年収の目安は300~400万円とされています。
どのようなポイントを意識すれば、韓国語を活かせる仕事に転職できるのか気になる方も多いでしょう。ここでは、3つのポイントをご紹介します。
韓国語スキルを活かした転職を目指すなら、客観的な語学力の証明として資格取得が効果的です。特に「ハングル能力検定試験」や「韓国語能力試験(TOPIK)」は企業からの認知度が高く、選考時の有力なアピールポイントとなるでしょう。
これらの検定に合格すれば、韓国語レベルを第三者にはっきりと示せるため、韓国企業や韓国語を使用する職種への転職において大きなアドバンテージとなります。また、韓国への留学経験や旅行経験なども、語学力と併せてアピールできる材料となるでしょう。
韓国の文化や価値観を深く理解することも、韓国に関わる仕事に転職するために大切です。語学力だけではなく、韓国人の考え方や行動パターンに合わせたコミュニケーションが求められるためです。相手が大切にすることや嫌がることを把握しておくことで、良好な人間関係を築けるでしょう。
また、韓国のビジネスマナーを知ることも重要です。韓国では儒教の影響で上下関係を尊重する姿勢が求められるため、敬意を払うことが仕事をスムーズに進めるポイントです。挨拶や席順、名刺交換など、細かなマナーに配慮しましょう。接待や会食を通じて個人的なつながりを強化できることもあります。
ビジネスマナーやコミュニケーション文化をしっかりと理解して、面接で自信を持ってアピールしましょう。
韓国語スキルを活かした転職を成功させるには、語学力がきちんと評価される職種や企業を見極めることもポイントとなります。翻訳や通訳などの韓国語がメインスキルとなる職種はもちろん、韓国が強みを持つ業界についても調査することで、より効果的な転職活動ができるようになります。
韓国語スキルに関心のない企業へのアピールは効果が限定的です。そのため、韓国語力が適切に評価され、実務で活用できる機会が多い企業を選択することが重要です。
語学力を最大限に活かせる職場環境を見つけることで、より充実したキャリアを築くことができるでしょう。
韓国語を活かして転職活動をする際に、自身の韓国語レベルを可視化しておきましょう。希望先に実力をアピールできるポイントになります。
ここでは、韓国語の資格や検定を2つご紹介します。
ハングル能力検定は、日本語を母語とする人のための韓国語検定試験です。1993年の開始以来、累計53万人以上が受験している日本最大規模の韓国語資格試験です。
年2回実施され、5級から4級・3級・準2級・2級・最上級レベルの1級まで6段階あり、3~5級は60点以上、準2級以上は70点以上が合格ラインに設定されています。1級以外はマークシート式の筆記試験(聞き取り・書き取り)で、1級のみ面接試験があります。1級・2級を除き、日本語で出題される唯一の韓国語検定です。
採用時の語学力の証明として広く認知され、日本企業での韓国語業務には4級以上、韓国企業では3級以上が目安です。一度取得すると永久的に有効な資格なので、長期的なキャリア形成にも役立つでしょう。
韓国語能力試験(TOPIK)は、韓国政府教育部が唯一主催する国際的な韓国語試験で、世界97ヵ国で実施されています。最上級の6級から1級までの6段階があり、日本での開催は年3~4回です。
すべての問題文が韓国語で出題され、初級(1・2級)では聞き取りと読解、中・上級(3~6級)では聞き取りと読解にくわえて筆記試験が実施されます。韓国でのビジネスに必要なレベルは5・6級が目安とされているため、未取得の場合はぜひチャレンジしましょう。
就職や転職の際の語学力の証明として広く認知されているTOPIKですが、資格の有効期限が取得から2年間と定められている点には注意が必要です。
日本に進出している韓国企業への転職を目指す人もいるでしょう。
ここでは、駐日韓国企業名簿(2023年版)から、代表的な韓国企業をご紹介します。
● サムスン電子ジャパン株式会社
● 株式会社暁星ジャパン
● LG Electronics Japan株式会社
● ロッテ製菓株式会社東京事務所
● ヒュンダイモービス株式会社日本支店
● 株式会社三養ジャパン
● 現代重工業株式会社東京支店
アメリカやドイツなどの企業と比べ、韓国系企業の求人はそれほど多くありません。そのため、韓国系企業への転職を希望している場合はこまめに求人情報を確認しましょう。
また、韓国系企業に強い転職サイトなどに事前に登録しておくのも有効です。求人が出た際にすぐに応募できるよう、準備を整えておきましょう。
韓国語の仕事がしたいと思っても、どのように探せばよいかわからず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、求人の探し方を2パターンご紹介します。
韓国系企業への転職を目指すなら、外資系企業の求人情報を扱うDaijob.comのような転職サイトの利用を検討しましょう。
転職サイトでは、自分に合った求人を効率よく検索できるほか、企業からのスカウトや面接対策、書類添削などが受けられます。韓国語を活かした仕事を探している場合も、希望に合った求人を見つけやすく、転職後のミスマッチを防ぐことが可能です。
Daijob.comをはじめ、ほとんどの転職サイトが無料で利用できます。有効活用すれば、転職成功の確率が高まるでしょう。
興味のある企業の公式サイトから直接応募するのも方法の一つです。
求人を出している韓国系企業を探し、採用ページから応募します。応募後、必要書類を提出し、書類選考を通過すれば面接に進めます。
この方法のメリットは、転職サイトやエージェントを利用していない企業にも応募できる点です。また、企業の公式サイトから直接応募することで、志望度の高さをアピールできる場合もあるでしょう。
一方デメリットは、企業探しや労働環境・企業風土の調査についてすべて自分で対応しなければならない点です。さらに、選考過程や面接日程の調整、内定後の交渉などもすべて自分で対応する必要があり、初めての転職活動の場合は難しいかもしれません。
日本国内だけでも、韓国語を活かしながら働く方法は多数あります。
韓国系企業への転職の際は、スキルの可視化がポイントの一つです。ハングル能力検定試験や韓国語能力試験(TOPIK)などの検定を取って、面接でアピールしましょう。
韓国語を活かせる求人探しはDaijob.comがおすすめです。希望条件で細かく検索できるため、よりご自身に合った求人と巡り合えるでしょう。ぜひDaijob.comで韓国語を活かせる仕事を探してみてください。