Global Career Guide
外資系企業の営業職には、グローバルな視点の形成や新たなキャリアチャンスの獲得などの特徴があります。日本企業の営業職とは異なる点も多いため、これから外資系企業の営業職にチャレンジしようと考えている方は、特徴をよく知っておくことが大切です。
この記事では、外資系企業の特徴を解説します。未経験者でも仕事に就けるのか、女性のキャリア形成についてなどの疑問を解決していきましょう。
まず、外資系も含めた営業職の転職市場を解説します。
2023年までは、多くの企業がコロナにより人材の採用を控える傾向にありましたが、2024年度からは積極的な採用がみられています。今後は特にIT・人材業界をメインに、営業職の採用が活発化すると予想されています。
さらに、日系企業の海外への輸出増加や、日本での展開を考えている外資系・グローバル系・多国籍企業も増加傾向にあるため、外資系営業の経験は今後のキャリアにも一役買うと考えられています。
すでに外資系の企業体制に慣れている場合は、さらに海外との交渉・ビジネス英語などのスキルなどを身に着けておくと転職の際に有利になるでしょう。
外資系の営業職には以下の4つの代表的な特徴があります。
●成果主義が採用されている
●即戦力が求められる
●柔軟な働き方ができる
●英語を使う機会もある
日系企業と比較しながら、それぞれの特徴について詳しく解説します。
日本企業では社歴や経歴が重視されますが、外資系企業は成果主義を採用している場合が多く、営業職も例外ではありません。
成果主義では、業務の成果や成績などを基に評価をして、昇給や昇格などの待遇に反映させます。
特に営業職は、目標に対しての達成率が数字で判断できるため、成果が分かりやすい点がメリットです。成果に応じて報酬が上がるため、日系企業と比べて大幅な年収アップも可能です。
日系企業では働きながら学ぶ方針の会社が多く、入社後に研修やOJT(On the Job Training)を設けて、社員を手厚くサポートすることがほとんどです。職場の上司や先輩によるOJTは、マニュアルや研修だけでは学びきれない、経験に基づく知識やスキルを身に着けられるのが特徴です。
一方、外資系企業では採用時点で「その道のプロフェッショナル」であることが求められます。入社後すぐに現場に入って成果が出せるような即戦力が必要とされているのです。
外資系営業職においては、基本的な営業の知識だけでなく、国内外の市場調査やデータ分析によるニーズの把握等のスキルも求められることがあります。
外資系企業では労働時間よりも、成果や実績を重視する評価制度が導入されているため、効率よく仕事をこなすことが求められます。フレックス制度が認められている外資系企業も多く、社員は自分のライフスタイルや業務に合わせて勤務開始時間と終了時間を調整可能です。業務範囲やコアタイムは定められているものの、自由な働き方が叶うのです。
仕事の進め方やスケジュール管理は社員自身に委ねられます。そのため、個々の働き方に対する自主性と責任感が育ちやすい環境といえます。
また、外資系企業はワークライフバランスを重視しており、社員がプライベートと仕事の両立を図ることを奨励しています。年次有給休暇やリフレッシュ休暇など、十分な休暇制度が整っている企業も多く、比較的休暇が取りやすい環境にあるといえるでしょう。
企業にもよりますが、英語など日本語以外の言語を職場で使う機会が多いことも、外資系企業の特徴です。
会話だけではなく、メール、プレゼンテーション、報告書や提案書などの書類作成などで外国語を使う機会もあります。会話と同じように、外国語で書かれた文章を読み、理解する力も必要です。
外国語を頻繁に使用するかどうかは企業規模やクライアントにもよりますが、外資系企業であっても国内営業職であれば日本語がメインとなる可能性が高いでしょう。ただし、海外営業職やマネージャー職になると、英語を使う機会は増える傾向にあります。
外資系の営業職は、常に成果を出し続けることが求められ、大きなプレッシャーがかかる仕事です。ただし、実力次第では高い報酬が期待できるため、チャレンジし甲斐があるでしょう。
それでは、外資系営業職に向いているのはどのような人なのでしょうか。向いている人の特徴は以下の4つです。
●高いコミュニケーションスキルがある
●成果主義に対応できる
●柔軟性と適応力がある
●高いストレス耐性を持つ
一つずつ詳しく解説します。
日系・外資系問わず、営業職においてコミュニケーションスキルは最も重要なスキルです。
特に外資系企業では日本人だけではなく外国人との会話する機会も増えるため、異文化や異なる価値観を受け入れながらも、自分の伝えたいことはしっかり伝えるといった、積極的なコミュニケーションが不可欠です。
なお営業職に求められるコミュニケーションスキルには、クライアントやチーム内メンバーとの信頼関係を築き、効果的な意思疎通を図る対人スキルや、取引先との交渉および契約締結へとつなげる交渉スキルも含まれます。
多くの外資系企業は成果主義を採用しています。そのため、期待に応える実力はもちろん、目標以上の成果を上げられる人が求められます。
成果主義の企業に即対応できる力があり、パフォーマンスに応じて評価が上がることを望む人は外資系営業職に向いているといえるでしょう。
また、成果主義に対応するためには、自発的にスケジュール管理を行ったり、結果を出すための計画を立てたりする能力も重要です。
外資系企業の特徴として、意思決定や業務が日系企業よりもスピーディーに進むことが挙げられます。そのため、外資系企業で働く際には、急なビジネスモデルの変更や追加対応など、変化に柔軟に対応できる力が求められるのです。
さらに営業職の場合は、クライアントからの急な変更にも即座に対応し、新たな提案をする能力も必要です。
外資系企業の営業職は、成果が報酬につながるため、常にストレスがかかる可能性があります。そのため、精神・肉体の両方がタフな人の方が外資系企業で力を発揮できるでしょう。また、自己管理能力も大切です。
また、営業職には自己管理能力とフットワークの軽さも必要です。プレッシャーへの耐性と計画性、行動力を持ち合わせた人ならば、外資系営業職として活躍できるでしょう。
外資系の営業職は未経験でも目指すことは可能です。
もしもスキルや資格を持っていれば、即戦力を求めている外資系企業に採用される可能性が高まります。そこで、ここからは外資系の営業職を目指すうえで有利なスキルや資格をご紹介します。
企業によっては高い語学スキルを求められる場合があります。
特に営業職の場合は、海外メンバーやクライアントとのミーティングが頻繁に行われます。そのため、いつでもどこでもすぐに対応できるほどの英語力を身に着けておくことをおすすめします。
あらかじめTOEICや国連英検などの資格を取得しておくと、転職の際の英語力の証明になるでしょう。TOEICスコアを基準にするのであれば、Daijob.com内では「735~860点」を「ビジネスレベル」、「865点以上」を「流暢レベル」に分けて求人を掲載しています。応募したい企業から求められる英語レベルは情報収集の段階でチェックしておきましょう。
外資系営業職に役立つ資格を持っていると、就職後の業務もスムーズに進むでしょう。
外資系企業は海外で取得した資格を重視すると思われがちですが、営業職ではMBAや中小企業診断士など、営業に関わる資格も重視されます。いずれも日本国内で取得できる学位や資格です。
また、外資系保険会社の営業職ではファイナンシャルプランナーの資格が有利に働くなど、業界によってはそのほかの資格が有利に働くこともあります。
営業経験のない方は、成果主義で即戦力が求められる外資系営業への転職はハードルが高いと思うかもしれません。しかし、実は営業職の経験がなくても挑戦しやすい業界もあるのです。
ここでは営業職未経験でも転職しやすい外資系営業職として、以下の二つの業界を紹介します。
●保険会社
●製薬会社(MR)
一つずつ詳しく解説します。
外資系の生命保険会社の営業職は、保険契約を交わすことが成果となり、給与に反映されます。契約を取るために必要なのは、営業スキルよりも高いコミュニケーションスキルです。また、人当たりの良さや高い提案力なども、保険営業には欠かせないスキルです。
製薬会社の営業部門(MR:医療情報提供者)も、営業未経験からチャレンジしやすい業界です。
近年、日本に進出する外資系製薬会社が増えていることもあり、採用も活発になっています。
また、ほかの業界の外資系企業とは異なり、製薬会社では資格取得のための研修制度があったり、専門的知識を得るための勉強会が開催されたりなど、学びの機会が多いところもポイントです。未経験でも挑戦しやすい業界といえるでしょう。
未経験から外資系営業職へ転職する際のポイントは、「外資系企業の営業への転職のポイントを解説!未経験からの転職や有利な資格も」でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
外資系企業の営業職は、性別を問わず門戸が開かれています。
特に、ワークライフバランスを重視したいと考えている方にとっては、外資系営業は向いているといえます。結婚している方や子どもがいる方は、仕事のオン・オフがしっかり切り替えられる外資系の方が働きやすいでしょう。
また、子育てや介護を理由にキャリアを諦めなくてよい点も、女性にとっては大きなポイントです。
外資系企業は性別だけでなく、人種や年齢、国籍などの異なる多様な人材を認め、受け入れています。多様性に配慮した労働環境を整備している企業も多いため、日本の女性も無理なくキャリアアップを目指すことができるでしょう。
自由な働き方ができ、キャリアの幅も広げられる外資系営業職への転職に憧れる人も多いでしょう。しかし、成果主義の外資系企業での営業はプレッシャーが大きく、「きつい」と感じる場合もあるかもしれません。
ここからは外資系企業の営業職がきついと感じる理由と、その改善方法をご紹介します。
外資系営業職がきついと感じる主な理由は、成果主義による給料の変動にあります。
日系企業では、年功序列で年々給料が上がっていきます。しかし、外資系企業ではしっかり働いて、さらに成果を残さなければ、給与は減ってしまうのです。
また、社内の変化のスピードについていくことが難しい点も、きついと感じる理由として挙げられます。じっくりと腰を据えて一つの業務に向き合いたい方にとっては、意思決定の早い外資系企業での勤務は大きなストレスとなってしまうかもしれません。
外資系営業がきついと感じたら、いったん自分の業務やスキルを見直し、不足している営業スキルを磨いてみるとよいでしょう。上司や同僚に、磨くべきスキルを教えてもらうのもよいかもしれません。
また、自分より成果を上げている人をお手本にして、試行錯誤しながら自分だけの営業方法を確立していく方法もあります。
いろいろな工夫をしても改善が見込めなければ、別の企業や関連業種への転職も検討してみましょう。
外資系営業職への転職を考える場合、特徴をよく知ったサービスの活用が転職を成功させる近道です。
外資系営業職と日本の営業職では多くの異なる点があります。
外資系営業職の特徴を熟知し、自分のスキルを活かせる転職サイトや転職エージェントを見つけることで、希望の外資系営業職に就ける可能性が高くなるでしょう。
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外資系企業営業職は、常に高い成果を求められる厳しい仕事です。これから外資系営業職の仕事に就きたいと考えているなら、この記事を参考に、ご自身のスキルや性格が外資系企業の特徴や向いている人に合致しているかどうかを確認してみましょう。
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