Global Career Guide
外資系企業でグローバルに活躍するITエンジニアになりたいと思う方もいるでしょう。
外資系企業に転職すると、年収アップや英語力を活かせるなどのメリットがあります。しかし、成果主義のため、結果が常に求められる点などの注意したいポイントも。
この記事では、外資系企業と日本企業の違いから、外資系IT企業へ転職するメリットや注意点、年収までご紹介します。また、エンジニア経験者が活躍できる外資系IT企業の業種や職種、外資系企業に向いている人の特徴などもあわせて解説します。
ITエンジニアが外資系企業へ転職する際に役立つ情報を掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
日系企業から外資系企業に転職する前に、知っておきたい違いがいくつかあります。ここでは、特に知っておきたい違いについて3つご紹介します。
外資系企業は「成果主義」のため、個人の実力や成果が評価に大きく影響します。成果をあげたりスキルが高かったりすれば、年齢が若くても昇給やキャリアアップのチャンスが多いといえるでしょう。
一方日本企業は、在籍年数や年齢に応じて昇進や昇格が決まる「年功序列制」が残っているところも多いのが現実です。たとえ成果をあげても、給与やキャリアが上がるのに時間がかかる場合があるでしょう。
日本企業は月給制が一般的で、給与は比較的平等に発生します。また、勤続年数や人事評価が反映される「職能給」が採用されています。
一方、外資系企業では業務の価値や難易度によって評価が決まる「職務給」です。基本的に「年俸制」で、さらに「インセンティブ」もあわせて年収が決まるのが特徴です。個人の実力やパフォーマンスが、年俸やインセンティブとして給与に反映されています。
日本企業では協調性が重視されるため、仕事で何かを決めるときには上司に相談する傾向にあります。場合によっては時間をかけて議論したり、さまざまな人や部署の承認を得たりしながら次のプロセスへ進むでしょう。
一方、外資系企業は個人主義の傾向が強いため、ITエンジニア個人の意見が反映されるという特徴があります。物事が決まるスピードが日本企業に比べるとはやく感じるでしょう。
日本企業と外資系企業の違いについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
日本企業と外資系企業 7つの違い – 向いているのはどっち?
ITエンジニアとして、日系企業から外資系企業に転職するメリットは以下の5つです。
● 年収アップの可能性がある
● 英語力を活かせる
● 最先端の知識やIT技術へのアップデートができる
● お互いに干渉しすぎない傾向にある
● ワークライフバランスの取れた環境で働ける
それぞれ詳しく解説します。
ITエンジニアが外資系企業へ転職するメリットの一つは、年収アップの可能性が高い点です。
外資系企業の多くは成果主義を採用しており、実力次第で若いうちから高収入を得られる環境があります。特に注目したいのはインセンティブ制度で、役職に関係なく成果に応じて報酬が支払われるのが特徴です。
インセンティブ制度のおかげでモチベーションが高められるとともに、収入アップを実現できるでしょう。
日本企業の「年功序列制」とは異なり、外資系企業には個人の成長と結果が直接給与に反映されやすい環境が整っているといえます。
外資系IT企業で働く大きな魅力の一つは、英語力を活かせる環境に身を置ける点です。同僚や上司、顧客に外国人がいる場合も多く、日系企業よりも日常的に英語でコミュニケーションを取る機会があります。
英語に自信がある方や英語が好きな方にとって、語学力を存分に発揮できる絶好の機会となるでしょう。
また、日々の業務を通じて英語力を継続的に磨ける点も大きなメリットです。
英語を使う頻度が高ければ高いほど、自然と語学力は上がっていきます。「英語力をさらに磨いてキャリアアップしたい」と思う方には最適な環境でしょう。
最先端のIT技術や知識に触れられる環境に身を置けるのも、メリットの一つです。
多くの外資系企業がシリコンバレーなど、テクノロジー系の企業が集まる地域に本社を置いているため、日本企業よりもはやく最新技術に触れる機会があります。AIやビッグデータなどの最先端技術は、主に海外で開発されているため、外資系IT企業で働くとそのような技術をいち早く学べるチャンスが多くなるでしょう。
さらに、日本での成果次第では本社への出向チャンスもあります。外資系企業で働くと、グローバルな舞台で活躍する可能性が広がるかもしれません。
外資系企業で働くと、プライベートな時間を充実させやすいというメリットもあります。
外資系IT企業の働き方の特徴の一つに、ドライな人間関係が挙げられます。個人の意思や、私生活を尊重する海外の文化が反映されているからです。そのためプライベートな時間への干渉が少なく、強制的な飲み会や付き合いがほとんどありません。
ただし、すべての外資系企業が完全にドライというわけではありません。ホームパーティーが多い企業や、業績達成時に社員同士でハグをするなどの独自の文化を持つ企業もあります。
外資系企業には、ワークライフバランスの取れた働き方ができるというメリットがあります。家族やプライベートを大切にする文化があり、オンとオフがはっきりしているためです。
また、業務の進捗は個人に任される傾向が強いため、業務に支障がなく結果を残せている場合は、定時退社や有休・長期休暇の取得もしやすいでしょう。
反対に、きちんと休まないのは「業務効率が悪いからでは?」と、マイナスな評価につながる場合もあるようです。
日本企業から外資系IT企業へ転職する際は、以下4つの点に注意する必要があります。
● 成果主義なので結果が求められる
● 文化の違いによるストレスを感じる場合がある
● 福利厚生は期待できない場合がある
● 開発に携われない場合がある
一つずつ解説します。
外資系企業は成果主義の傾向が強いため、結果を出せば正当な評価が得られるのはメリットです。しかし裏を返せば、結果を出せなければ評価してもらえないということです。
日本企業とは異なり、プロセスはあまり評価されない場合が多く、「結果を出さないといけない」とプレッシャーに感じてしまうかもしれません。
ただし、外資系IT企業でも日本の法律に従わなければならないため、突然解雇されるケースはほとんどないでしょう。希望する外資系企業の人事評価基準がどうなっているかなど、事前に確認しておくのもおすすめです。
日本企業の雰囲気に慣れているエンジニアにとっては、外資系企業のフランクな社風がストレスに感じられることもあるかもしれません。苗字で呼び合う日本企業と異なり、外資系ではファーストネームを用いることも多いため、距離感に慣れるまで時間がかかる方もいるでしょう。
また、外国人が多い職場では、コミュニケーション方法の違いにも悩むかもしれません。日本人は暗黙の了解などが代表的な、言葉による表現が少ない「ハイコンテクスト」な文化です。対して外国人は、言葉による表現を重視する「ローコンテクスト」な文化が強い傾向にあります。
そのため日本人の「言わなくても通じる」は外国人に通用しない場合が多く、あらゆる場面での言語化に戸惑ってしまう恐れもあります。
外資系企業は年収が高い反面、福利厚生にはあまり期待できないかもしれません。日本企業では一般的な「住宅手当」や「退職金」を設けている外資系企業は少ないことを理解しておきましょう。
ただし、外資系企業は年収額が高い傾向にあります。日本企業の福利厚生にあたる部分は、外資系企業では年収に含まれているケースも多いため、自身の給与で十分足りるという可能性もあります。
年収などの給与条件は事前によく確認しておきましょう。
外資系企業は本社が海外にあります。システムの開発は本社で行われるのが一般的で、日本支社は営業拠点としての役割を担っている側面が強いです。
そのため外資系企業に転職しても、エンジニアではなく顧客へのセールスやフォローが中心となる場合もあるかもしれません。
求人によっては上流工程を担当できたり、ローカライズ専門のチームで雇用されたりするものもあります。転職サイトを使って、希望に合う求人を探すのがおすすめです。
外資系IT企業には、さまざまな業種があります。ここでは代表的な業種を3つ、それぞれ代表的な企業とあわせてご紹介します。
海外で開発・製造されたソフトウェアやハードウェア、システム製品を、日本国内マーケットに向けてカスタマイズし販売します。
<外資系ITメーカー・ベンダーの企業例> ● デル・テクノロジーズ株式会社 ● アマゾンジャパン合同会社 ● 日本マイクロソフト株式会社 ● インテル株式会社 ● SAPジャパン株式会社 など |
日本に進出している外資系ITメーカーの求人は、マーケティングや営業なども幅広く募集するのが特徴です。ITメーカーの開発自体は海外の拠点で行われていますが、検索エンジンやECサイトの開発エンジニアの求人がある場合も。
ベンダーの場合は、営業職のほかにプリセールス(エンジニア兼営業)を募集するケースもあります。
外資系Webサービス企業は、GoogleやX(旧Twitter)のような日常的に利用される検索エンジンやSNSの開発・運営を主な事業としています。スマートフォンアプリやWeb広告など、エンドユーザー向けのサービスを幅広く展開しているのが特徴です。
<外資系Webサービスの企業例> ● グーグル合同会社 ● Apple JapanLINE ● ヤフー株式会社 など |
エンジニアやWebデザイナー、データサイエンティストといった技術職だけでなく、マーケティング、営業、顧客サポートなど多様な職種で人材を募集しています。
外資系ITコンサルティングファームは、企業の経営課題や業務課題をITの導入によって解決する役割を担っています。ITコンサルタントには技術的知識だけでなく、企業経営やビジネスモデルへの深い理解が求められるでしょう。
<外資系ITコンサルティングファームの企業例> ● 日本アイ・ビー・エム株式会社 ● アクセンチュア株式会社 ● PwCコンサルティング合同会社 など |
近年のDX推進の流れもあり、ITコンサルタントの需要は増加傾向にあります。
外資系企業では、海外にある本社で現地のエンジニアが製品やサービスの開発を担当しています。日本のエンジニアは開発業務ではなく、製品やサービスの販売、顧客支援がメインとなるケースが多いようです。
ここでは、外資系エンジニアの代表的な3つの職種について解説します。
営業支援は、技術面から営業部門をサポートする職種です。主な業務は、顧客の課題解決につながる技術提案や導入支援で、システムのデモンストレーションなどを行うこともあります。
ITエンジニアとしての技術力と経験を活用することはもちろん、顧客とのコミュニケーション能力や提案力も求められます。また、IT関連のトレンドや知識を常にキャッチアップし、自社製品の特性や他社との差別化ポイントを理解するのも重要です。
<こんな経験が活かせる> ● セールスエンジニア ● プリセールスエンジニア |
顧客と直接関わりながら、エンジニアとして培ってきたスキルを活用したい方に適した職種といえるでしょう。
コンサルティングは、顧客の課題に対して最適なソリューションを提案し、自社製品の導入を進める職種です。自社製品やサービスに精通し、顧客のニーズに合わせて最適なプランを設計します。
IT知識だけでなく、経営知識や幅広い社会知識も求められます。論理的思考力と説得力のある提案力も重要です。また、チームでの協働が多いため、高いコミュニケーション能力とプレゼンテーション能力が不可欠です。
<こんな経験が活かせる> ● テクニカルアーキテクトエンジニア ● ソリューションアーキテクトエンジニア |
新しい技術の導入に興味がある方や、技術と経営の両面からビジネス課題に取り組みたい方に適した職種といえるでしょう。
顧客支援は、顧客との長期的な関係構築を目指す職種です。カスタマーサポートエンジニアは技術的トラブルや障害への対応、カスタマーサクセスエンジニアは顧客生涯価値(LTV)を高めるミッションがあります。
この職種では、自社製品やサービスに関する深い知識はもちろん、顧客企業の業界理解も求められます。利用動向や日々のやりとりから先回りして提案を行う能動的なアプローチが必要です。
<こんな経験が生かせる> ● カスタマーサポートエンジニア ● カスタマーサクセスエンジニア |
自社の顔として顧客と深い関係を築きたい方、技術的知見を活かしつつ顧客の成功に貢献したい方に適した、外資系企業でも人気の高いポジションです。
外資系IT企業には十分な将来性があるといえるでしょう。
外資系IT企業はグローバルな視点を持ち、世界的な技術トレンドを常に把握しているからです。IT業界の急成長と今後の発展を考えると、需要はますます増加するでしょう。
しかし、技術の進歩ははやく、今注目されている技術も将来的にはレガシー化する可能性があります。したがってITエンジニアは常に業界の動向を見極め、自身のキャリアを定期的に振り返って見直すことが求められます。
外資系企業へ転職すると、日本企業に在籍していたときより年収が上がる可能性があります。
厚生労働省の「jobtag」によれば、システムエンジニア(Webサイト開発)の平均年収は557.6万円です。対して外資系ITエンジニアの平均年収は、600~1,200万円前後といわれています。
外資系企業は成果主義の傾向が強く、結果を残せばインセンティブ制度によって報酬がアップするため、年収が高くなる傾向があります。また、退職金や福利厚生の制度がなく、給与に含まれている点も特徴です。
そもそも、英語力の高い人材は年収も高い傾向にあります。Daijob.comの調査によれば、TOEICのスコアが735点以上の方は、日常会話レベルの方に比べて年収が高いことが分かっています。
ビジネスレベルの英語力を持った人材が外資系企業に転職すると、大幅な年収アップが狙えるでしょう。
外資系IT企業に向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、外資系IT企業に向いている人の特徴について3つご紹介します。
外資系IT企業は、明確なキャリアプランを持つ方に向いています。能動的に情報収集し、目標達成に向けて積極的に行動できる能力が求められるからです。
システム開発以外にも、プロジェクトマネジメントやコンサルティングなどキャリアチェンジも可能なため、ビジョンが明確な方ほど行動にうつしやすくキャリアアップもはやいでしょう。
面接で長期的なキャリアビジョンについて問われる場合があるので、プランをはっきりと答えられるようにしておくことが大切です。
外資系企業で働くうえで重要なのが、語学力です。同僚や上司だけでなく、顧客が外国人である場合もやり取りに英語を使います。
文化が異なる人たちと仕事をするため、自分の意見や主張を明確に伝えられる英語力は必須です。
外資系IT企業は、特定分野のスペシャリストを高く評価する傾向があります。オールラウンダーよりも、一つの分野で秀でた能力を持つ人材を求めているのです。そのため、専門性の高い方や、特定分野でのスペシャリストを目指す方に適した環境といえます。
ただし、入社後も継続的に結果を出し続けることが求められるため、常にスキルアップを心がける姿勢が不可欠です。
専門性を磨きながらキャリアを築きたい方には、外資系IT企業への転職は魅力的な選択肢の一つとなるでしょう。
外資系企業へ転職するためのポイントを解説します。転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
外資系企業の面接は、英語で行われる場合もあります。
高いレベルの英語力があったとしても、日本語ではない第2言語で想定外の質問をされたときに、緊張も相まってうまく答えられない恐れもあります。日本語での面接以上に、どのように答えるかをシミュレーションしておきましょう。
また、英語圏の文化にふさわしいビジネスマナーや立ち振る舞いが求められることも。あらかじめマナーなどについて調べておくと安心です。
外資系企業は即戦力を採用する傾向にあります。そのため、自身が即戦力となれる理由を、数字などを用いて面接でアピールするのも重要です。
一般的に、TOEIC750~800点以上あれば外資系企業でも問題なく仕事ができるとされています。ただし、外資系IT企業は本国とのやり取りが多いため、より高い英語力が求められる場合もあるでしょう。
TOEICのスコアで英語力の高さを証明するほか、自分の英語力がビジネスに支障がなく、業務上のコミュニケーションにも問題ないことをアピールするのもポイントです。
転職サイトに登録して、最新の求人情報をチェックするのも方法の一つです。特に、Daijob.comのような外資系企業の求人掲載数の多い転職サイトを利用すれば、転職の成功率が上がるでしょう。
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外資系ITエンジニアとしてグローバルな活躍を目指す場合、外資系ITメーカーやベンダー、外資系Webサービス、さらにITコンサルティングファームなどの選択肢があります。
外資系企業では、開発に携わるというよりは営業支援やコンサルタント、顧客支援などの職種が多い傾向にあります。ただし、企業によって募集している職種は異なるため、外資系企業に強い転職サイトなどで情報取集するとよいでしょう。
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