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「英語力を活かして外資系ゲーム業界へ転職したいけど、どんな職種で英語を活かせる?」「どんな人が外資系ゲーム業界に向いている?」
外資系ゲーム業界への転職を考える際、このような疑問を持つ方も多いでしょう。
外資系ゲーム業界では高い英語力が求められ、ほかにもさまざまなスキルが必要です。
この記事では、ゲーム業界の概要や外資系ゲーム業界の特徴、英語が活かせる職種や向いている人の特徴などを解説します。外資系ゲーム業界への転職を希望する方にとって役立つ情報が満載です。ぜひ最後までご覧ください。
ゲーム業界は、幅広い娯楽サービスや商品を提供する産業です。
ゲームは大きく以下の2つに分けられます。
● コンシューマー(家庭用ゲーム)
● アーケードゲーム
コンシューマーはさらに以下3つに分類されます。
● パッケージソフト
● オンラインゲーム
● スマートフォン向けゲーム
それぞれの分野でさまざまな企業が競争し、業界全体で進化を続けています。技術の進歩にともなってゲーム業界の形態も常に変化しており、新しいビジネスモデルや開発手法も生まれているのです。
ゲーム業界には、大きく分けて以下2つの会社が存在します。
● パブリッシャー:ゲームの企画~販売までを総合的に担当
● デベロッパー:パブリッシャーの企画に基づいてゲーム開発を担当
パブリッシャーが企画しデベロッパーが開発、そしてパブリッシャーによって販売という流れで、消費者のもとにゲームが届くのです。
そして、ゲーム業界には次の3つのメーカーが存在します。
● ゲーム機器メーカー/プラットフォーム(OSやデバイスなど):プレイ環境を提供
● ソフトメーカー:ゲームの企画や製作を担当
● ソフトハウスや派遣会社:技術や労働者を提供
ソフトハウスや派遣会社から技術と労働力の提供を受けながら、チームでゲームを制作します。完成したゲームは、適切なプラットフォームを選定するために、ゲーム機器メーカー/プラットフォームに売り込まれます。
複数の企業や組織が密接に連携し、それぞれの専門性を活かしながらゲームの企画から販売までを一連のプロセスで行っているのです。
外資系ゲーム企業は、以下4つに分けられます。
● 海外企業の100%子会社(日本法人)
● 海外企業と日本企業の共同出資会社
● 海外企業に買収された日本企業
● 海外企業の日本支社
外資系ゲーム企業は、近年急速な成長を遂げています。かつて、ゲーム業界は日系企業が主導していましたが、インターネットの普及とスマートフォンの登場により、業界の勢力図が大きく変化しました。
スマートフォンゲームの台頭により、ゲームをする層の変化も見られています。専用機器不要で世界中のプレイヤーと簡単につながることができる新しいゲーム体験が生まれ、従来のゲーマー層だけでなく、ライトユーザーも取り込んでいるのです。スマートフォンゲームは、家庭用ゲーム機市場を凌駕するほどの成長を遂げています。
外資系ゲーム企業の台頭は、グローバル化とテクノロジーの進歩によるゲーム業界の大きな変革を反映しているといえるでしょう。
株式会社角川アスキー総合研究所の「ファミ通ゲーム白書 2024」によれば、世界のゲーム市場規模は2023年で29兆5162億円です。前年に比べると10.1%増加(同一為替レートでは3.1%増加)していて、今後ますます市場は拡大していくでしょう。
北米やヨーロッパなどの英語ネイティヴな地域では45.8%と、英語圏でのゲーム業界のシェアが大きい点にも注目です。
日本国内には、以下の外資系ゲーム企業があります。
●株式会社ネクソン
●Tencent Japan合同会社
●日本マイクロソフト株式会社
●テイクツー・インタラクティブ・ジャパン合同会社
●網易娯楽株式会社(NetEase Games)など
このほかにも、日本には各国からさまざまなゲーム企業が進出しています。
外資系ゲーム業界の特徴について、社風と給与の2つの面から解説します。
採用では「ゲームに対する熱意」が重視されます。職歴よりも、志望企業のゲームへの思い入れや独自のゲーム構想を評価する傾向が強く、熱意ある人材を積極的に採用するのが特徴です。
また、性別や年齢による制限が少ないことも特徴の一つです。実力主義の傾向が強く、能力さえあれば年齢や性別にかかわらず、昇給や昇進の機会が与えられます。日本企業のような勤続年数重視の文化は薄く、実践的なスキルが評価されるのです。
外資系ゲーム企業は、ものづくりを心から楽しむ社風が目立ちます。集まるのは「おもしろいものを作りたい」「世の中を驚かせるゲームを生み出したい」という熱量にあふれた人材です。
実力を重視し、クリエイティビティを尊重する環境は、個人の能力を存分に発揮したい人にとって魅力的な職場といえるでしょう。
外資系ゲーム企業は、日本企業に比べて年収が高い傾向にあります。「ベース給+インセンティブ」が基本だからです。
ベース給は、日本企業でいう基本給のことで、実績や等級によって決まるのが一般的です。また、インセンティブは成果に応じて支給される報酬です。日本のゲーム業界の平均年収は近年改善傾向にあるようですが、主要7カ国(G7)のなかでも低いといわれています。
外資系企業の多くはベース給を日本企業よりも高く設定しています。さらに、成果を出せばインセンティブが出るため、年収が日本企業より高くなる可能性は大きいといえるでしょう。
ただし、ベース給やインセンティブは業種や市況によって変動があります。企業ごとにベース給とインセンティブの割合が異なる点にも注意しましょう。
外資系ゲーム業界で働くうえで、必要なスキルやマインドについて解説します。
外資系ゲーム企業では、多国籍チームでの協働が一般的です。そのため、高い英語力とコミュニケーション能力が不可欠です。
リーダーシップを発揮しつつ、チームとのバランスを取る能力も求められます。さらに、自己アピール力とプレゼンテーション能力も重要で、積極的に自分の能力を売り込み、周囲を納得させる力が必要です。
ゲームへの愛情と制作への熱意を持ち、ビジョンやアイデアを明確に表現できる人が向いています。「もっとおもしろいゲームを作りたい」「理想のゲームを世に送り出したい」など、技術力だけでなく創造性や企画力、新しい挑戦への意欲が重視されます。
面接では、やり込んだゲームやそのゲームを好きな理由など、世界観やキャラクターへの思いを熱く語れることが重要です。また、「入社したら何を作りたいか」というビジョンも求められるでしょう。実現できるかどうかにかかわらず、構想や温めていたアイデアをぜひ提示しましょう。
外資系ゲーム企業では、まわりの空気を読むことよりも、自分の考えをはっきりと表現する姿勢が評価されます。
英語力に不安があっても、積極的にコミュニケーションを取ろうとする態度が重要視されるでしょう。「やる気がない」と判断されないよう、自分の意見を明確に伝える姿勢が重要です。
このような環境で成功するには、ゲームへの情熱や細部へのこだわり、トレンドへの適応力も必要です。
外資系ゲーム企業へ転職したら、どんなメリットがあるのか気になる方も多いでしょう。ここでは3つのメリットを紹介します。
外資系ゲーム企業は成果主義であることが多いため、成果をあげればインセンティブが得られ、収入がアップする可能性が大いにあります。国税庁が発表した令和5年の平均年収は460万円だった一方で、外資系企業の平均年収は800万円ともいわれています。インセンティブは役職や年齢に関係ないため、成果次第では平社員であっても役職者レベルの収入が得られるかもしれません。
外資系ゲーム企業では、性別や年齢に関係なく個人の実力が重視されます。日本の多くの企業で見られる、年功序列や勤続年数重視の傾向とは対照的です。実力があれば誰にでも昇給や昇進のチャンスがあります。性別や年齢による制限も少ないため、成果を出してどんどん成長したい人や、トッププレーヤーを目指したい人には挑戦しがいのある職場でしょう。
ゲーム業界にかかわらず、外資系企業では仕事のオン/オフを切り替えやすい点がメリットです。
日本企業の特徴として「残業をしている=仕事を頑張っている」と捉えられる傾向がありますが、外資系企業の場合は「残業が多い=業務効率がよくない」と判断されます。残業はなるべくせず、プライベートの時間を大切にする点も外資系企業の特徴といえるでしょう。
外資系ゲーム企業へ転職するにあたって、事前に知っておくべきポイントがあります。ここでは2つの注意点について解説します。
外資系企業の福利厚生は必要最低限な場合が多く、日本企業に比べて不十分と感じるかもしれません。長期雇用を前提としないため、家族手当や住宅手当などの福利厚生がない場合が多く、雇用側にも企業側にもメリットのある制度が少ないのが現状です。
しかし、なかには日本でのビジネス歴が長く、退職金制度を含む充実した福利厚生を提供する外資系企業も存在します。
転職を考える際は、自身の価値観に合った福利厚生の有無を確認することが重要です。
日本企業では一般的な、終身雇用の概念は外資系企業にはあまりありません。終身雇用でないということは、成果が出なければ減給や、最悪の場合解雇もあり得るかもしれないことを意味します。
ただし、日本に進出している外資系ゲーム企業の場合は日本の法律が適用されるため、一方的な解雇はできないとされています。また、成果を出せば正当に評価されるため、実力で勝負できる環境が整っているともいえるでしょう。
英語を活かしてゲーム業界で働きたいと思う方にぴったりの職種を4つ紹介します。外資系ゲーム業界への転職を考える方は、ぜひ参考にしてください。
ローカライズとは、ゲームの言語や演出を特定の国に適応させる作業です。ローカライザーは、ローカライズを専門に行う職種です。文化的なタブーや表現の違いを考慮し、時間や通貨の表記を修正するなど、異文化でもゲームが受け入れられるように作業をします。
ローカライザーには、英語をメインとする、ネイティブレベルの語学力が求められます。また、高度な表現力や語彙力に加え、対象国の文化や慣習を理解する能力も必須です。特に日本国内向けゲームの海外版をリリースする際には、違和感のない翻訳や文化的な背景を踏まえた繊細な表現が求められるでしょう。ローカライザーには、言語だけでなく文化の架け橋となる重要な役割があるといえます。
ゲームのために必要なものの構成や動きを考えて設計し、デザインを行うゲームUIデザイナーも英語が活かせる職種の一つです。プランナーやエンジニアとのスムーズなコミュニケーションが必要です。特に外資系企業であれば、相手が外国人である可能性も高いため英語力は欠かせません。ゲームUIデザインは、一般的なUIデザインとは異なり、ユーザーの感情にまで配慮が必要です。また、ゲームごとに異なる操作方法など、ユーザー体験(UX)に直結する部分が多い点も特徴です。
ゲーム業界の営業職は、自社のゲームを販売店に売り込んだり、プロモーションを行ったりする職種です。特に海外展開を目指す企業の場合、英語力が必須です。日常会話だけでなく、ゲーム内容やマーケティング用語にも精通する必要があり、高度な英会話力が求められるでしょう。
ただし、国内向けの営業職には英語が不要なケースも多く、英語ができないからといって営業職に就けないわけではありません。しかしながら、海外展開を行う企業で営業職を目指す際には、英語力が大きなアピールポイントとなるでしょう。
企画職はゲームの方向性を決定する重要なポジションで、ゲームプロデューサーやプランナーが含まれます。最近では、日本でヒットしたゲームの海外展開や全世界同時販売が一般的になり、企画職には高い英語力が求められます。
英語ができれば、海外との打ち合わせをスムーズに進められるほか、英語で書かれた仕様書も読み解けるでしょう。また、英語を読み書きする能力だけでなく、海外の文化やトレンド、マナーを理解しておくことも必須です。海外展開を狙うゲーム企業では、海外でも受け入れられる企画をすることが大切だからです。
外資系ゲーム業界は、グローバル化とテクノロジーの進歩によって成長しています。実際に、ゲームの世界市場規模は30兆円に迫る勢いで、右肩上がりです。
日本には、中国や韓国、アメリカのゲーム企業が進出しています。外資系ゲーム企業への転職にはメリットだけでなく注意点もあるため、事前によく確認しておきましょう。
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