Global Career Guide
「海外で働きたい」夢は、どうすれば実現できるでしょうか? 20代で事務職からカスタマーサービス職への転身を通じて叶える海外キャリアの可能性を探ります。英語力に不安がある場合の働き方や、好きな国で暮らしながら働けるリモートワークの道も。安定性と将来性を考えた、カスタマーサービスの具体的なキャリアプランをご紹介します。
カスタマーサービス職で事務職からグローバルキャリアを目指そう
さまざまな業種に導入されているカスタマーサービス。まずはカスタマーサービスが注目されている理由を、仕事内容、そして重要性から掘り下げていきましょう。
カスタマーサービスの仕事内容は主に次の4つです。
● 顧客対応
● スペシャリストとしての対応
● サポートアーキテクト
● 導入支援
顧客対応とは、日々の問い合わせやサポートリクエストに対して、迅速かつ適切な対応を行うことです。
カスタマーサービスは製品やサービスに関する深い知識を活かし、専門的な観点からアドバイスや解決策を提供します。また、お客さまのニーズを理解して、最適なサポート体制をプランニングするのもカスタマーサービスの仕事の一つです。
さらに、新規のお客さまに対して、所属する会社の製品やサービスのスムーズな導入サポートも行います。
カスタマーサービスが重要視される理由は、以下の2点に集約されます。
第一に、カスタマーサービスはお客さまが抱える問題の解決を支援する重要な役割を担っています。顧客満足度の向上やお客さまとの継続的な取引関係を築くためには、効果的かつ効率的な問題解決が不可欠です。
第二に、現代のカスタマーサービスには高度な専門性が求められます。単なる応対スキルだけでなく、自社のシステムやソフトウェア開発に関する専門知識を持ち合わせていなければなりません。これらの知識がなければ、お客さまの複雑な問題に対して適切な解決策を提供することは難しいでしょう。
このように、カスタマーサービスは企業とお客さまとを結ぶ重要な接点として、そしてビジネスの成功を左右する重要な要素として、ますますその重要性が高まっているといえます。
顧客対応の仕事は、カスタマーサービス以外にもあります。ここでは、ほかのカスタマー系職種について解説します。
ヘルプデスクは、主にIT関連の技術的なサポートを提供する部門です。社内の従業員をターゲットとすることが多く、システムやソフトウェアの操作説明、トラブルシューティングなどが主な業務です。
具体的には、PCのセットアップ支援、ネットワーク接続の問題解決、各種アプリケーションの使用方法の説明などを行います。社内のIT環境を円滑に維持するための技術的支援に特化しているのが特徴です。
カスタマーサポートは、カスタマーサービスとよく似ていますが、より実務的な対応に特化しています。既存のお客さま向けに製品やサービスの具体的な利用支援や問題解決などの対応に重点を置いています。
例えば、製品の具体的な使用方法の説明、返品・交換への対応、アカウント管理のサポートなどがカスタマーサポートのメインの仕事です。
お客さまが製品やサービスを実際に使用する際の具体的なサポートをする役割を担っています。
コールセンターは、電話による対応を主体とした大規模な顧客対応センターです。大量の問い合わせの効率的な処理を目的としており、マニュアル化された対応が多いのが特徴です。
業務には、受電(インバウンド)と発信(アウトバウンド)の両方があり、注文受付、一般的な問い合わせ対応、テレマーケティングなどを行います。
現代のカスタマーサービスには、時代に即した3つの特徴があります。
一つ目は、従来の電話・メールに加え、チャットやSNS、アプリ内メッセージなどがあり、お客さまが希望する方法でサポートを受けられるようにコミュニケーションチャネルが整備されていることです。
二つ目は、サポートツールが充実していること。AIアシスタントによる情報の提供サポートに加え、業務効率を向上させる外部アプリケーションの活用や、業務最適化のための機能が導入されています。
三つ目は、データ分析が重要性を増していることです。カスタマーサービスの業務評価にはさまざまな指標が存在しています。これらを活用できればカスタマーサービスの分野でキャリアアップすることもできるでしょう。
カスタマーサービスのやりがいは多方面からやりがいを感じられる職種です。
お客さまの課題を解決することで得られる達成感や、そこから生まれる長期的な信頼関係の構築は、大きなモチベーションとなります。
また、顧客フィードバックを活かしたサービス改善への貢献や、チーム内での知識共有による相互成長も重要な要素です。
さらに、グローバル化にともなう異文化交流の機会や、お客さまのビジネス成長をサポートする喜びなど、個人の成長とキャリア発展につながるさまざまな経験を得られます。
このように、カスタマーサービスは、個人、チーム、お客さま、そして事業全体の成長に関わる、やりがいに満ちた職種であるといえるでしょう。
お客さま対応がメインのカスタマーサービス業では、事務職とはまた違ったスキルが必要です。ここでは、カスタマーサービス業で求められる可能性が高いスキルを5つご紹介します。
カスタマーサービスにおいて、明確で分かりやすい情報伝達は不可欠です。専門用語をできるだけ控え、お客さまの理解度に合わせた説明ができることや、メールでのコミュニケーションでは簡潔で誤解のない表現を心がける必要があります。
さらに、声のトーンや態度にも気を配り、安心感を与える対応も大切です。状況に応じて言葉遣いを使い分けられることも、高度なコミュニケーションスキルの一つといえます。
お客さま視点に立つこともカスタマーサービスの基本です。お客さまが抱える課題や不安、期待を理解し、それに応える解決策を提案することが求められます。また、お客さまのビジネス環境や利用シーン、ニーズを想像し、先回りしたサポートができることも大切なスキルの一つです。
また、お客さまとの対応で得られた情報やFAQなどをまとめておき、共有できるシステムを作っておくことも求められます。対応の属人化が避けられるようになり、お客さまからの信頼も得やすくなるでしょう。
お客さまの声に慎重に、そして真摯に耳を傾け、言葉の背後にある真のニーズを理解する能力です。ただ話を聞くだけではなく、適切な質問を投げかけながらお客さまの悩みや不安を理解することが大切です。
クレームへの対応時には特に、お客さまの感情的な部分にも注意を払い、共感的な理解を示すことが求められます。まずはお客さまの話をひと通り聞き、情報把握に努めましょう。
傾聴の過程で得られた情報を正確に記録し、後の対応に活かすことも大切です。
お客さまの声をもとに、問題の根本原因や本質的な課題を特定する能力が求められます。また、既存の解決策にとらわれず、状況に応じた柔軟な対応ができることも重要です。
さらに、問題解決の過程でカスタマーサービス以外の関連部署と連携し、組織的な解決を図ることで、自社の持つ課題や新たなニーズを発見できる機会につながります。
カスタマーサービスでは、問い合わせや問題解決以外にクレームへの適切な対応も求められます。
クレーム対応では、感情的になったお客さまに対しても冷静さを保ちながら、お客さまの不満や怒りを理解し、適切に対処することが大切です。まず状況を正確に把握し、謝罪すべき点は誠実に対応し、さらに具体的な解決策を提示しなければなりません。
また、クレームを企業にとっての改善機会と捉え、再発防止策の提案につなげることも必要です。
外資系企業でもカスタマーサービス部門は多く存在します。
外資系企業のカスタマーサービスの強みは、グローバルスタンダードの研修制度があり、最新のテクノロジーを活用した業務環境が整備されていることです。
海外とのクライアント対応のために英語を使用する機会も多くあり、多様な文化背景を持つお客さまへの対応経験が積めます。
さらにはキャリア発展の可能性もあり、海外拠点への異動やマーケティングなど他部門へのキャリアチェンジも可能です。経験を積むことでグローバルプロジェクトのリーダーやサービス戦略の立案担当として活躍する機会も出てくるでしょう。
外資系企業のカスタマーサービスは国内企業と比較して、より明確なキャリアパスと国際的な視野を得られる点に違いがあります。
事務職から外資系企業のカスタマーサービスへキャリア転換をお考えの方に、どのような流れでキャリアを転換していけばよいかを解説します。
事務職からのキャリアチェンジの場合、国内拠点でのカスタマーサービス職からスタートするとよいでしょう。カスタマーサービス部門は研修制度もあるため、業界知識や専門スキルを段階的に習得可能です。また、国内勤務から始めることで、無理なく新しい職種に適応できます。
最近では異なる業種からの採用を行う企業も増えているため、異業種間の転職のハードルも以前に比べて高くないでしょう。
また、事務職で培った文書作成能力や基本的なビジネスマナーは、カスタマーサービスでも活かせます。国内勤務から段階を踏み、経験を積むことで外資系企業へのキャリアチェンジを考えることも一つの方法です。
外資系企業のカスタマーサービスでは、リモートワークでの採用も多くあります。クラウドベースのツールを活用することで、自宅からでも効率的に業務ができます。
海外に拠点のある会社であれば国際的な環境で経験を積め、語学力のある方は英語力を活かした仕事も可能です。
リモートワークでは、デジタルツールの活用スキルが重要となりますが、事務職での経験が活かせる部分も多くあります。
カスタマーサービスでの経験を積んだ後には、次のようなさまざまなキャリアパスが開かれています。
● チームリーダーやマネージャーへの昇進
● プロジェクトマネジメントへの転換
● マーケティングや商品開発部門への異動
また、グローバルチームでの経験を活かして、海外拠点への転勤や国際プロジェクトへの参加機会も増えてきます。
お客さまとの直接的なやり取りで得られる知見は、さまざまな部門で重宝される経験となるでしょう。
外資系企業のカスタマーサービスへの転職を決めたときに準備しておきたいことをご紹介します。
英会話教室やオンライン英会話などで、業務で必要な英語力を身につけることが大切です。特にメールやチャットでのビジネスコミュニケーション、電話での応対に必要な英語表現の習得が必須となります。
さらにはカスタマーサービス特有の表現(クレーム対応、問題解決、説明、謝罪など)など、実践的な英語力を養うことが大切です。
オンライン講座やカスタマーサービス関連の書籍やサイトなどで、傾聴力、問題解決能力、感情管理、効果的な質問技法など、カスタマーサービスの基本的なスキルを学びましょう。
可能であれば現職でもお客さまとの対応の機会を積極的に求め、実践経験を積むことも検討してください。
現代のカスタマーサービスでは、以下のようなデジタルツールを活用する機会が多くあります。
● CRMシステム(顧客管理システム)
● チケット管理ツール
● コミュニケーションツール
● データ分析ツール
これらの基本的な使い方を学ぶほかに、Microsoft Office(特にExcel)の高度な活用法や、基本的なデータ分析スキルも習得しておきましょう。
文化による価値観の違いを理解し、それぞれの文化に適した対応ができるよう、日頃から異文化に触れる機会を積極的に作ることが大切です。
特に外資系企業は考え方や文化が違う社員と働く機会が多くあります。あやふやな伝え方は避け、簡潔で明確な物事を伝える力も伸ばしておきましょう。
外資系企業への転職前の準備として大切なことは英語力の向上、そして自己分析とキャリアプランニングです。自身のスキルや経験を棚卸しし、目指すキャリアパスを明確にすることで、より効率良く転職活動ができるでしょう。
転職活動のアプローチ方法として活用したいのが専門の転職サイトです。特に外資系企業への転職を考える場合、外資系に強い転職サイトを利用することで以下のようなサポートが受けられます。
● 経験やスキルの棚卸しサポート
● 詳細な企業情報の提供と企業研究支援
● 個人の適性に合った企業とのマッチング
● 効果的な応募書類の作成アドバイス
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