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前回、「熱狂する人」「~狂」という意味で使われる「マニアック」について書きましたが、日本語では、通常、人に対しては「マニア」が使われますね。美容マニア、ラーメンマニア、バーゲンマニア、コンビニマニア、大谷マニアなど、さまざまなものに没頭する人に対して使われます。しかし、英語の”mania”は「狂気」「熱狂」という意味で、人に対しては使われません。英語では、前回、「マニアック」に対応する表現として紹介した“enthusiast” “aficionado””fanatic””freak”が「マニア」に対しても使えます。
Car enthusiasts from overseas are looking for car meets to attend while visiting Japan.
(海外からのカーマニアらが、日本を訪問中に参加できるカーミーティングを探している。)
He was a history enthusiast and wrote a number of history novels.
(彼は歴史マニアで、歴史小説をいくつか執筆した。)
As a wine aficionado, I’ve traveled around the world to find the best vintages.
(ワインマニアの私は、最高のヴィンテージを求めて世界各地を旅行してきた。)
She is an Ohtani fanatic.(彼女は大谷マニアだ。)
My family are Disney fanatics. (私の家族はディズニーマニアだ。)
I’m a soccer freak. (私はサッカーマニア/サッカー狂だ。)
ほかに、”buff”や”nut”も使えます。
These are must-visits for history buffs.
(これらは、歴史マニアなら、必ず訪れるべき場所だ。)
The director is highly regarded among movie buffs.
(その監督は、映画マニアの間で高い評価を得ている。)
He is a convenience store nut.
(彼はコンビニマニアだ。)
先に、英語の”mania”は「狂気」と書きましたが、医学的には「躁状態」のことを指します。形容詞の”manic”を使って、“manic episode””manic syndrome”とも呼ばれます。
Bipolar disorder is a mental health condition that causes extreme mood swings among mania, hypomania and depression.
(双極性障害[躁うつ病]とは、躁、軽躁、うつの間で極端な気分変化を引き起こす精神疾患だ。)
Joker’s mania reflects the breakdown of society.
(ジョーカーの狂気は、社会の崩壊を映し出している。)
ただし、英語の”mania”も、下記のように「熱狂」という意味で使われます。
BTS mania hit Seoul with Jin Huggaton last week.
(先週、ジンのハグ会で、ソウルはBTSへの熱狂に包まれた。)
Mahjong mania is sweeping the U.S.
(麻雀人気がアメリカを席巻中だ。)全米各地に麻雀クラブなどができている。
なお、「熱狂」は”frenzy”や”enthusiasm”でも表せます。
Beatlemania was the name given to the fan frenzy surrounding the Beatles after the band’s first appearances on British television in 1963.
(ビートルマニアとは、ビートルズが1983年にイギリスのテレビに初めて登場してから彼らのファンの熱狂ぶりに対してつけられた名称だ。)
Beatlemania is extreme enthusiasm for the Beatles, as manifested in the frenzied behavior of their fans in the 1960s.
(ビートルマニアとは、1960年代にファンの熱狂的な行動に見られたビートルズに対する異常な熱狂ぶりのことだ。)
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。