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タカシの外資系物語

男性社会は退屈だ!(その1)2018.02.06

タカシが若いころから持っていた仮説とは?!


人間、長く生きていると、様々な経験をします。経験というのは、事実の積み重ねですから、長く生きている方が、事実をたくさん知っているという意味で有利であることは間違いないでしょう。

 

「冒頭から、なんやねん・・・」と思われた方、失礼しました。実は最近、若い頃からなんとなく感じていた “仮説” について、相当程度の確からしさ = 「こりゃ、結構正しいんじゃないのか?」を感じることが、よくあります。例えば、以下の仮説については、かなりの確信を持ち始めています。

 

-仮説(1) 女性よりも男性の方が、地位・権力に固執する傾向が強い

 

で、その結果、

 

-仮説(2) 男性が実権を握っている社会では、新陳代謝が起こらず、停滞を招きやすい

 

という、追加の “仮説” も出てきました。今回のコラムでは、私が上記の仮説を確信に高めていった過程についてお話ししたいと思います。


まず、仮説(1)について説明しましょう。実は私、十代の頃から、この仮説を持っていました。みなさんの中にも、「そう言われてみれば、そんな気がする・・・」という方がたくさんいらっしゃるんじゃないかと思うんですよねぇ・・・。しかしこの仮説、立証するのが極めて難しかった・・・。なぜなら、「女性が、地位・権力に固執しない!」というサンプルを集めるのが困難だったからです。地位・権力の場に存在するのは、圧倒的に男性であって、そこでの性別の比較はできない。ま、今後は確実に変わってくるのでしょうが(つうか、変えないといかんのですが!)、これまでは間違いなくそうだったんですよねぇ・・・。

女性はうまく禅譲する?!


女性であっても、男性と遜色なく、地位・権力を得ることができていた業界はないものか? と考えたところ、いやぁ、ありましたよ・・・それは芸能界、ザ・エンターテインメントの世界です! 芸能界は、完全に実力の世界です。観るものを感動させたものが勝ち。そこに、男女の性差はない・・・。

 

もちろん、ハッシュタグ  “#Me Too” で明らかにされたような、地位の特権を利用した、卑劣な世界が存在することは、残念ながら事実です。そういう人は裁きを受けなければならないし、そういう気持ち悪い悪弊は、一刻も早く撲滅しなければなりません。その前提で、ここでは、純粋にエンターテインメントの実力ということで、議論を進めたいと思います。

 

最近の芸能界を観察していると、あることに気付きます。それは、「女性タレントの入れ替わり・新陳代謝が激しい一方で、男性はほとんど変化がない」ということです。以下で、具体例を見てみましょう。

 

映画やドラマで活躍する俳優(女優・男優)を見てみます。まずは女優さん。少し前までその頂点に君臨したのは、長澤まさみさん(30歳)・新垣結衣さん(29)・石原さとみさん(31)でした。で、最近、主導権は、その下の世代である、有村架純さん(24)・土屋太鳳さん(22)・広瀬すずさん(19)に移行しています。有村架純さんはNHK紅白歌合戦の司会を2年連続で務めるなど、マルチな能力を発揮していますし、土屋太鳳さんは体育大学出身のスキルを活かした、ダンスパフォーマンスが圧巻ですよねぇ。

ここで重要なのは、前者の長澤さん・新垣さん・石原さんが斜陽化した結果、後者の有村さん・土屋さん・広瀬さんが台頭したわけではなく、前者は前者で、依然として活躍を続けつつも、主導権は後者に明け渡している形態をとっているところでしょう。広瀬すずさんの実質的なデビュー作である、映画『海街diary』に、長澤まさみさんも共演していて、強烈な印象を与えているのは、その証左ともいえます。言うなれば、うまく禅譲を果たしたという感じでしょうか。

男性はくたびれてから、頂点を去る?!


一方、男性陣はどうか? すでにSMAPの時代は終わり、嵐が頂点に君臨しているわけですが、SMAPの平均年齢が40代半ば、嵐だってすでに30代半ばを超えています。で、嵐に続く人はいるか・・・というと、これが皆目見当がつかない。菅田将暉さん(24)などが強烈なタレントぶりを発揮していますが、孤軍奮闘って感じで、政権が変わっていくようなイメージがしない。

男性の方は、結局はジャニーズのマッチポンプなんじゃないかとか、そもそも女性の方が芸能界では早熟だから仕方ないとか、いろいろと理由はつけられます。しかし、1つだけ、それでは理由がつかない事象がある。それは、男性の方は、かなり斜陽化が進んでから、政権交代が起こっている、ということです。以下に、少しまとめてみましょう。

 

・女性 ・・・ 定期的に、世代交代が起こる。前世代も依然として活躍を続ける方式で、うまく禅譲をしている

・男性 ・・・ 世代交代が起こりにくい。長期政権になりやすい。禅譲後(その前から?)、前世代が急速にピークアウトしてしまう

 

この状況を踏まえ、私はこう考えたのです。「女性よりも男性の方が、地位・権力に固執する傾向が強い」のではないか? その結果、「男性が実権を握っている社会では、新陳代謝が起こらず、停滞を招きやすい」のではないか? 冒頭に挙げた仮説は、このように強化されていったのです。

 

次回は、もう少し汎用的に、ビジネスの世界にまで広げて、この仮説を見ていくことにいたしましょう。

(次回に続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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