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タカシの外資系物語

“究極”のタイムマネジメント成功事例とは ?2010.04.20

タカシ の タイムマネジメント手法

今回は、タイムマネジメントの話をしましょう。実はこのテーマ、「仕事術」の分野では、非常に古くから議論されてきた話題です。かのドラッカーなんかも、真剣に議論している。最近でも、「デッドラインなんちゃら」みたいな本がベストセラーになっており、テーマ自体は依然として色褪せていない。にもかかわらず、未だに最適解が見つかっていません。 なぜか ? それは、「できそうで、できない最たるもの ! 」 だからではないでしょうかね。

 

本を読んでいる段階では、「ふむふむ、にゃるほどねぇ・・・」と納得することしきりなのですが、いざ自分で実践しようとしても、うまくいかない。例えば、「あらゆる仕事にデッドライン(締め切り)を設定する」というタイムマネジメント手法についても、頭では理解できるのですが、いざやってみると、結果が全く伴わなかったりします。締め切りを設定したとしても、時間通りに終わらない。今夜も残業、徹夜の毎日。慢性的に忙しい・・・ ウガーーッ !(獣か・・・) という悪循環に陥った経験は、みなさんにもあるでしょう。

 

例に漏れず、私もタイムマネジメントにはあまり自信がないのですが、何とか外資系企業で生き残っています。それは、以下 2 つのことを守っているからだと思っています。

( 1 ) すぐできることは、すぐやる

( 2 ) すぐできないことでも、24 時間以内には、何らかの成果を出す

 

( 1 ) については、拙著『外資流-タカシの外資系物語-』(あさ出版)にも書いている通り、「To-Do リストは書かない ! 」主義を通しています。なぜなら、To-Do リストに書くような仕事の 80 %以上は、すぐに取り組めば 5 分以内にできるようなものだからです。「To-Do リストを書いている暇があったら、やった方が早い」というわけ。実際に、私が知る限りにおいて、同僚の外国人スタッフの間で To-Do リストを書いている人間はほとんどいないと思います。

「軍隊」 と 「特殊部隊」?

次に ( 2 ) ですが、みなさんは、上司から仕事を頼まれて、特に締め切りの指示がなかった場合、どの程度の締め切りを設定しますか ? もちろん、仕事の内容や上司との会話の文脈にも依りますが、外資では常識的に「 24 時間以内」と考えます。

 

24 時間以内にできそうにない仕事だったら、どうするのか ? その場合でも 24 時間です。完了してなくても構わないので、状況を報告する。順調なのか、何か障害があるのか・・・ そして、報告の際には、いつ頃完了するのか、目処を伝えることも忘れてはいけません。

 

「上司に報告するなんて、当たり前じゃんか ! 」 いやいや、これができる日本人は、本当に少ない。例えば、3 日ぐらいかかる仕事の指示を受けた場合、日本人の多くは、中間報告などせずに、仕事をやり切ってしまう人の方が多い。一方、外国人(特に、アメリカ人)の場合は、うまくいっていたとしても、1 日単位ぐらいで中間報告を入れます。

 

上記の差異は、外資系と日系における、管理スタイルの差から来ていると思います。外資系のスタイルは、「軍隊」に近い。
上司 「今回のミッション(任務)は、○○だ ! 」   部下 「イエッサー ! 」
上司 「どうだ、うまくいっているか ? 」   部下 「順調です、イエッサー ! 」
上司 「引き続き、うまくいっているか ? 」   部下 「もうすぐ終わります、イエッサー ! 」 
・・・ こんな感じ。

 

日系は、「特殊部隊」に近い。特殊部隊というのは、必殺仕事人とかゴルゴ 13 みたいな世界。
上司 「今回のミッションは、○○だ。これを、とにかく 3 日以内に完了しろ。中間報告などいらない。とにかく、やり切るんだ ! 」    
部下 「へい、わかりやした・・・」

 

日本の場合、四の五の言わずに、黙ってやれ ! みたいなところがある。基本的に、単一民族国家である日本では、仕事がうまく進んでいるのか、トラブルが発生しているのか、報告されなくても、雰囲気で何となくわかるという前提があるように思います。一方、他民族国家の典型であるアメリカでは、各人の仕事のスタイルも千差万別なので、逐一報告を要求する文化が生まれたのではないでしょうか。

超・身近な成功事例

上記のように書くと、私のタイムマネジメントは、さも完璧かのような印象を受けるかもしれませんが、なんのなんの・・・ 私自身は、ろくなタイムマネジメントをしていない。( 1 ) ( 2 ) だけは守るようにしているので、かろうじて、外資系でも通用しているにすぎないだけです。では、私のタイムマネジメントは、どこが悪いのか ?

 

それは、徹夜や早朝、休日に仕事をすることで、帳尻を合わせている点です。つまり、超過分が出たら余計に仕事をすればいいじゃん ! という、何とも行き当たりばったりな作戦。タイムマネジメントもへったくれも、あったもんじゃない・・・

 

「標準的な業務時間だけで、仕事を完了している人などいるのだろうか・・・? 」 長年心に抱いていたこの疑問。先日、ついに究極の「成功事例」を見つけることができました。それも、超・身近に ! それは、「うちの奥さん(トモミ)」だったんです、これが・・・

 

我が家には、2 歳半になる娘がいます。娘は、朝 7 時に起きて、朝食を食べて、絵本を読んで、昼食を食べて、散歩に行って、ディズニーのぬいぐるみで遊んで、夕食を食べて、お風呂に入って、歯磨きをして、夜 9 時に寝る・・・ という、非常に規則正しい生活をしています。

 

うちの奥さんは、自宅でデザインの仕事をしながら、愛犬ゴルゴの世話もしています。もちろん、家事一般も。こういった普段の仕事に加え、娘が病気になったり、デザインの発注を急ぎで受けたりと、不測の事態も入ってくる。ゴルゴが意味もなく大暴れして、布団を滅茶苦茶にする日もある(笑 ! )。

 

こんな奥さん、しかしその仕事ぶりは、実に無駄がない。というのも、娘の日々の営みは、分刻みでやってきますから、それに遅れるわけにはいかないからです。つまり、娘に対しては、「残業」という奥の手を使うことができないわけです。

 

奥さんの仕事ぶりは、娘の世話を最優先にして、実にうまく優先順位をつけています。そして、細切れの時間で、それ以外の仕事をこなす。これぞ、タイムマネジメントのプロ ! こんな身近にお手本があったとは・・・

 

同様のことを、Daijob.com で 『働く女性のワーク・ライフ・バランス術』 というコラムを書いていらっしゃる 横浜リサさん もおっしゃっていますので、是非ご参照ください。(『働く母の秘めたる可能性 - タイムマネジメント編』)。

 

うちの奥さんのタイムマネジメントを、ビジネスに置き換えて考えてみると、彼女が成功している最大の要因は、自分にとっての“顧客”が明確で、“顧客”を中心に優先順位をつけているということではないでしょうか。彼女にとっての“顧客”とは、言うまでもなく、娘です。娘が快適に過ごせるために、今自分は何をすべきか ? 常にこの視点を持って仕事をしているから、結果的に無駄がない。

 

私を含め、タイムマネジメントがうまくない人の多くは、“顧客”の視点、つまり「だれのためにやっているのか ? 」が、不明確なように思います。自分にとっての最重要顧客、これは本当のクライアントであったり、上司であったり、いろいろなケースがあるでしょうが、その顧客が最も Happy になるように優先順位をつけ、仕事をする。それ以外のことは、他人に迷惑をかけない程度に、適当にこなしておく・・・ こういう方針付けが重要だと思います。締め切りを設定したり、To-Do リストをつけたりというのは、ツールや手段にすぎませんからね。

 

いずれにしても、みなさんも是非、家庭の主婦のタイムマネジメントを参考にしてください。特に、世の旦那さん ! 奥さんから、学ぶことって、結構多いんですからね !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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