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有元美津世のGet Global!

中央アジア(2)-- 料理2023.10.03

 

  杭州アジア大会では、ウズベキスタンは柔道などで活躍し、国別メダル数では第4位にランクしています。カザフスタンはクレー射撃(shooting trap)で金メダルを獲得していますが、今後、得意のレスリングでメダルを獲得するのではないでしょうか。それまで関心のなかった国でも、実際に訪問して気に入ると身近に感じ、応援したくなるものですね。

  前回に続き、今回も、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンに共通する点についてまとめたいと思います。

 

料理

 

  3ヵ国に共通するのは、「肉(meat)」といえば羊肉(lamb, mutton)のことで、かつ馬肉(horse meat)も広く食べられている点です。私は、カザフスタンで馬の頬肉や脳、ウズベキスタンでは馬肉が入ったピラフを食べましたが、柔らかくておいしかったです。

  また、ラクダ肉専門のレストランもあり、ラクダの肉も食べましたが、「ラクダ」と言われなければ、何の肉かはわからないです。なお、イスラム教の国々ですので、豚肉は売られていません。

  地元の人たちに言わせると、キルギスもカザフスタンも、元々、遊牧民のため、「移動する先々にある食べ物を食べるので、独自の料理というのはない」ということです。大半の料理が、元はウイグル(Uyghur)料理だそうで、たとえば、下記のようなウイグル料理は、中央アジアで広く食べられています。


・ナン(nan) : 分厚くて固く、インドのナンとは見た目も触感も違う。

・マンタ(manta) : 中央アジアでは「マンティ」。元々は中国の「饅頭」が語源。
           中の具(filling)は羊肉や牛肉のほかに、カボチャなどもあり。

・サムサ(samsa) : インドのサモサとは全く異なる。サムサ専門店もあり。具は多種にわたる。

・ラグマン(leghmen) : 麺料理。汁あり、焼きそば風など多種あり。

  どの国でも、ボルシチなどのロシア料理も、ほぼどのレストランでも食べられます。私はオリヴィエサラダ(Olivier Salad)が大好きなのですが、中央アジア版は、どこで食べても固い牛肉が入っているので、別のサラダを注文していました。

  3ヵ国に共通しているのは、オリビエサラダだけでなく、マヨネーズベースのサラダがいくつもある点です。レストランだけでなく、スーパーなどのデリ(惣菜コーナー)でも売っています。

  ペルメニは、”pelmeni”というと通じないことが多く、dumpling(s)として知られています。スーパーに行くと、実に多くの冷凍品があり、安い物であれば一袋100円くらいで売っていますが、結構おいしいです。なお、ウズベキスタンでは、ロシアのようにサワークリームはついてきません。

 

飲料

 

  ロシア・中東欧系の飲料も、どこのレストランでも提供されています。たとえば、フルーツを使って作るカンポット(kompot)ですが、ジュースのように甘くなくて、飲みやすく、私は、アメリカのロシア料理店で必ず注文します。それ以外に、中央アジアでは、ドライフルーツから作った飲料もあります。

  カンポットは、メニューには載っていても提供していない店が多かったのですが、どの店にも必ずあったのが自家製(homemade)のレモネードです。通常、レモネード(lemonade)というとレモンを使っているのですが、中央アジアでは「レモネード」は炭酸飲料という意味で使われているようで、きゅうり、キーウィ、パッションフルーツなど様々なフレーバーがありました。

  ちなみに、北米ではlemonadeというと炭酸は入ってないのですが、中央アジアを含め、炭酸が入っている国は多いです。(日本でも、炭酸が入っているのはレモンスカッシュだと思っていたのですが、レモネードでも炭酸が入ったのありますよね?)

 

お茶文化

 

  しかし、中央アジアで一番重要な飲み物はお茶(chai)でしょう。レストランには、紅茶とともに緑茶も必ずあります。地元の人は、たいていお茶をポットで注文しています。なお、湯飲みは、中華のスープ椀並みの大きさです。

  ウズベキスタン(やタジキスタン)では緑茶が主流で、カザフスタンやキルギスでは紅茶が主流のようです。その他、飲食店では、フレーバーティーなど、多種のお茶がそろっています。



・マズいコーヒー

  お茶の国のため、コーヒーはマズイです。レストランやカフェにあるコーヒーも、大半がインスタントです。メニューに「エスプレッソ、ラテ」とあり、エスプレッソマシンがあっても、インスタントを使う店も少なくありません。ラテとカプチーノの違いを知らない人たちも多いです。

  ホテルなどの部屋には、インスタントコーヒーが置いてあるところが多いのですが、砂糖とクリーム入り(3 in 1)の物がほとんどです。コーヒーが好きな人は、自分でおいしいのを持参することをお勧めします。

 

交通手段

 

  ジョージアでも展開しているロシア発ライドシェアのYandexは、キルギスの一部の都市以外では、たいていどこでも走っています。各国で地元のタクシー会社と提携しており、現れるのはタクシーです。

  また、(ジョージアにもある)マシュルートカ(marshrutka)という乗り合いバスも、近距離、遠距離ともに走っています。とくにキルギスは列車がないので、長距離移動する場合、マシュルートカやタクシーが主な交通手段となります。

  ウズベキスタンとカザフスタンには列車があり、タシュケントやアルマイトには地下鉄、市バスもありますが、それについては後ほど。

 

その他

 

  3ヵ国とも、大半の飲食店や小売店でクレジットカードが使えます。アルマイトの小さな商店で何十円の買物をした際、大きなお札しか持っていなかったのですが、店主に「クレジットカードで支払って」と言われました。

  そのため、現地の通貨の携帯は最小限でいいと思いますが、公衆トイレでは小銭がいるので(飲食店でも有料のところも)、常に小銭を用意しておく必要があります。トイレは、キルギス以外はきれいです。街中以外はしゃがみ式(squat toilet)が主流です(ジョージアも)。

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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