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有元美津世のGet Global!

年収アップにつながる英語力2023.05.23

 

  Daijob.comを展開するヒューマングローバルタレント社が、同サイトに登録している求職者で、求人を掲載している企業からスカウトを受けた人のデータを分析したところ、求職者の英語力によって年収に大きな差が出ていることがわかりました。(※1)

 

ビジネス会話以上の英語レベルが給与アップに

 

  まず、Daijob.com 登録者で企業からスカウトを受けた人材(日本国籍)の76%以上が「英語レベルビジネス会話以上(TOEIC 735点以上)」の英語力を備えていました。

  男女別に、企業からスカウトを受けた人材の平均年収を一般の給与所得者の平均年収と比較したところ、(※2)「英語レベルビジネス会話以上」の50代の男性では、1.5 倍高く、「英語レベルビジネス会話以上」の女性、40代、50 代では 、それぞれ1.9 倍、2.2 倍という結果でした。

  昨年度の同調査と比較すると、50代の男性では、英語力による年収差は1.3 倍が1.5 倍へと拡大しました(600万円 vs 1000万円以上)。女性も拡大していますが、とくに40 代、50 代では、 1.6 倍から 、それぞれ1.9 倍、 2.2 倍と拡大しています。 2倍の格差(年収300万円 vs 700万円)というのは、非常に大きいですね。

  3年前の調査でも、コロナ発生後、英語力が日常会話レベル、ビジネスレベルともに、どの年代でも、発生後以前に比べ、企業から高い年収でスカウトを受けていたことがわかりました。とくにビジネスレベルの英語力がある人では、50代の年収は全年代のなかで最も大きく伸びていました。

 

男性英語力別と国税庁調査結果の平均年収比較 女性英語力別と国税庁調査結果の平均年収比較

(出典 : Daijob HRClubレポート)

 

 

  以前にも述べた通り、これは、40代~50代の求職者が、転職を前にして、大慌てで英語を勉強して給与アップにつなげたというよりも、若いうちからビジネスレベルの英語力を身に着け、かつビジネス経験を養えば、40代~50代になって相応の給与が得られるということです。英語力が、若い頃には大した給与差につながらなかったのが、中年になると大きな差を生むと言ってもいいかもしれません。

  また、英語ができる人は外資系に勤めている割合が高く、その分、平均給与を押し上げることになっているとも言えます。

  なお、最終経験職種別の平均年収を英語力で比較すると、不動産関連職種を除いて、「英語レベルビジネス会話以上」の方が「日常会話以下」に比べ、平均年収が高い結果となりました。最も差が開いたのは、金融関連職種で 1.6 倍でした。

  観光・外食業界で外国人観光客とやり取りするくらいであれば日常会話レベルでも何とかなるかもしれませんが、ビジネスの世界で交渉などをするのであればビジネス会話レベルの英語力は必須です。「グローバル人材」ともなれば、ビジネス会話は”あたり前”のスキルです。

  そして、目指すべきは「コミュニケーションツールとしての英語」「完璧な英語でなく通じる英語」です。



(※1) スカウトとは、Daijob.com に求人を掲載している企業が、同サイトに会員登録し履歴書を公開している求職者に対して、選考や面接のオファーを直接連絡するサービス。

(※2) 国税庁「令和 3 年分 民間給与実態統計調査」の平均給与。

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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