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有元美津世のGet Global!

外資・グローバル転職で役立つ英語表現(32)-- Misogyny2023.02.21

 

  前回、紹介したように、マドンナが自らの容姿に対する批判への反論で、社会の悪しき因習として”ageism”(年齢差別)と並んで挙げたのが、”misogyny”でした。

  “Misogyny”とは「女性憎悪・嫌悪」という意味で、日本語でも「ミソジニー」として英語表現がそのまま使われるケースが増えています。フェミニストは、昔から使っていた言葉ですが、主流メディアでも使われるようになったのは、アメリカでも最近です。「女性蔑視」という意味で使われることも増えています。

  世界的に問題になっている、女性であることを理由に女性を殺害する”femicide”は、究極のmisogynyの形であると言えます。日本で「幸せそうな女性を見ると殺してやりたいと思うようになった」という犯人が不特定多数の女性を刺した事件は、misogynyの表れであり、”attempted femicide”(フェミサイド未遂)と言えるでしょう。


Femicide is the most extreme form of misogyny.
(フェミサイドは、女性憎悪の究極の表れだ。)


More teenage boys are expressing misogyny online in some countries.
(一部の国では、オンラインで女性嫌悪をあらわにする10代の男子が増えている。)


The UK has been trying to outlaw misogyny as a hate crime.
(イギリスは、ミソジニーをヘイトライムとして違法にしようとしている。)


  「女性嫌悪の」という意味の形容詞は”misogynistic”、「女性を嫌悪する人」は”misogynist”です。


The candidate's social media is full of misogynistic posts.
(その候補のソーシャルメディアは、女性嫌悪の投稿で満ちている。)


The misogynistic TikTok influencer has been arrested for human trafficking and rape.
(女性を憎悪するTikTokのインフルエンサーは、人身売買と強姦の容疑で逮捕された。)
* 英語圏で悪名高い元キックボクサーのイギリス系アメリカ人。とくにイギリスの10代男子に人気。


Misogynists insult and degrade women. Some even hurt them physically.
(女性嫌悪者は、女性を侮辱したり、貶めたりする。女性に対して暴力をふるう者すらいる。)


  Misogynisticな考えがsexistな行為につながるため、misogynyはsexism(性差別)と同じ意味で使われることもありますが、misogynistでない人(たとえば女性が大好きな男性)でも、「女性は家で家事や子育てに専念すべきだ」「女性はか弱いから〇〇はすべきではない」といった伝統的な性役割(sex/gender roles)を信じていれば、sexistではあり得ます。


Misogynists are always sexists, but sexists aren't always misogynists.
(女性嫌悪者は皆、性差別主義者だが、性差別主義者は、必ずしも女性嫌悪者とは限らない。)

 

Sexism

 

  「フェミニズム」は日本語になっていますし、「レイシズム」も、結構、そのまま日本語で使われているのを見ますが、”sexism”は、英語の知識のない人は、まず知らないですよね。


The politician has been accused of sexism. (その政治家は、性差別主義的だとして非難されている。)


  形容詞の”sexist”(性差別的な)を使っても同じことが言えます。


The politician has been accused of being sexist.


Sexism is so ingrained in our mindset and society that we rarely take notice of it. (性差別は、我々の考え方や社会に深く根付いているため、気づかないことが多い。)


  「性別を理由に差別をする人」という意味の名詞も、形容詞と同じ”sexist”です。一語違い(iとsの間にeあり)の“sexy”の最上級の”sexiest”(一番セクシーな、最高にセクシーな)とは、まったく違う意味ですので、お間違いなく。(”sexist”で検索すると、”sexiest”が多々出てきてます。)


The movie was full of sexist stereotypes.
(その映画は、性差別的なステレオタイプに溢れていた。)


My boss is a big-time sexist. No way I'll be promoted.
(私の上司は、すっごい男尊女卑。昇進させてくれるわけない。)


I didn't realize my ex-boyfriend was such a sexist until I started dating my current boyfriend.
(元カレが、それほど男尊女卑だとは、今のカレと付き合うまで気づかなかった。)

 

Femicide

 

  冒頭で挙げた“femicide”ですが、”...cide”とは「殺人者」という意味です。アメリカの刑事ドラマで聞いたことがあるかもしれませんが、「殺人事件」といった場合の「殺人」は ”homicide”と言います。

  アメリカの警察の殺人課は、”homicide bureau/department/division/unit”と呼ばれ、殺人担当の刑事は”homicide detective”です。

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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