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有元美津世のGet Global!

勤務先に求める社会貢献性、SDGsへの取り組み2021.05.18


  前回、紹介したキャリアに対するアンケート調査(アスタミューゼ)では、転職希望者が「転職先に求めるもの」を尋ねる質問もありました。これまでは、ずっと「給与の向上」が1位だったのが、今年2月の調査で、初めて「社会貢献性」が1位となったのです。さらに、転職希望者の半数以上が、転職先の企業に「社会貢献性を求める」という結果でした。
  なお、英語ではCSR - ”Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)”という言葉が定着しており、日本でも「CSR企業ランキング」を発表している出版社がありますね。

 

企業のSDGsへの取り組みも考慮


 実は、先月、行われたDaijob.comに登録している求職者(日本国籍200人、外国籍185人)に対するアンケートでも、「SDGsへの取り組み」が転職先を選ぶ際の重要なポイントであることがわかっています。
 SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、国連が掲げている17の目標から成り、貧困や不平等、気候変動など、世界が直面するグローバルな課題の解決を目指し、より持続可能な未来を築くための道標と位置づけられています。(17の目標は、下記のグラフのとおり。)
 まず、SDGsの認知度ですが、Daijob.comのアンケート調査では、74%が「知っている」と答えており(「知っているが詳細は知らない」19%を含む)、一般の人(20~69歳)を対象にしたアンケート調査(楽天インサイト)の50%に比べて高い数字となっています。
 「SDGsに興味あり」という人も、「少しある」という人を入れると85%に達していました。
  Daijob.comの登録者には、大学の授業で各国の社会課題について学んだ経験があったり、日々の仕事の中でSDGsの目標達成につながる行動をしていたりという人が多く見られたということです。また、最近では、人材の定着率向上のために、SDGsと事業の結びつきをPRする企業も増えています。
 さらに、Daijob.comの調査では、転職先を選ぶ際に、その企業の「SDGsへの取り組みも考慮に入れる」と回答した人が59%に達しています。SDGsの課題について「自分自身も課題解決のために行動を起こしている」、または「行動を起こしていきたい」と考えている人も多数いるようです。

ジェンダー平等の実現


 また、回答者が勤務している会社、または直近まで勤務していた会社(外資系38%)に関し、SDGsの目標17のうち、もっとも取り組まれていた目標について聞いたところ、下記のグラフに見るように「5.ジェンダー平等を実現しよう」が、一番多いという結果でした。

ジェンダー平等の実現


 Daijob.comを展開するヒューマングローバルタレント社では、SDGsの目標のうち「8. 働きがいも経済成長も」と「10. 人や国の不平等をなくそう」に重点的に取り組んでおり、女性管理職の割合が38.4%に達しています。これは、2020年に企業平均7.8%(帝国データバンク調査)と比べて、とても高い数字となっています。

 このSDGsですが、バイリンガル人材でも、26%の人は「知らない」、19%も「知っているが詳細は知らない」ということなので、次回は、SDGsについて書きたいと思います。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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